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ヒューマリン3/7注ミリオペン

抗糖尿病剤

1キット 1421円

添付文書番号

2492403H6036_2_10

企業コード

530471

作成又は改訂年月

2021年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872492

薬効分類名

抗糖尿病剤

承認等

販売名

ヒューマリン3/7注カート

販売名コード

2492403H6036

販売名英字表記

Humulin®3/7 Injection

承認番号等

承認番号
22800AMX00416

販売開始年月

1996年12月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃で保存
有効期間
2年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ヒューマリン3/7注ミリオペン

販売名コード

2492413G9025

販売名英字表記

Humulin®3/7 Injection

承認番号等

承認番号
22800AMX00417

販売開始年月

2011年11月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃で保存
有効期間
2年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

日本薬局方 二相性イソフェンインスリン ヒト(遺伝子組換え)水性懸濁注射液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 低血糖症状を呈している患者
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ヒューマリン3/7注カート
有効成分
1カートリッジ又は1キット中
日局インスリン ヒト(遺伝子組換え)  300単位
添加剤
プロタミン硫酸塩  0.73mg
酸化亜鉛(亜鉛含量として)  33μg
濃グリセリン  48mg
m-クレゾール  4.8mg
液状フェノール  2.2mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物  11.3mg
pH調節剤  適量
含有比
速効型水溶性インスリン: 中間型イソフェンインスリン=3: 7
本剤は大腸菌を用いて製造される。
ヒューマリン3/7注ミリオペン
有効成分
1カートリッジ又は1キット中
日局インスリン ヒト(遺伝子組換え)  300単位
添加剤
プロタミン硫酸塩  0.73mg
酸化亜鉛(亜鉛含量として)  33μg
濃グリセリン  48mg
m-クレゾール  4.8mg
液状フェノール  2.2mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物  11.3mg
pH調節剤  適量
含有比
速効型水溶性インスリン: 中間型イソフェンインスリン=3: 7
本剤は大腸菌を用いて製造される。

製剤の性状

ヒューマリン3/7注カート
形態
カートリッジ
性状・剤形
白色の懸濁液で、放置するとき、白色の沈殿物と無色の上澄液に分離し、この沈殿物は、振り混ぜるとき、再び容易に懸濁状となる。(注射剤)
pH
7.0~7.8
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約0.8
ヒューマリン3/7注ミリオペン
形態
コンビネーション製品
(カートリッジ製剤をあらかじめインスリンペン型注入器に装填した使い捨て型キット)
性状・剤形
白色の懸濁液で、放置するとき、白色の沈殿物と無色の上澄液に分離し、この沈殿物は、振り混ぜるとき、再び容易に懸濁状となる。(注射剤)
pH
7.0~7.8
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約0.8

効能又は効果

インスリン療法が適応となる糖尿病

効能又は効果に関連する注意

2型糖尿病においては急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。

用法及び用量

本剤は速効型水溶性インスリンと中間型イソフェンインスリンの混合製剤である。
通常、成人では1回4~20単位を1日2回、朝食前と夕食前30分以内にインスリンペン型注入器を用いて皮下注射する。なお、1日1回投与のときは朝食前に皮下注射する。投与量は症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、維持量は通常1日4~80単位である。

用法及び用量に関連する注意

  1. 適用にあたっては本剤の作用時間、1mL当たりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
    なお、糖尿病性昏睡、急性感染症、手術等緊急の場合は、本剤のみで処置することは適当でなく、速効型インスリン製剤を使用すること。
  2. 他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。

重要な基本的注意

  1. 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
    〈製剤共通〉
    • 投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認したうえで、医師の管理指導の下で実施すること。
    • 全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
    〈カート〉
    • 本剤の使用にあたっては、必ず専用のインスリンペン型注入器の取扱説明書を読むよう指導すること。
    〈ミリオペン〉
    • 本剤の使用にあたっては、必ず添付されている取扱説明書を読むよう指導すること。
  2. 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。
  3. 低血糖があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。
  4. 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
  5. 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
  6. 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
  7. 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
    • 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。
    • 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
  8. 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 手術、外傷、感染症等の患者
    インスリン需要の変動が激しい。
  2. 低血糖を起こしやすい以下の患者又は状態
  • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
  • 下痢、嘔吐等の胃腸障害
  • 飢餓状態、不規則な食事摂取
  • 激しい筋肉運動
  • 過度のアルコール摂取
  1. 自律神経障害の患者
    アドレナリンの欠乏により低血糖の自覚症状が明確でないことがある。

