医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

コルヒチン錠0.5mg「タカタ」

痛風・家族性地中海熱治療剤

1錠 6.8円

添付文書番号

3941001F1077_1_08

企業コード

400186

作成又は改訂年月

2023年6月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873941

薬効分類名

痛風・家族性地中海熱治療剤

承認等

販売名

コルヒチン錠0.5mg「タカタ」

販売名コード

3941001F1077

販売名英字表記

COLCHICINE Tablets “TAKATA”

販売名ひらがな

こるひちんじょう0.5mg「たかた」

承認番号等

承認番号
21900AMX01535

販売開始年月

1964年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

コルヒチン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

〈効能共通〉
  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 肝臓又は腎臓に障害のある患者で、肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の患者
〈痛風発作の緩解及び予防〉
  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

コルヒチン錠0.5mg「タカタ」
有効成分
1錠中
日局 コルヒチン  0.5mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、青色1号

製剤の性状

コルヒチン錠0.5mg「タカタ」
性状
青色の円形の素錠である。
外形
表面
直径

約7.0mm
裏面
重さ

約0.11g
側面
厚さ

約2.1mm
識別コード
TTS-592

効能又は効果

  • 痛風発作の緩解及び予防
  • 家族性地中海熱

用法及び用量

〈痛風発作の緩解及び予防〉
通常、成人にはコルヒチンとして1日3~4mgを6~8回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
発病予防には通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5~1mg、発作予感時には1回0.5mgを経口投与する。
〈家族性地中海熱〉
通常、成人にはコルヒチンとして1日0.5mgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は1.5mgまでとする。
通常、小児にはコルヒチンとして1日0.01~0.02mg/kgを1回又は2回に分けて経口投与する。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日最大投与量は0.03mg/kgまでとし、かつ成人の1日最大投与量を超えないこととする。

用法及び用量に関連する注意

〈痛風発作の緩解及び予防〉
  1. 痛風発作の発現後、服用開始が早いほど効果的である。
  2. 大量使用又は誤用により、服用後数時間以内に急性中毒症状があらわれることがあるので、用法及び用量を厳守し、次の事項に注意すること。
    • 痛風発作の治療には1回0.5mgを投与し、疼痛発作が緩解するまで3〜4時間ごとに投与する。投与量の増加に伴い、下痢等の胃腸障害の発現が増加するため、1日量は1.8mgまでの投与にとどめることが望ましい。
    • 発作3〜4時間前に先行する予兆を感知したらできるだけ早く服用することが望ましい。
  3. 長期間にわたる痛風発作の予防的投与は、血液障害、生殖器障害、肝・腎障害、脱毛等重篤な副作用発現の可能性があり、有用性が少なくすすめられない。

重要な基本的注意

血液障害、腎障害、肝障害、横紋筋融解症、ミオパチー、末梢神経障害等があらわれることがあるので、投与中はこれらの異常の有無を定期的な血液検査、生化学検査、尿検査等を施行して注意深く観察すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 衰弱の著しい患者(特に腎疾患、胃腸疾患、心疾患を有する患者)
    腎疾患、胃腸疾患、心疾患を悪化させるおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の腎機能障害患者
    投与しないこと。
  2. 9.2.1に述べた併用薬を服用していない腎機能障害患者
    投与する場合には、ごく少量から開始すること。本剤の血漿中濃度が上昇し、早期に重篤な副作用があらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤又はP糖蛋白を阻害する薬剤を服用中の肝機能障害患者
    投与しないこと。
  2. 9.3.1に述べた併用薬を服用していない肝機能障害患者
    投与する場合には、ごく少量から開始すること。本剤の血漿中濃度が上昇し、早期に重篤な副作用があらわれるおそれがある。

妊婦

〈痛風発作の緩解及び予防〉
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。マウスに単回腹腔内投与した試験において、最低投与量の4.9mg(体重60kgのヒトに換算した用量)相当から用量依存的な催奇形性(髄膜脳瘤、小眼、無眼等)が報告されている。
〈家族性地中海熱〉
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠中に本剤を服用した家族性地中海熱の患者において明確な催奇形性を示唆する報告はないが、ヒトでの使用経験は限られている,,,

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

〈痛風発作の緩解及び予防〉
  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
〈家族性地中海熱〉
  1. 家族性地中海熱では、2歳未満の小児に投与した事例は報告されていない。

高齢者

用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。高齢者を対象とした薬物動態試験で、高い血中濃度が持続する傾向が認められている。

