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アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」

プロスタグランジンE1製剤

1筒 823円

作成又は改訂年月

*
2017年1月改訂
(第2版)
2012年9月作成

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

プロスタグランジンE1製剤

承認等

販売名

アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」

販売名コード

2190406G1066

承認・許可番号

22400AMX01269000
Alprostadil

薬価基準収載年月

2012年12月

販売開始年月

2012年12月

貯法・使用期限等

 貯法
凍結を避け5℃以下で遮光保存
 使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

基準名

 日本薬局方
アルプロスタジル注射液

規制区分

 劇薬
 処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」

本剤は下記成分をシリンジに充填したキット製剤である。
有効成分の名称
アルプロスタジル
含量(1シリンジ中)
5μg/1mL
添加物(1シリンジ中)
ダイズ油100mg,卵黄レシチン18mg, グリセリン22.1mg,オレイン酸2.4mg,pH調節剤適量

製剤の性状

剤形・性状乳濁性の注射剤
白色の乳濁液で,僅かに粘性があり,特異なにおいがある。
pH4.5〜6.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

警告

動脈管依存性先天性心疾患(新生児)に投与する場合には,本剤投与により無呼吸発作が発現することがあるので,呼吸管理設備の整っている施設で投与すること。

禁忌

重篤な心不全の患者[心不全の増強があらわれるとの報告がある。]
出血(頭蓋内出血,消化管出血,喀血等)している患者[出血を助長するおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

 ・慢性動脈閉塞症(バージャー病,閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善
 ・下記疾患における皮膚潰瘍の改善
 進行性全身性硬化症
 全身性エリテマトーデス
 ・糖尿病における皮膚潰瘍の改善
 ・振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに末梢循環・神経・運動機能障害の回復
 ・動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存
 ・経上腸間膜動脈性門脈造影における造影能の改善

用法及び用量

 ・慢性動脈閉塞症(バージャー病,閉塞性動脈硬化症),進行性全身性硬化症,全身性エリテマトーデス,糖尿病,振動病の場合
通常,成人1日1回1〜2mL(アルプロスタジルとして5〜10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注,又は点滴静注する。
なお,症状により適宜増減する。
 ・動脈管依存性先天性心疾患の場合
輸液に混和し,開始時アルプロスタジル5ng/kg/minとして持続静注し,その後は症状に応じて適宜増減して有効最小量とする。
 ・経上腸間膜動脈性門脈造影における造影能の改善の場合
通常,成人には1回1mL(アルプロスタジルとして5μg)を生理食塩液で10mLに希釈し,造影剤注入30秒前に3〜5秒間で経カテーテル的に上腸間膜動脈内に投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤を輸液以外の他の薬剤と混和使用しないこと。ただし血漿増量剤(デキストラン,ゼラチン製剤等)との混和は避けること。なお,持続投与を行う場合には,ライン内での凝集を防ぐため,必ず単独ラインで投与すること。
経上腸間膜動脈性門脈造影に用いる場合には,凝集・クリーミングを起こす可能性があるため,造影剤と直接混和しないこと。また,本剤を投与した後,カテーテル内を生理食塩液で洗浄してから造影剤を投与すること。

使用上の注意

慎重投与

心不全の患者[心不全の増強傾向があらわれることがある。]
緑内障,眼圧亢進のある患者[眼圧を亢進させるおそれがある。]
胃潰瘍の合併症及び既往歴のある患者[既往のある患者に胃出血を起こすおそれがある。]
間質性肺炎の患者[間質性肺炎を増悪することがある。]
腎不全の患者[腎不全を増悪することがある。]
出血傾向のある患者[出血を助長するおそれがある。]
抗凝血剤(ワルファリン等)あるいは血小板機能を抑制する薬剤(アスピリン,チクロピジン塩酸塩,シロスタゾール等),血栓溶解剤(ウロキナーゼ等)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
経上腸間膜動脈性門脈造影に用いる場合,重度の食道静脈瘤が認められている患者[門脈圧を上昇させるおそれがある。]

