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シンバスタチン錠5mg「YD」

HMG-CoA還元酵素阻害剤-脂質異常症治療剤-

1錠 20.3円

添付文書番号

2189011F1246_1_14

企業コード

830001

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872189

薬効分類名

HMG-CoA還元酵素阻害剤-脂質異常症治療剤-

承認等

販売名

シンバスタチン錠5mg「YD」

販売名コード

2189011F1246

販売名英字表記

SIMVASTATIN TABLETS

販売名ひらがな

しんばすたちんじょう

承認番号等

承認番号
22500AMX00502

販売開始年月

2003年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
シンバスタチン錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

シンバスタチン錠10mg「YD」

販売名コード

2189011F2218

販売名英字表記

SIMVASTATIN TABLETS

販売名ひらがな

しんばすたちんじょう

承認番号等

承認番号
22500AMX00503

販売開始年月

2011年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
シンバスタチン錠

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

シンバスタチン錠20mg「YD」

販売名コード

2189011F3192

販売名英字表記

SIMVASTATIN TABLETS

販売名ひらがな

しんばすたちんじょう

承認番号等

承認番号
22500AMX00504

販売開始年月

2011年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
シンバスタチン錠

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

シンバスタチン錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 重篤な肝障害のある患者
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳婦
  4. イトラコナゾール、ミコナゾール、ポサコナゾール、アタザナビル、サキナビルメシル酸塩、コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者

組成・性状

組成

シンバスタチン錠5mg「YD」
有効成分
1錠中、シンバスタチン  5mg
添加剤
D-マンニトール、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、BHA、ステアリン酸Mg
シンバスタチン錠10mg「YD」
有効成分
1錠中、シンバスタチン  10mg
添加剤
D-マンニトール、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、BHA、ステアリン酸Mg
シンバスタチン錠20mg「YD」
有効成分
1錠中、シンバスタチン  20mg
添加剤
D-マンニトール、無水乳糖、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、BHA、ステアリン酸Mg

製剤の性状

シンバスタチン錠5mg「YD」
剤形白色の片面割線入り素錠
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約6mm
大きさ(厚さ)
約2.7mm
質量100mg
識別コードYD076
シンバスタチン錠10mg「YD」
剤形白色の素錠
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約8mm
大きさ(厚さ)
約3.1mm
質量200mg
識別コードYD603
シンバスタチン錠20mg「YD」
剤形白色の素錠
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約11mm
大きさ(厚さ)
約4.3mm
質量400mg
識別コードYD604

効能又は効果

  • 高脂血症
  • 家族性高コレステロール血症

効能又は効果に関連する注意

適用の前に十分な検査を実施し、高脂血症、家族性高コレステロール血症であることを確認した上で本剤の適用を考慮すること。
本剤は高コレステロール血症が主な異常である高脂血症によく反応する。

用法及び用量

通常、成人にはシンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

用法及び用量に関連する注意

服用時間:コレステロールの生合成は夜間に亢進することが報告されており、本剤の臨床試験においても、朝食後に比べ、夕食後投与がより効果的であることが確認されている。したがって、本剤の適用にあたっては、1日1回夕食後投与とすることが望ましい。

重要な基本的注意

  1. あらかじめ高脂血症治療の基本である食事療法を行い、更に運動療法や、高血圧・喫煙等の虚血性心疾患のリスクファクターの軽減等も十分考慮すること。
  2. 投与中は血中脂質値を定期的に検査し、治療に対する反応が認められない場合には投与を中止すること。
  3. 肝炎、黄疸等の肝機能障害があらわれることがある。また、まれに肝不全に至ることがあるので、定期的に肝機能検査等の観察を十分に行うこと。
  4. 血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. アルコール中毒患者
    本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。
  2. 横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある以下の患者
    • 甲状腺機能低下症の患者
    • 遺伝性の筋疾患(筋ジストロフィー等)又はその家族歴のある患者
    • 薬剤性の筋障害の既往歴のある患者
    • アルコール中毒患者
  3. 重症筋無力症又はその既往歴のある患者
    重症筋無力症(眼筋型、全身型)が悪化又は再発することがある。

