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閲覧履歴

マルタミン注射用

高カロリー輸液用総合ビタミン剤

1瓶 333円

添付文書番号

3179514F1028_5_05

企業コード

171575

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873179

薬効分類名

高カロリー輸液用総合ビタミン剤

承認等

販売名

マルタミン注射用

販売名コード

3179514F1028

販売名英字表記

MULTAMIN Injection

承認番号等

承認番号
20100AMZ00495

販売開始年月

1990年2月

貯法、有効期間

貯法
冷所保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

-

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤又は本剤配合成分に過敏症の既往歴のある患者
  2. 血友病の患者
    [パンテノールを含有しているため、出血時間を延長するおそれがある。]

組成・性状

組成

マルタミン注射用
有効成分
チアミン塩化物塩酸塩  5mg
有効成分
リボフラビンリン酸エステルナトリウム  5mg
有効成分
ピリドキシン塩酸塩  5mg
有効成分
シアノコバラミン  0.01mg
有効成分
アスコルビン酸  100mg
有効成分
ニコチン酸アミド  40mg
有効成分
パンテノール  15mg
有効成分
ビオチン  0.1mg
有効成分
葉酸  0.4mg
有効成分
ビタミンA油  4,000国際単位
レチノールパルミチン酸エステルとして
有効成分
コレカルシフェロール  400国際単位
有効成分
トコフェロール酢酸エステル  15mg
有効成分
メナテトレノン  2mg
添加剤
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60  50mg
ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール  10mg
水酸化ナトリウム(pH調節剤)  適量
塩酸(pH調節剤)  適量
ビタミンA油にはラッカセイ油が含まれる

製剤の性状

マルタミン注射用
pH4.5~5.5注)
浸透圧比約1注)(生理食塩液に対する比)
性状
外観
黄褐色の塊又は粉末を含む塊
(凍結乾燥注射剤)
溶解液注)
黄褐色のコロイドようの液
注)本剤1バイアルに水5mLを加えて溶解したとき

効能又は効果

経口・経腸管栄養補給が不能又は不十分で高カロリー静脈栄養に頼らざるを得ない場合のビタミン補給

用法及び用量

1バイアルに注射用水、生理食塩液又は高カロリー経静脈栄養輸液を約5mL加えて溶解した後、その溶解液を高カロリー経静脈栄養輸液に添加し、点滴静注する。
用量は通常、成人1日1バイアルとする。
なお、年齢・症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

本剤は高カロリー静脈栄養輸液添加用ビタミン剤であるため、単独投与及び末梢静脈内投与は避けること。

重要な基本的注意

本剤の添加剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する医薬品でショックの発現が報告されているので、投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 高カルシウム血症の患者
    血液・尿検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。コレカルシフェロールを含有している。
  2. 本人又は両親・兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者
  3. 薬物過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

生殖能を有する者

妊婦

  1. 妊娠3カ月以内又は妊娠を希望する女性
    投与する場合には、用法・用量に留意し、本剤によるビタミンAの投与は5,000IU/日未満に留めるなど必要な注意を行うこと。外国において、妊娠前3カ月から妊娠初期3カ月までにビタミンAを10,000IU/日以上摂取した女性から出生した児に、頭蓋神経堤などを中心とする奇形発現の増加が推定されたとする疫学調査結果がある。
  2. 妊婦(妊娠3カ月以内の女性を除く)
    治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
    ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

授乳婦

  1. 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
  2. ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

小児等

ビタミンD過剰にならないように、慎重に投与すること。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
パーキンソン病治療薬
レボドパ
レボドパの作用を減弱させるおそれがある。
ピリドキシン塩酸塩は、レボドパの脱炭酸酵素の補酵素であり、併用によりレボドパの末梢での脱炭酸化を促進し、レボドパの脳内作用部位への到達量を減少させる。
ワルファリン
ワルファリンの作用を減弱させるおそれがある。
メナテトレノン(ビタミンK2)が、ワルファリンの作用に拮抗する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹、そう痒、顔面潮紅
消化器
腹痛、下痢、食欲不振、悪心

臨床検査結果に及ぼす影響

  1. アスコルビン酸を含有しているため、尿糖の検出を妨害することがある。また、各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。
  2. リボフラビンリン酸エステルナトリウムを含有しているため、尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。

適用上の注意

全般的な注意
使用時には、感染に対する配慮をすること。
薬剤調製時の注意
  1. 本剤溶解後は速やかに高カロリー輸液に添加し、通常12時間以内に投与を終了すること。
  2. 配合薬剤によってビタミンの分解が促進されることがあるので、注意すること。
薬剤投与時の注意
  1. ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
  2. 可塑剤としてDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
  3. 残液は使用しないこと。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅱ相試験(一般臨床試験)
    経口・経腸栄養摂取不能な患者で高カロリー輸液療法を施行した成人症例58例を対象に、本剤1日1バイアルを高カロリー輸液に溶解・添加し、原則として7日間以上経中心静脈持続点滴投与を行った結果、血中ビタミン濃度は概ね良好に維持された。
    副作用は認められず、因果関係が否定できない臨床検査値異常としては1例2件の肝機能異常(ALT、AST上昇)が認められた。
  2. 国内第Ⅲ相試験(比較臨床試験成績)
    手術後高カロリー輸液療法を施行した成人症例125例を対象に、本剤(63例)又は対照薬として市販高カロリー輸液用総合ビタミン剤(62例)1日1バイアルを高カロリー輸液に溶解・添加し、原則として7日間以上経中心静脈持続点滴投与を行った結果、ビタミンK以外に各血中ビタミン濃度は両群に差はなく、ビタミン欠乏・過剰症状は認められず、副作用も認められなかった。
  3. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験)
    経口・経腸栄養摂取不能な患者で高カロリー輸液療法を施行中、あるいは施行を開始する成人症例228例(解析対象例221例)を対象に、本剤1日1バイアルを高カロリー輸液に溶解・添加し、原則として7日間以上経中心静脈持続点滴投与を長期にわたり行った結果、血中ビタミン濃度は、ビタミンB1、B2、B12及びビタミンK2がやや高めに推移したが、他のビタミンは基準値内で維持された。また、投与期間中、ビタミン欠乏・過剰症状は認められず、副作用も認められなかった。

薬効薬理

作用機序
本剤は13種類のビタミンを含有し、高カロリー静脈栄養輸液に添加してビタミンを補給する。
ビタミン補給効果
雄ビーグル犬(n=5)に本剤0.1mL/kg注)(ヒト臨床用量に相当)を輸液(市販の高カロリー輸液用基本液とアミノ酸製剤の混合液)に添加して35日間中心静脈から投与し、ビタミン非投与群との比較検討をした結果、投与されたビタミンのうち10種類のビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンD、E、K)について、ビタミン非投与群に比較して血中あるいは肝中ビタミン濃度の上昇がみられた。また、全例とも試験終了まで異常なく生存し、本剤投与による各種ビタミンの過剰症状は認められなかった。
注)本剤1バイアルを注射用水5mLに溶解したものを原液とし、投与量は原液の量で表示

包装

10バイアル

主要文献

1
小越章平, 他:JJPEN.1988;10(6):815-828
2
武藤輝一, 他:JJPEN.1988;10(6):761-811
3
森 昌造, 他:JJPEN.1989;11(1):47-64
4
樽見千利, 他:基礎と臨床.1988;22(11):3437-3456

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社陽進堂 お客様相談室
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号
 フリーダイヤル 0120-647-734

製造販売業者等

製造販売元
エイワイファーマ株式会社
東京都中央区日本橋浜町二丁目31番1号
販売元
株式会社陽進堂
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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