相互作用

本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、P糖蛋白の基質でもある。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
肝代謝酵素CYP3A4を阻害する薬剤等
強く阻害する薬剤
アタザナビル、
クラリスロマイシン、
イトラコナゾール、
リトナビルを含有する製剤、
ダルナビルを含有する製剤、
コビシスタットを含有する製剤、
エンシトレルビル

中等度阻害する薬剤
アプレピタント、
ジルチアゼム、
エリスロマイシン、
フルコナゾール、
ホスアンプレナビル、
ベラパミル

グレープフルーツジュース
本剤の作用が増強することがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者には肝代謝酵素CYP3A4を強く阻害する薬剤は投与しないこと。
肝代謝酵素CYP3A4を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある。
P糖蛋白を阻害する薬剤
シクロスポリン
本剤の作用が増強することがある。併用する場合は減量あるいは低用量から開始するなど注意すること。
なお、肝臓又は腎臓に障害のある患者には投与しないこと。
P糖蛋白の活性を阻害することにより本剤の血中濃度を上昇させることがある。

副作用

重大な副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  1. 再生不良性貧血、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少(頻度不明)
  2. 横紋筋融解症、ミオパチー(頻度不明)
    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、筋肉痛、筋力低下、CK上昇等を伴うミオパチーがあらわれることがある。
  3. 末梢神経障害(頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
過敏症
全身のそう痒、発疹、発熱
消化器
下痢、悪心・嘔吐、腹痛、腹部疝痛
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽性、血尿、乏尿
肝臓
肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇)、Al-P上昇
その他
脱力感、脱毛

過量投与

  1. 症状
    急性中毒症状として服用後数時間以内に次のような症状があらわれることがある。
    悪心・嘔吐、腹部痛、激烈な下痢、咽頭部・胃・皮膚の灼熱感、血管障害、ショック、血尿、乏尿、著明な筋脱力、中枢神経系の上行性麻痺、譫妄、痙攣、呼吸抑制による死亡
  2. 処置
    副作用発現までには3~6時間の潜伏期があるので、服用後、間がないとき(6時間以内)には胃洗浄、吸引を行う。活性炭の投与も有効である。水・電解質異常の補正には中心静脈圧をモニターしながら輸液、カリウムの投与を行い、凝固因子の欠乏に対しては、ビタミンK、新鮮凍結血漿等の投与、急性呼吸不全には気道を確保し、酸素吸入を行う。その他出血、感染、疼痛等には対症療法を行う。
    本剤は強制利尿や腹膜透析、血液透析では除去されない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 海外の臨床試験において、コルヒチン低用量(1.8mg/日)群と高用量(4.8mg/日)群の疼痛発作に関する有効性を比較したところ、両群に差がなかった。また高用量群の方が下痢等の胃腸系有害事象の発現は高かった。
  2. 父親が本剤を服用した場合、その配偶者より、ダウン症候群及びその他の先天異常児が出生する可能性があるとの報告がある 。
非臨床試験に基づく情報
ラットにおいて精巣毒性(精上皮細胞の脱落等)を引き起こすことが報告されている。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人(外国人データ)
    表16-1 薬物動態パラメータ(健康成人、単回経口投与)
    投与量(mg)
    n
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    AUC0-48
    (ng・hr/mL)
    1
    6
    5.64±1.37
    1.01±0.56
    47.9±12.2
    (測定法:RIA)(mean±S.D.)
  2. 高齢者
    6例の健康成人男性と4例の高齢女性に1mg単回経口投与時の血清中濃度(mean±S.D.)はそれぞれ5.5±1.4ng/mL、12±4ng/mLと高齢者で高い濃度を示し、また高齢者でピーク到達時間の延長傾向がみられた(外国人データ)。
  3. 腎障害患者
    4例の腎機能正常患者及び4例の腎機能障害患者(血液透析患者3例及びクレアチニンクリアランス15mL/min患者1例)に1mg単回経口投与したときの血漿中濃度半減期(mean±S.D.)はそれぞれ4.4±1.0hr、18.8±1.2hrであった(外国人データ)。
  4. 肝障害患者
    8例の肝障害を有する患者に1mg単回経口投与時のCmax(mean±S.D.)は3.60±1.04ng/mL、Tmax(mean±S.D.)は2.16±0.34hrであった(外国人データ)。

