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アドステロール-I131注射液

放射性医薬品/副腎疾患診断薬

1MBq 1084円

添付文書番号

4300426A1020_2_01

企業コード

651410

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

874300

薬効分類名

放射性医薬品/副腎疾患診断薬

承認等

販売名

アドステロール−I131注射液

販売名コード

4300426A1020

販売名英字表記

Adosterol-I 131 Injection

販売名ひらがな

あどすてろーるI131ちゅうしゃえき

承認番号等

承認番号
15500AMZ00879000

販売開始年月

1980年6月

貯法、有効期間

貯法
4℃以下保存
有効期間
製造日から2週間

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)注射液(放射性医薬品基準)

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. ヨード過敏症患者
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性ならびに授乳中の女性
  3. 副腎疾患が強く疑われる者以外の患者[副腎及び性腺の被曝が多い。]
  4. 18歳未満の者には投与しないことを原則とする。[性腺、ことに卵巣への被曝が多い。]
  5. ジスルフィラム、シアナミド、プロカルバジン塩酸塩を投与中の患者

組成・性状

組成

アドステロール−I131注射液
有効成分
1バイアル中 0.5mL
6β-ヨードメチル-19-ノル-コレスト-5(10)-エン-3β-オール(131I)(検定日時) 18.5MBq
有効成分
1バイアル中 1mL
6β-ヨードメチル-19-ノル-コレスト-5(10)-エン-3β-オール(131I)(検定日時)  37MBq
添加剤
1バイアル中 0.5mL
エタノール 0.008mL
ポリソルベート80 0.016mL
生理食塩液 適量
1バイアル中 1mL
エタノール 0.016mL
ポリソルベート80 0.032mL
生理食塩液 適量

製剤の性状

アドステロール−I131注射液
pH5.5~7.0
浸透圧比約2(生理食塩液に対する比)
外観
無色澄明の液

効能又は効果

副腎シンチグラムによる副腎疾患部位の局在診断

用法及び用量

本品に生理食塩液又は注射用水を加えて2倍以上希釈する。
次に、その約18.5MBqを被検者に30秒以上かけてゆっくり静注し、静注7日目以降にプローブ型シンチレーションデテクタースキャナー又はシンチカメラを用いてデテクターを体外より副腎部に向けて走査又は撮影することにより副腎シンチグラムを得る。
なお、年齢、体重により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 飲酒に対し強い反応を示す患者
    血管迷走神経反応系の副作用があらわれやすい。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児への被曝を避けるため。

授乳婦

授乳を避けさせること。乳児への被曝を避けるため。

小児等

投与しないことを原則とする。性腺、ことに卵巣への被曝が多い。

高齢者

患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ジスルフィラム、シアナミド、プロカルバジン塩酸塩
これら薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、血圧降下、悪心、頻脈、めまい、呼吸困難、視力低下等)を起こすおそれがある。
本剤はエタノールを含有しているため。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
N-メチルテトラゾールチオメチル基を有するセフェム系抗生物質(セフメノキシム塩酸塩等)、メトロニダゾール
これら薬剤とのアルコール反応(顔面潮紅、悪心、頻脈、多汗、頭痛等)を起こすおそれがある。
本剤はエタノールを含有しているため。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、血管浮腫、呼吸困難等のアナフィラキシーがあらわれることがある。

その他の副作用

0.1%~5%
頻度不明
過敏症
発疹
発赤
循環器
動悸、顔面紅潮、徐脈
頻脈、血圧上昇、顔面蒼白
消化器
嘔気、嘔吐
その他
めまい、頭痛、発汗、息苦しさ、腹部痛
胸部、背部、腰部等の痛み、顔面・四肢のしびれ、気分不良、不快感、冷汗、脱力、熱感、けいれん、目のちらつき、悪寒