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎機能障害患者
    低血糖を起こしやすい。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝機能障害患者
    低血糖を起こしやすい。

妊婦

妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。

授乳婦

用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。

小児等

定期的に検査を行うこと。成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化する。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
ビグアナイド系薬剤
スルホニルウレア系薬剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリンの分泌を促進し、糖新生を阻害する。
三環系抗うつ剤
ノルトリプチリン塩酸塩等
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
サリチル酸誘導体
アスピリン
エテンザミド
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
β細胞の糖に対する感受性の亢進、インスリン分泌促進により血糖降下作用を示す。また末梢で弱いインスリン様作用を有する。
抗腫瘍剤
シクロホスファミド水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
β遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
ピンドロール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序は不明である。
クロラムフェニコール
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序は不明である。
ベザフィブラート
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
サルファ剤
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
動物実験においてインスリンの分泌を促進するとの報告があり、血糖降下作用が増強される可能性がある。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
副腎皮質ステロイド
プレドニゾロン
トリアムシノロン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗し、また糖新生を促進する。
ACTH
テトラコサクチド酢酸塩
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖質コルチコイドの産生を促し、血糖上昇作用を示す。
アドレナリン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝での糖新生の促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制により血糖を上昇させる。
グルカゴン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝グリコーゲン分解促進、糖新生の亢進により血糖を上昇させる。
甲状腺ホルモン
レボチロキシンナトリウム水和物
乾燥甲状腺
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝での糖新生を亢進させる可能性がある。
成長ホルモン
ソマトロピン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。
卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
結合型エストロゲン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
経口避妊薬
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
ニコチン酸
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
濃グリセリン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
イソニアジド
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
炭水化物代謝を阻害し、血糖値を上昇させる。
ダナゾール
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
抗インスリン作用を有する。
フェニトイン
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌抑制作用を有する。
蛋白同化ステロイド
メスタノロン
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序は不明である。
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 低血糖(頻度不明)
    脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
    長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖昏睡に陥ることがある。
    低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
    低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。
  2. アナフィラキシーショック(0.1%未満)、血管神経性浮腫(頻度不明)
    アナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹等)、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
アレルギー、蕁麻疹、発疹、そう痒感
神経系
治療後神経障害(主に有痛性)
糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、屈折異常
注射部位
発赤、そう痒感
疼痛、腫脹、硬結、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
皮膚アミロイドーシス
肝臓
肝機能異常
その他
浮腫

適用上の注意

薬剤投与時の注意
〈製剤共通〉
  1. 本剤は懸濁製剤であるので、気泡を生じないように注意しながら十分混和し均一にした後、使用すること。
  2. 本剤のカートリッジにインスリン製剤を補充したり、他のインスリン製剤と混合しないこと。
  3. 皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なり、その結果作用発現時間が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。
  4. 静脈内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖が起こることがあるので注意すること。
  5. 1本を複数の患者に使用しないこと。
〈カート〉
  1. 本剤は必ず専用のインスリンペン型注入器を用いて使用すること。
〈ミリオペン〉
  1. 本剤はJIS T 3226-2に準拠したA型専用注射針を用いて使用すること。本剤はA型専用注射針との適合性の確認をBD マイクロファインプラス及びナノパスニードルで行っている。
  2. 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
  2. ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回皮下注射後の血中インスリン濃度
    健康成人男子16名にヒューマリン3/7注を14単位単回皮下注射して得られた血中濃度は次のとおりである。
     
    投与量
    (単位)
    n
    Cmax
    (μU/mL)
    Tmax
    (min)
    AUC
    (μU・min/mL)
    14
    16
    25.5
    65.6
    7956
    (平均値)