吸収

生物学的利用率(mean±S.D.):37±12%

分布

分布容積(Vd/F)4.87L/kg:1mg単回経口投与(外国人データ)

代謝

消化管より吸収された後、一部は肝臓で脱アセチル化を受ける。大部分の未変化体と代謝物は腸肝循環する。

排泄

  1. 部位:胆汁中及び尿中
  2. 総クリアランス
    (1mg単回経口投与 外国人データ)
    腎機能正常患者:0.726L/hr/kg
    腎機能障害患者:0.168L/hr/kg

特定の背景を有する患者

  1. 妊婦への投与
    胎盤通過性:胎盤を通過し、新生児の臍帯血からも検出された(外国人データ)。
  2. 授乳婦への投与時のデータ
    乳汁移行:コルヒチン1~1.5mg/日を服用中の家族性地中海熱の患者(4例)における乳汁中濃度は1.9~8.6ng/mLであり、血漿中濃度と同様に推移した。乳児の平均母乳摂取量を150mL/kgと仮定すると、コルヒチンの乳児1日摂取量は1.29μg/kg(成人の約10%)と推定される。
  3. 腎不全患者への投与時のデータ
    血液透析:透析されない(外国人データ)。

PharmacokineticsEtc

  1. 作用持続時間:3~4時間

薬効薬理

作用機序
コルヒチンは微小管タンパク質(チューブリン)に結合することにより顆粒球(主として好中球)及びその他の運動性細胞の繊維性微小管の収縮(脱重合)と消滅を起こし、炎症域への顆粒球の遊走阻害と顆粒球の代謝活性、食活性の減少を起こす。その結果、尿酸結晶の貪食により惹起される乳酸や炎症前期の酵素の遊離を抑制し、炎症反応が抑制される。
コルヒチンは肥満細胞からのヒスタミン含有顆粒遊離を抑制する。
コルヒチンは細胞の有糸核分裂抑制作用を有するが、この作用は痛風発作の抑制作用と無関係であり、またこの作用に基づく抗悪性腫瘍効果は少ないとされる。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
コルヒチン(Colchicine)
化学名
N-[(7S)-(1,2,3,10-Tetramethoxy-9-oxo-5,6,7,9-tetrahydrobenzo[a]heptalen-7-yl)]acetamide
分子式
C22H25NO6
分子量
399.44
性状
帯黄白色の粉末である。
メタノールに極めて溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド、エタノール(95)又は無水酢酸に溶けやすく、水にやや溶けにくい。
光によって着色する。
化学構造式

取扱い上の注意

外箱開封後は、遮光して保存すること。

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Ingalls,T.H, et al.:Arch.Environ.Health. 1968;16:326-332
2
Ben-Chetrit,E, et al.:Arthritis.Care Res. 2010;62(2):143-148
3
Diav-Citrin,O, et al.:Am.J.Obstet.Gynecol. 2010;203:144.e1-e6
4
Rabinovitch,O, et al.:Am.J.Reprod.Immunol. 1992;28:245-246
5
Berkenstadt,M, et al.:Am.J.Obstet.Gynecol. 2005;193:1513-1516
6
Terkeltaub,R.A, et al.:Arthritis Rheum. 2010;62(4):1060–1068
7
吉田篤他:眼科 1985;27(11):1359-1361
8
Correa., L. M, et al.:Toxicolobical. Scienses. 2002;69:175-182
9
Ferron,G.M, et al.:J.Clin.Pharmacol. 1996;36:874-883
10
Rochdi,M, et al.:Eur.J.Clin.Pharmacol. 1994;46:351-354
11
Ben-Chetrit,E, et al.:J.Rheumatol. 1994;21(4):710-713
12
Rudi,J, et al.:Scand.J.Gastroenterol. 1994;29:346-351
13
Amoura,Z, et al.:J.Rheumatol. 1994;21:383
14
Ben-Chetrit,E,et al.:Arthritis Rheum. 1996;39(7):1213-1217
15
Heaney,D,et al.:Am.J.Med.Sci. 1976;271(2):233-238
16
日本薬局方解説書編集委員会編:第十八改正 日本薬局方解説書 2021:C-2013-2019

文献請求先及び問い合わせ先

高田製薬株式会社 文献請求窓口
〒336-8666 さいたま市南区沼影1丁目11番1号
電話 0120-989-813
FAX 048-816-4183

製造販売業者等

製造販売元(輸入)
高田製薬株式会社
さいたま市西区宮前町203番地1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL