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アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」

アミノグリコシド系抗生物質製剤

1管 3163円

作成又は改訂年月

**
2013年10月改訂
(第4版)
2011年11月改訂

日本標準商品分類番号

876119

薬効分類名

アミノグリコシド系抗生物質製剤

承認等

販売名

*アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」

販売名コード

6119400A4068

承認・許可番号

*22200AMX01002000
Arbekacin

薬価基準収載年月

*2011年11月

販売開始年月

2009年11月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外装に表示(3年)

基準名

日本薬局方
アルベカシン硫酸塩注射液

規制区分

劇薬
処方せん医薬品注)
注)注意−医師等の処方せんにより使用すること

組成

成分・分量(1アンプル中)
1アンプル4mL中
(日局)アルベカシン硫酸塩…200mg(力価)
添加物
亜硫酸水素ナトリウム…2.0mg
pH調節剤、等張化剤

性状

性状無色澄明の注射液
pH6.0〜8.0
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)約1

禁忌

本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者
[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]
腎障害のある患者
[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
肝障害のある患者
[肝障害を悪化させるおそれがある。]

効能又は効果

〈適応菌種〉
アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
〈適応症〉
敗血症、肺炎

用法及び用量

成人への投与
通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150〜200mg(力価)を30分〜2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150〜200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150〜200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
小児への投与
通常、小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4〜6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4〜6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わないこと。

使用上の注意

慎重投与

高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
低出生体重児、新生児(「小児等への投与」の2.、3.の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。
なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、小児(特に低出生体重児及び新生児)、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く、聴力障害の危険性がより大きくなるので、可能な限り聴力検査を実施することが望ましい。
アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
また、3歳未満の患者においては、ABR(聴性脳幹反応)を用いた聴力検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、投与中は腎機能検査を行うなど慎重に投与すること。特に高齢者や重篤な基礎疾患・合併症を有する患者では、投与量の設定等にも十分留意し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
神経筋遮断作用による呼吸抑制があらわれるおそれがあるので、麻酔剤、筋弛緩剤と併用する場合、あるいは重症筋無力症の患者に投与する場合には、慎重に投与すること。
本剤を点滴静脈内投与するときには、副作用の発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。
小児に投与する場合には、原則として本剤の投与終了直後と次回投与直前に血中濃度を測定し、適切な投与計画をたてること。
本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対してのみ有用性が認められている。
なお、MRSAが検出されただけではMRSA感染症とは限らないので、本剤投与にあたっては、次の点に留意すること。
MRSA感染症の診断が確定した場合にのみ投与することを原則とする。
臨床症状及び菌の検出状況からMRSA感染症であることが推定された場合には、個々の患者背景や臨床症状の推移などを考慮のうえ、本剤の投与の可否を判断する。
小児に投与する場合には、本剤により症状が改善されない場合は、速やかに他剤に切り替えること。
[小児(特に低出生体重児・新生児)では防御機構が未熟であるため、容易に症状が増悪するおそれがある。]
肝機能障害があらわれることがあるので、投与中は肝機能検査を行うなど慎重に投与すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
腎障害を起こすおそれのある血液代用剤(デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等)腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。
腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。
機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。
ループ利尿剤(エタクリン酸、フロセミド、アゾセミド等)腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤(バンコマイシン、エンビオマイシン、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等)腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与すること。
ただし、小児(特に低出生体重児・新生児)では、バンコマイシンは原則併用しないこと。
両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。
(小児に投与する場合)
他のアミノグリコシド系抗生物質(注射剤)
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがある。小児(特に低出生体重児・新生児)では腎機能が未発達であるため。
麻酔剤
筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン、A型ボツリヌス毒素等)
呼吸抑制があらわれるおそれがある。
呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。
両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、アムホテリシンB等)腎障害が発現、悪化するおそれがある。両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
痙攣があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
(頻度不明)
眩暈、耳鳴、耳閉感、また、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与すること。
(頻度不明)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(頻度不明)
汎血球減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

肝臓注1)(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇、黄疸等
腎臓(頻度不明)
腎機能障害注2)(BUN、クレアチニンの上昇等)、蛋白尿、カリウム等電解質の異常、浮腫、血尿
過敏症注3)(頻度不明)
発疹、そう痒、発赤、発熱、蕁麻疹等
血液注4)(頻度不明)
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多等
消化器(頻度不明)
下痢、下血注1)、軟便、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等
注射部位(頻度不明)
注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)
ビタミン欠乏症(頻度不明)
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他(頻度不明)
頭痛、手指しびれ感、全身けん怠感
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合又は症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
注3)症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注4)定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがあり、またラットの筋注による器官形成期投与試験で出生児の発育遅滞が認められている。]

小児等への投与

体の大きい小児に投与するときには、成人の1日最高量200mg(力価)を超えないよう注意すること。
筋注については、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。点滴静注については、低出生体重児に対する安全性は確立していない。
腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続することにより、最低血中濃度2μg/mLを超えるおそれがあるので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。
特に低出生体重児においては、正常な新生児と比較しても著しく半減期が延長し、かつ、個体差が大きいことが知られているので、少なくとも次回投与直前に血中濃度を測定し、投与間隔を調整すること。
小児に投与する場合には、腎毒性の発現を防ぐため、腎機能検査を行い、慎重に投与すること。

過量投与

徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。

適用上の注意

調製時
アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットすること。
現在までに、次の注射剤と混合後、配合変化を起こすことが確認されているので、混注しないこと。1)
スルバクタム/セフォペラゾン、セファゾリン、セフゾナム、フェノバルビタール、D−マンニトール、ブロムヘキシン塩酸塩、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、塩化カルシウム水和物、ドキソルビシン塩酸塩と混注すると、白濁・沈殿を生じることがある。
アンピシリン、アンピシリン/クロキサシリン、イミペネム/シラスタチン、セフメタゾール、ピペラシリン、フロモキセフ、ラタモキセフと混注すると、両剤の反応によりアミドを形成し、本剤の活性低下をきたすので、それぞれ別経路で投与すること。
溶解後
点滴静注に用いる場合は、希釈後は速やかに使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に注意すること。
同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。
また、小児には特に注意すること。(「小児等への投与」の2.の項参照)
神経走行部位を避けるよう注意すること。
なお、注射針を刺入したとき、神経にあたったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
硬結をきたすことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。

その他の注意

クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。

薬物動態

生物学的同等性試験2)
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「ケミファ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれアルベカシン硫酸塩として75mg(力価)健康成人男子に絶食単回筋肉内投与して、血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
(表1)
血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬剤\項目判定パラメータ
AUC0-10(μg(力価)・hr/mL)
判定パラメータ
Cmax(μg(力価)/mL)
参考パラメータ
Tmax(hr)
参考パラメータ
t1/2(hr)
アルベカシン硫酸塩注射液75mg「ケミファ」14.3±2.04.5±0.70.5±0.22.1±0.4
標準製剤
(注射剤、75mg(力価))
14.4±1.54.5±0.50.5±0.12.1±0.3
(Mean±S.D., n=16)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
アルベカシン硫酸塩(Arbekacin Sulfate)
化学名
3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[2,6-diamino-2,3,4,6-tetradeoxy-α-D-erythro-hexopyranosyl-(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-D-streptamine sulfate
分子式
C22H44N6O10・xH2SO4(x=2-21/2
分子量
552.62(ただし遊離塩基)
構造式
性状
アルベカシン硫酸塩は白色の粉末である。
本品は水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

取扱い上の注意

安定性試験3)
アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」の最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

包装

アルベカシン硫酸塩注射液200mg「ケミファ」:4mL[200mg(力価)含有]×10アンプル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
第十五改正日本薬局方解説書 C−326, 廣川書店, 東京, 2006
2
シオノケミカル(株):生物学的同等性に関する資料(社内資料)
3
シオノケミカル(株):安定性に関する資料(社内資料)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
日本ケミファ株式会社 安全管理部
〒101-0032 東京都千代田区岩本町2丁目2番3号
TEL 03-3863-1225
FAX 03-3861-9567

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売元
日本ケミファ株式会社
東京都千代田区岩本町2丁目2-3
**製造販売元
シオノケミカル株式会社
東京都中央区八重洲2丁目10番10号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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