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 本品投与にあたっては、体内で遊離した放射性ヨードが甲状腺に摂取されることを防止するため、適当なヨード剤で甲状腺をブロックすること。
  2. 本品はエタノールを1.6v/v%含むので、生理食塩液又は注射用水を用いて2倍以上に希釈し、30秒以上かけてゆっくり投与すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
便秘症の患者にて副腎イメージと糞便中に排泄された131Iが重なったと考えられる症例があり、注射後、下剤等で排便の促進を行うことを指示した報告がある。

薬物動態

分布

  1. 本品は副腎に取り込まれ、長く残存する。その集積率は131I-19-ヨードコレステロールに比べ高いと報告されている。また、肝臓への集積も認められるが、投与7日後において副腎/バックグランドの比が最も高く、通常、静注後7日目以降にイメージングを行うのが良いとされている。
    また、糖質コルチコイドであるデキサメサゾンの投与によりACTHの分泌が抑制されるため、正常あるいは過形成では本品の集積は低下する。一方、腺腫では腫瘍部への集積には変化がないので、腺腫例と正常あるいは過形成との鑑別が可能である,,
  2. 吸収線量
    MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。
    臓器
    吸収線量(mGy/18.5MBq)
    全身
    4.4
    8.4
    肝臓
    8.0
    脾臓
    8.9
    副腎
    791.2
    腎臓
    4.6
    睾丸
    3.7
    卵巣
    40.3
    (自社データ)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    副腎疾患の強く疑われる患者209例について、その病変の局在を知る目的でアドステロール-I131注射液を用いた副腎シンチグラフィを施行した。その結果、原発性アルドステロン症42例中38例(90.5%)、クッシング症候群26例中26例(100%)、その他の副腎疾患8例中8例(100%)の病変の局在を明確に指摘することが可能であった。
    本品の原発性アルドステロン症の腺腫への集積率はホルモン産生能と腺腫の大きさとに関係すると考えられており、通常、直径が1cm以下の腺腫では診断が困難とされている。また、たとえ直径が1cm以上の場合でも、ホルモン産生能が低い場合、陽性描出不可能な場合がある。

薬効薬理

測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
集積機序
コレステロールは副腎皮質ステロイドの主要な前駆物質であることから、本品は副腎へ集積すると考えられている。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 ヨウ化メチルノルコレステノール(131I)
分子式:
C27H45O131I
分子量:
516.66
化学構造式:
核物理学的特性(131Iとして)
  • 物理的半減期:8.02070日
  • 主なγ線エネルギー: 365keV(81.7%)
  • 主なβ線エネルギー: 606keV(89.5%)
  • β線組織内飛程:2mm
  • 減衰表:
    経過日数
    (日)
    残存放射能
    (%)
    経過日数
    (日)
    残存放射能
    (%)
    経過日数
    (日)
    残存放射能
    (%)
    −3
    129.6
    8
    50.1
    19
    19.4
    −2
    118.9
    9
    45.9
    20
    17.8
    −1
    109.0
    10
    42.1
    21
    16.3
    0
    100
    11
    38.7
    22
    14.9
    1
    91.7
    12
    35.5
    23
    13.7
    2
    84.1
    13
    32.5
    24
    12.6
    3
    77.2
    14
    29.8
    25
    11.5
    4
    70.8
    15
    27.4
    26
    10.6
    5
    64.9
    16
    25.1
    27
    9.7
    6
    59.5
    17
    23.0
    28
    8.9
    7
    54.6
    18
    21.1
    29
    8.2

取扱い上の注意

  1. 放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
  2. 本品はなるべく凍結状態で保存した方がよい。

包装

18.5MBq(0.5mL)[1バイアル]、37MBq(1mL)[1バイアル]

主要文献

1
大橋輝久,ほか:西日本泌尿器科. 1978;40:172-179
2
鴨井逸馬,ほか:日本医学放射線学会雑誌. 1976;36:993-1005
3
川上憲司,ほか:現代の診療. 1976;18:607-615
4
菅原盛家,ほか:核医学. 1978;15:1155-1163
5
藤田 透,ほか:核医学. 1980;17:219-227

文献請求先及び問い合わせ先

PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話番号 0120-383-624

製造販売業者等

製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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