腎機能障害患者

  1. 腎障害又はその既往歴のある患者
    横紋筋融解症の報告例の多くが腎機能障害を有する患者であり、また、横紋筋融解症に伴って急激な腎機能の悪化が認められている。
  2. 腎機能検査値異常のある患者
    本剤とフィブラート系薬剤を併用する場合には、治療上やむを得ないと判断される場合にのみ併用することとし、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。やむを得ず併用する場合には、定期的に腎機能検査等を実施し、自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    投与しないこと。本剤は主に肝臓において代謝され作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。
  2. 肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
    本剤は主に肝臓において代謝され、作用するので肝障害を悪化させるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットでシンバスタチンの活性代謝物(オープンアシド体)及び他のHMG-CoA還元酵素阻害剤の大量投与で胎児の骨格奇形が報告されている。

授乳婦

投与しないこと。ラットで乳汁中への移行が観察されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。また、横紋筋融解症があらわれやすいとの報告がある。

相互作用

本剤は、主に肝代謝酵素チトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される。本剤の活性代謝物であるオープンアシド体はOATP1B1の基質である。また、本剤は乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質である。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
イトラコナゾール:
イトリゾール
ミコナゾール:
フロリード
ポサコナゾール:
ノクサフィル
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。
これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される。
アタザナビル:
レイアタッツ
サキナビルメシル酸塩:
インビラーゼ
コビシスタットを含有する製剤:
スタリビルド
ゲンボイヤ
プレジコビックス
シムツーザ
横紋筋融解症を含むミオパチー等の重篤な副作用が起きるおそれがある。
これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝固剤:
ワルファリンカリウム
抗凝血作用がわずかに増強する。
クマリン系抗凝固剤を併用する場合はプロトロンビン時間をモニターし抗凝固剤の量を調節すること。
機序不明
フィブラート系薬剤:
ベザフィブラート等
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
これらの薬剤も横紋筋融解症が知られている。
危険因子:腎機能に関する臨床検査値に異常が認められる患者
ダナゾール
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
腎障害のある患者には特に注意すること。
シクロスポリン
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。併用を必要とする場合には、本剤の投与量は10mg/日を超えないこと。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
シクロスポリンはCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがある。シクロスポリンのOATP1B1阻害作用により、本剤のオープンアシド体の肝取り込みが抑制され、血漿中濃度が上昇するおそれがある。腎障害のある患者には特に注意すること。
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
HIVプロテアーゼ阻害剤:
リトナビル等
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
これらの薬剤はCYP3A4を阻害し、併用により本剤の代謝が抑制されるおそれがある。腎障害のある患者には特に注意すること。
ニコチン酸
急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすい。自覚症状(筋肉痛、脱力感)の発現、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇並びに血清クレアチニン上昇等の腎機能の悪化を認めた場合は直ちに投与を中止すること。
腎障害のある患者には特に注意すること。
エファビレンツ
併用により本剤の血漿中濃度が低下したとの報告がある。
エファビレンツのCYP3A4誘導作用により本剤の代謝が促進されるおそれがある。
アミオダロン
アムロジピン
ベラパミル
併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある。
機序不明
ジルチアゼム
併用により本剤のAUCが上昇し、横紋筋融解症又はミオパチーが起きるおそれがある。
ジルチアゼムによりCYP3A4を介する本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
グレープフルーツジュース
併用により本剤のAUCが上昇したとの報告がある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。
グレープフルーツジュースはCYP3A4を阻害し、本剤の代謝が抑制されるおそれがある。
グラゾプレビル
併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
グラゾプレビルが腸管のCYP3A及びBCRPを阻害する。
バダデュスタット
併用により本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
バダデュスタットがBCRPを阻害する。
ダプトマイシン
併用した場合CKが上昇する可能性があることから、ダプトマイシン投与中は本剤の休薬を考慮すること。
機序不明