重要な基本的注意

慢性動脈閉塞症(バージャー病,閉塞性動脈硬化症),進行性全身性硬化症,全身性エリテマトーデス,振動病,糖尿病における皮膚潰瘍の患者に適用する場合には,次の事項を考慮すること。
本剤による治療は対症療法であり,投与中止後再燃することがあるので注意すること。
心不全,肺水腫,胸水があらわれることがあるので,循環状態(血圧,脈拍等)を十分に観察すること。また,動悸,胸苦しさ,呼吸困難,浮腫等が認められた場合には本剤の投与を中止し,適切な処置を行うこと。特に高齢者は心機能等生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
糖尿病における皮膚潰瘍の患者に適用する場合には,次の事項を考慮すること。
糖尿病治療の基本である食事療法,運動療法,経口血糖降下剤,インスリン等の治療を行った上での適用を考慮すること。
外用の糖尿病性潰瘍治療剤では十分な効果が期待されない患者に対して適用を考慮すること。
投与中は経過を十分に観察し,4週間連日投与して効果が認められない場合には,他の適切な治療に切り替えること。
経上腸間膜動脈性門脈造影に適用する場合には,次の事項を考慮すること。
肝硬変がある場合には,十分な造影能が得られない可能性がある。
動脈管依存性先天性心疾患の新生児に適用する場合には,次の事項を考慮すること。
重篤な疾患を有する新生児への投与なので,観察を十分に行い慎重に投与すること。なお,副作用が発現した場合は,投与中止,注入速度の減速など適切な処置を講ずること。
過量投与により副作用発現率が高まるおそれがあるため,有効最小量で維持すること。
長期投与により長管骨膜に肥厚がみられるとの報告があるので観察を十分に行い,必要以上の長期投与は避けること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝血剤
 ワルファリン等
出血傾向の増強を来すおそれがある。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため,これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
血小板機能を抑制する薬剤
 アスピリン,
 チクロピジン塩酸塩,
 シロスタゾール等
出血傾向の増強を来すおそれがある。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため,これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
血栓溶解剤
 ウロキナーゼ等
出血傾向の増強を来すおそれがある。本剤は血小板凝集抑制作用を有するため,これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

 *ショック,アナフィラキシー(頻度不明)
ショック,アナフィラキシーがあらわれることがあるので,観察を十分に行い,蕁麻疹,喉頭浮腫,呼吸困難,チアノーゼ,血圧低下等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
 意識消失(頻度不明)
血圧低下に伴い一過性の意識消失があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
 心不全,肺水腫(頻度不明)
心不全(増強を含む),肺水腫,胸水があらわれることがあるので,動悸,胸苦しさ,呼吸困難,浮腫等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意」の項参照)
 間質性肺炎(頻度不明)
間質性肺炎(増悪を含む)があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
 心筋梗塞(頻度不明)
心筋梗塞があらわれることがあるので,観察を十分に行い,胸痛,胸部圧迫感,心電図異常等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
 脳出血,消化管出血(頻度不明)
脳出血,消化管出血があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止すること。
 無顆粒球症,白血球減少,血小板減少(頻度不明)
無顆粒球症,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
 肝機能障害,黄疸(頻度不明)
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど,適切な処置を行うこと。
 無呼吸発作(頻度不明)
新生児に投与した場合,無呼吸発作があらわれることがあるので,観察を十分に行うこと。なお,発現した場合は,減量,注入速度の減速,投与中止など適切な処置を行うこと。

その他の副作用

下記のような症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発現した場合には,減量,投与中止など適切な処置を行うこと。
 頻度不明
消化器嘔気,腹痛,嘔吐,下痢,腹部膨満感・不快感,食欲不振,便秘,口腔腫脹感,口内炎(アフタを含む)
循環器血圧降下注),血管炎,顔面潮紅,胸部絞扼感注),発赤,胸痛注),動悸,頻脈,血圧上昇注)
呼吸器咳嗽,呼吸困難,喘息注)
血液好酸球増多
中枢神経系発熱,頭痛,めまい,倦怠感,しびれ(感),悪寒,振戦,痙攣
皮膚発疹,そう痒感,蕁麻疹,発汗
腎臓腎不全の増悪注)
注射部位血管痛,発赤,こわばり,そう痒感
出血傾向注)出血(鼻出血,眼底出血,結膜出血,皮下出血,血尿等)
その他熱感,四肢疼痛(増強を含む),気分不良,浮腫,視力低下,脱毛,低ナトリウム血症,四肢腫脹
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
新生児への投与にあたっては,1.に記載した副作用のほか,低クロール血症,低カルシウム血症,高脂血症があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット,in vitro)で子宮収縮作用が報告されており,また,ヒトにおける妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