PharmacokineticsEtc

  1. 単回皮下注射後の血糖値
    健康成人男子16名にヒューマリン3/7注を14単位単回皮下注射して得られた血糖値は次のとおりである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    インスリン投与を必要とする糖尿病患者を対象として行われた臨床試験の成績の概要は次のとおりである。総症例は128例。1日投与量は、患者個々に症状に応じて主治医が決定した。
    有効性解析対象症例のうち「極めて良好」あるいは「良好」と判定された症例は37.5%(48/128)であった。
    有用度判定において、有用以上と判定された症例は50.0%(64/128)であった。
     
    評価方法
    n
    開始時
    2ヵ月
    3ヵ月
    平均1日投与量(単位)
    91
    21.8
    22.9
    23.0
    平均空腹時血糖値(mg/dL)
    53
    147
    154
    144
    平均HbA1c注)(%)
    83
    8.05
    8.16
    8.17
    注)本試験で測定されたHbA1c値は、JDS値/NGSP値として標準化される前に測定された値である。
     
    安全性評価対象例128例中24例に低血糖が認められた。その他の副作用として、顔面・四肢の皮疹、注射部位反応、蕁麻疹が各1例認められた。また、臨床検査値の異常変動として、軽度のAST、ALT及び総コレステロールの上昇が1例で認められた。

薬効薬理

作用機序
  1. 下記の作用の結果として血糖が降下する。
    • 肝臓におけるブドウ糖新生の抑制
    • 肝臓、筋肉におけるグリコーゲン合成の促進
    • 肝臓における解糖系の促進
  2. 培養ヒトリンパ球細胞、ラット脂肪細胞、ラット肝細胞膜におけるインスリンレセプターに対する結合、ラット脂肪細胞へのブドウ糖取り込み作用が認められた(in vitro)。
血糖降下作用
  1. ウサギ血糖による定量法により血糖降下作用が認められ、その力価は約27~28単位/mgであった。
  2. 健康成人男子にヒューマリンR注は0.1単位/kgを、ヒューマリンN注は0.2単位/kgをそれぞれ1回皮下注射した結果、いずれの試験においても、血糖降下作用が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
インスリン ヒト(遺伝子組換え)[Insulin Human(Genetical Recombination)]〔JAN〕[日局]
分子式
C257H383N65O77S6
分子量
5807.57
性状
白色の粉末である。水又はエタノール(95)にほとんど溶けない。0.01mol/L塩酸試液又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。吸湿性である。
化学構造式
アミノ酸21個のA鎖とアミノ酸30個のB鎖が、S-S結合で連結されたポリペプチドである。

取扱い上の注意

〈製剤共通〉
  1. 凍結を避け、遮光して2~8℃で冷蔵保存すること。
  2. 使用開始後は30℃以下で保存し、28日以内に使用すること。
  3. カートリッジの壁や底に白色の霜状粒子が付着することがあるが、このような本剤は使用しないこと。
〈カート〉
  1. 本剤をインスリンペン型注入器に装着したまま冷蔵庫に保存しないこと。
〈ミリオペン〉
  1. 使用開始後は、本剤を冷蔵庫に保存しないこと。

包装

〈ヒューマリン3/7注カート〉
3mL[2カートリッジ]
〈ヒューマリン3/7注ミリオペン〉
3mL[2キット]

主要文献

1
Herings RMC, et al.: Lancet. 1995; 345: 1195-1198
2
小坂樹徳 他: 基礎と臨床. 1993; 27(6): 2171-2183
3
葛谷 健: インスリン-分子メカニズムから臨床へ. 1996; 講談社: 90-95
4
小坂樹徳 他: 最新医学. 1988; 43(3): 590-601

文献請求先及び問い合わせ先

日本イーライリリー株式会社
〒651-0086 神戸市中央区磯上通5丁目1番28号
Lilly Answers リリーアンサーズ
日本イーライリリー医薬情報問合せ窓口
0120-360-605※1(医療関係者向け)
受付時間 月曜日~金曜日 8:45~17:30※2
※1通話料は無料です。携帯電話、PHSからもご利用いただけます
※2祝祭日及び当社休日を除きます
www.lillymedical.jp

製造販売業者等

製造販売元
日本イーライリリー株式会社
神戸市中央区磯上通5丁目1番28号

(参考情報)

Ⓡ:登録商標

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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