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 横紋筋融解症、ミオパチー(いずれも頻度不明)
    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれ、これに伴って急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。また、ミオパチーがあらわれることがあるので、広範な筋肉痛、筋肉圧痛や著明なCK上昇などに注意すること。
  2. 免疫介在性壊死性ミオパチー(頻度不明)
    近位筋脱力、CK高値、炎症を伴わない筋線維の壊死、抗HMG-CoA還元酵素(HMGCR)抗体陽性等を特徴とする免疫介在性壊死性ミオパチーがあらわれ、投与中止後も持続する例が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。なお、免疫抑制剤投与により改善がみられたとの報告例がある。
  3. 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    まれに肝不全に至ることがある。
  4. 末梢神経障害(頻度不明)
    四肢の感覚鈍麻、しびれ感・冷感等の感覚障害、あるいは筋力低下等の末梢神経障害があらわれることがある。
  5. 血小板減少(0.2%)
  6. 過敏症候群(頻度不明)
    ループス様症候群、血管炎等を含む過敏症候群が報告されている。
  7. 間質性肺炎(0.07%)
    長期投与であっても、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  8. 重症筋無力症(頻度不明)
    重症筋無力症(眼筋型、全身型)が発症又は悪化することがある。

その他の副作用

1%以上
1%未満
頻度不明
消化器
腹痛、嘔気、嘔吐、下痢、消化不良、食欲不振、便秘、腹部膨満感、口内炎
膵炎、鼓腸放屁、舌炎
肝臓
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
Al-P上昇、総ビリルビン値上昇
皮膚
そう痒、発疹、蕁麻疹、脱毛、紅斑
光線過敏、扁平苔癬
筋肉
CK上昇、ミオグロビン上昇
筋肉痛、筋痙攣
血液
白血球減少
貧血
精神神経系
頭痛、めまい、しびれ
不眠、認知機能障害(記憶障害、混乱等)、抑うつ
その他
倦怠感、BUN上昇、浮腫、関節痛、ほてり、胸痛、味覚異常、勃起不全、HbA1c上昇、血糖値上昇、テストステロン低下
心悸亢進、頻尿、口渇、耳鳴、発熱

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
海外において、本剤を含むHMG-CoA還元酵素阻害剤投与中の患者では、糖尿病発症のリスクが高かったとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、HMG-CoA還元酵素阻害活性より求めた血漿中薬物濃度は投与量に依存して増加し、投与後1.4~3.7時間で最高値に達した。
  2. 連続投与時の蓄積性
    健康成人に20mg 1日1回又は10mg 1日2回注)を7日間連続経口投与したとき、投与7日目の薬物動態パラメータは投与1日目と比較して有意な変動はみられず、蓄積性は認められなかった。
  3. 生物学的同等性試験
    〈シンバスタチン錠5mg「YD」〉
    シンバスタチン錠5mg「YD」とリポバス錠5をクロスオーバー法によりそれぞれ1錠(シンバスタチンとして5mg)、健康成人男子24名に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0-24
    (ng・hr/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    t1/2
    (hr)
    シンバスタチン錠5mg「YD」
    3.20±1.67
    1.04±0.61
    1.0±0.4
    3.5±1.6
    リポバス錠5
    3.22±1.18
    1.06±0.69
    1.1±0.4
    3.6±1.5
    (平均値±標準偏差、n=24)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

吸収

健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、速やかに吸収された。

代謝

健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、血漿中にはシンバスタチンとともに、活性代謝物としてオープンアシド体が確認された。

排泄

シンバスタチンの主排泄経路は胆汁排泄であると考えられ、健康成人男性に2.5注)、5、10及び20mgを1回経口投与したとき、投与後24時間までの総阻害物質の尿中排泄率は投与量の0.34~0.42%であった。