動脈管依存性先天性心疾患以外の小児に対する安全性は確立していない。

適用上の注意

 投与時:
本剤投与により副作用があらわれた場合には,投与の中止,投与速度の変更など適切な処置を講ずること。
イヌにPGE1として0.1〜1.0μg/kgを前腸間膜動脈内に投与したところ,投与1分以後に腸管運動が促進された。この腸管運動の促進が血管造影に影響を与える可能性が否定できないため,経上腸間膜動脈性門脈造影に適用する場合,本剤を造影剤注入30秒前に投与すること。
 調製時:
凍結したものは使用しないこと。
本剤を輸液に混和し使用する場合は混和後24時間以内に使用し残液は廃棄すること。
 その他:
ポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合,可塑剤であるDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]が製剤中に溶出することが報告されている。
特に動脈管依存性先天性心疾患の新生児への投与に際しては,持続静注によりDEHPの総溶出量が増加するので,ポリ塩化ビニル製の輸液セット等の使用を避けることが望ましい。
本剤は脂肪乳剤を含有しているため,ポリカーボネート製の延長チューブ等を使用した場合,そのコネクター部分にひび割れが発生し,血液及び薬液漏れ,空気混入等の可能性があるので注意すること。

その他の注意

アルプロスタジル製剤の投与により脳梗塞がみられたとの報告がある。

薬効薬理

 生物学的同等性試験
アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」は,アルプロスタジル注10μgシリンジ「日医工」(2mL)と同一処方の注射液1mLをシリンジ充填したものである。
ヒト全血を用いたin vitro血小板凝集抑制作用及び正常イヌ並びにストレプトゾトシン誘発糖尿病ラットを用いた血管拡張作用を検討した結果,アルプロスタジル注10μgシリンジ「日医工」と標準製剤(注射剤,10μg)との生物学的同等性が検証された。1)

有効成分に関する理化学的知見

 一般名
アルプロスタジル(Alprostadil)
 化学名
7-{(1R ,2R ,3R )-3-Hydroxy-2-[(1E ,3S )-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]-5-oxocyclopentyl}heptanoic acid
 構造式

 分子式
C20H34O5
 分子量
354.48
 性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
エタノール(99.5)又はテトラヒドロフランに溶けやすく,アセトニトリルに溶けにくく,水にほとんど溶けない。
 融点
114〜118℃

取扱い上の注意

 注意
遮光を保つため,外箱に入れた状態で保存すること。
 次の場合には使用しないこと。
ブリスター包装が破損しているときや薬液が漏出しているとき。
シリンジ先端部のゴム栓が外れている,又はシリンジに破損等の異常が認められるとき。
 ブリスター包装の取扱いについて
脱酸素剤を入れているので,包装フィルム表面に減圧による凹みが生じることがある。
製品の品質を保持するため,使用直前まで開封しないこと。使用に際しては開封口からゆっくり開けること。
 シリンジの取扱いについて
先端のゴム栓を外した後,シリンジ先端部には触れないこと。
輸液に混和する際,シリンジで直接輸液を吸引しないこと。
開封後の使用は一回限りとし,使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄すること。
 安定性試験
長期保存試験(遮光,5℃)の結果より,アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」は,規定の条件下において1年間安定であることが確認された。2)

包装

アルプロスタジル注5μgシリンジ「日医工」
5μg/1mL×5シリンジ

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
日医工株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
2
日医工株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
  フリーダイアル(0120)517-215
  Fax(076)442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売(輸入)元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

その他の説明(付属機器の取り扱い等)

<製品仕様(構成と各部の名称)>



<使用方法>
(1)ブリスター包装の開封口からシールをゆっくりはがして開封する。(図1
 注意)ブリスター包装は使用直前まで開封しないこと。



(2)シリンジを取り出す。(図2
 注意)プランジャーを持って無理に引き出さないこと。
(ガスケットが変形し,薬液が漏出するおそれがある。)



(3)シリンジ先端のゴム栓を外す。(図3
 注意)ゴム栓を矢印の方向に斜めにねじりながら回し,ゆっくりと引き外す。ゴム栓を外した後,シリンジ先端部に触れないこと。



(4)市販の注射針をセットして,シリンジ内の空気を除去する。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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