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ルテスデポー注

黄体・卵胞ホルモン混合製剤

1管 330円

添付文書番号

2482403A1021_1_08

企業コード

790005

作成又は改訂年月

2022年2月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872482

薬効分類名

黄体・卵胞ホルモン混合製剤

承認等

販売名

ルテスデポー注

販売名コード

2482403A1021

販売名英字表記

LUTES DEPOT Injection

販売名ひらがな

るてすでぽーちゅう

承認番号等

承認番号
13313KUZ00935001

販売開始年月

1958年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル・エストラジオール安息香酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
  2. 血栓性静脈炎、肺塞栓症又はその既往歴のある患者[血栓形成傾向が増強するおそれがある。]
  3. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
  4. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  5. 妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[妊娠ヘルペスが再発するおそれがある。]

組成・性状

組成

ルテスデポー注
有効成分
ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル  125mg
有効成分
日局 エストラジオール安息香酸エステル  10mg
添加剤
ゴマ油と安息香酸ベンジルの混合液(6:4)  適量

製剤の性状

ルテスデポー注
性状
無色~微黄色の澄明な油液(油性注射剤)

効能又は効果

機能性子宮出血

用法及び用量

通常、1回1mLを筋肉内注射する。なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

定期的に婦人科的検査(乳房を含めて)等を実施すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 子宮筋腫のある患者
    子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
  2. 乳癌の既往歴のある患者
    乳癌が再発するおそれがある。
  3. 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
    症状が増悪するおそれがある。
  4. 心疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により症状が増悪するおそれがある。
  5. てんかん患者
    体液貯留を起こし、てんかんが増悪するおそれがある。
  6. 糖尿病患者
    十分管理を行いながら投与すること。糖尿病が増悪することがある。
  7. 骨成長が終了していない可能性がある患者
    骨端の早期閉鎖をきたすおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により症状が増悪するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
    投与しないこと。症状が増悪することがある。

生殖能を有する者

本剤の投与に際しては問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断などにより、妊娠していないことを十分に確認すること。

妊婦

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
  2. 黄体・卵胞ホルモン剤の使用と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体ホルモン剤又は黄体・卵胞ホルモン剤を使用していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。
  3. 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後、腟上皮及び子宮内膜の癌性変性を示唆する結果が報告されている,。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後、腟上皮の癌性変性を認めたとの報告がある。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
リファンピシンの長期投与により、黄体・卵胞ホルモン剤(経口剤)の作用が減弱するとの報告がある。
リファンピシンが薬物代謝酵素を誘導するためと考えられる。
血糖降下剤
グリベンクラミド
グリクラジド
アセトヘキサミド 等
血糖降下作用が減弱することがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意すること。
卵胞ホルモン(主に結合型エストロゲン、合成エストロゲン)は耐糖能を変化させ血糖を上昇させる作用が認められている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血栓症(四肢、肺、心筋、脳、網膜等)(頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹等
肝臓
黄疸、AST・ALTの上昇等
乳房
乳房痛、乳房緊満感等
電解質代謝
ナトリウムや体液の貯留による浮腫、体重増加等
循環器
血圧上昇等
消化器
悪心・嘔吐、下痢等
精神神経系
頭痛、眠気、倦怠感等
皮膚
ざ瘡、色素沈着等
投与部位
疼痛、発赤、硬結等
その他
熱感、腰痛

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 筋肉内注射にのみ使用すること。
  2. 筋肉内注射にあたっては組織・神経等への影響を避けるため、以下の点に注意すること。
    • 神経走行部位を避けること。
      注射針を刺入した時、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合には直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
    • 繰り返し注射する場合には、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えること。
    • 注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
黄体・卵胞ホルモン配合剤の長期服用により肝腫瘍が発生したとの報告がある。また、腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。

臨床成績

その他

五十嵐らは、我国で発表された機能性子宮出血の治療に関する文献を集計し、報告された1,795例について各種ホルモン剤の効果を比較した結果、高単位のエストロゲン注射剤及び黄体ホルモン125mgとエストラジオール安息香酸エステル10mgの混合注射剤が最も優れた成績を示したと報告している。

薬効薬理

作用機序
エストロゲンを添加することによりプロゲステロンの作用が増強され、下垂体性性腺刺激ホルモン抑制作用を有する。
エストロゲンとプロゲステロンの協調作用
エストロゲンとプロゲステロンの相互作用は末梢の性器のみならず、視床下部-下垂体系においても認められ、種々の要因により協調的あるいは拮抗的に作用する。
プロゲステロンの生物学的作用はエストロゲンの存在のもとに発現する場合が多く、ヒトの子宮内膜について検討した報告ではエストラジオール安息香酸エステルとプロゲステロンの比が1:10~1:20の時に最も相乗作用が強かったと報告されている。
子宮内膜に対する作用
一般にエストロゲンは嚢胞様増殖のようなエストロゲン過剰性のものに奏効すると言われているが、エストロゲン単独療法のみでは止血後にestrogen withdrawal bleedingが発来し、機能性出血を上回ることすらある。一方、プロゲステロンも子宮出血に対して古くから使用され、不完全な分泌期内膜の症例に有効と言われている。
従って、種々要因による機能性子宮出血に対しては、それぞれ単独で用いるよりも両者を併用するほうが合理的であり、また、それによりestrogen withdrawal bleedingも防ぐことができる。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル
一般的名称
ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル(Hydroxyprogesterone Caproate)
化学名
17-Hydroxy-4-pregnene-3,20-dione hexanoate
分子式
C27H40O4
分子量
428.60
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。クロロホルムに極めて溶けやすく、メタノール、アセトン、酢酸エチル又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
120~124℃
19.2 エストラジオール安息香酸エステル
一般的名称
エストラジオール安息香酸エステル(Estradiol Benzoate)
化学名
Estra-1,3,5(10)-triene-3,17β-diol 3-benzoate
分子式
C25H28O3
分子量
376.49
性状
白色の結晶性の粉末で、においはない。アセトンにやや溶けにくく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
191~198℃

包装

アンプル:1mL×10管

主要文献

1
Janerich, D. T. et al.:N. Engl. J. Med. 1974;291(14):697-700
2
安田佳子 他:医学のあゆみ. 1976;98(8):537-538
3
安田佳子 他:医学のあゆみ. 1976;99(8):611-612
4
守 隆夫:医学のあゆみ. 1975;95(11):599-602
5
五十嵐正雄 他:産婦人科治療. 1965;11(1):55-62
6
伊藤正男 他総編集:医学大辞典 第2版. 医学書院;2009. 2862
7
Zondek, B.:JAMA. 1942;118(9):705-707
8
小林 隆 他監修:現代産科婦人科学大系 第4巻D 臨床内分泌学各論. 中山書店;1971. 323-327

文献請求先及び問い合わせ先

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