PharmacokineticsEtc

〈シンバスタチン錠10mg「YD」〉
シンバスタチン錠10mg「YD」は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、シンバスタチン錠5mg「YD」を標準製剤としたとき、溶出挙動に基づき生物学的に同等とみなされた。
〈シンバスタチン錠20mg「YD」〉
シンバスタチン錠20mg「YD」は「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、シンバスタチン錠5mg「YD」を標準製剤としたとき、溶出挙動に基づき生物学的に同等とみなされた。
注)本剤の承認された用法及び用量は、シンバスタチンとして5mgを1日1回経口投与である。なお、年齢、症状により適宜増減するが、LDL-コレステロール値の低下が不十分な場合は1日20mgまで増量できる。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相臨床試験(5~20mg/日投与)
    シンバスタチン5~20mgを1日1回投与した二重盲検比較試験において、10mg又は20mg投与群で用量依存的なLDL-コレステロールの低下がみられ、5mg 1日1回投与時に比較して明らかな増量効果が認められている。なお、用量間に安全性についての差異は認められなかった。

その他

  1. HMG-CoA還元酵素阻害剤の脂溶性・水溶性に基づく臨床的有効性及び安全性への影響
    HMG-CoA還元酵素阻害剤の臨床における有効性及び安全性は、脂溶性又は水溶性に基づくものではない。即ち、生化学的性質、薬理作用、経口投与後の体内動態等から総合的に得られる結果である。臨床試験の結果から脂溶性、水溶性の違いにより筋、睡眠への影響等、安全性に差異がみられるとの確証は得られていない,,,

薬効薬理

作用機序
シンバスタチンは吸収後、コレステロール合成の主要臓器である肝臓に選択的に分布し、活性型のオープンアシド体に加水分解される。オープンアシド体はコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素を特異的かつ拮抗的に阻害し、肝臓のLDL受容体活性を増強させることによって、血清総コレステロールを速やかにかつ強力に低下させる,
コレステロール合成阻害作用
in vitroにおいてシンバスタチンのオープンアシド体はHMG-CoA還元酵素を拮抗的に阻害した。シンバスタチンは各種培養細胞を用いた試験及びラットに経口投与した試験において[14C]酢酸からの[14C]コレステロール合成を阻害した,。また、ヒト肝癌細胞由来のHep G2細胞を用いた試験及びコレステロール負荷ウサギに経口投与した試験において、シンバスタチンは肝LDL受容体活性を増強させた。
脂質低下作用
シンバスタチンは経口投与によりコレステロール負荷ウサギ,及びWHHLウサギ(ヒト家族性高コレステロール血症のモデル動物)の血清総コレステロールを有意に低下させた。シンバスタチンはウサギに投与したときLDL-コレステロール及びVLDL-コレステロールを有意に低下させた。また、コレステロール負荷ウサギにおいてシンバスタチン0.7mg/kg/日はプラバスタチン18mg/kg/日とほぼ同等の血清脂質低下作用を示した。
動脈硬化進展抑制作用
シンバスタチンは、コレステロール負荷ウサギにおける大動脈及び冠状動脈硬化の進展を有意に抑制し、また、WHHLウサギにおける黄色腫発生を抑制した。
外因性コレステロール吸収抑制作用
コレステロール負荷ウサギにおいてシンバスタチンを連続経口投与したとき、消化管からの[3H]コレステロールの吸収が抑制された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
シンバスタチン(Simvastatin)
化学名
(1S,3R,7S,8S,8aR)-8-{2-[(2R,4R)-4-Hydroxy-6-oxotetrahydro-2H-pyran-2-yl]ethyl}-3,7-dimethyl-1,2,3,7,8,8a-hexahydronaphthalen-1-yl 2,2-dimethylbutanoate
分子式
C25H38O5
分子量
418.57
性状
白色の結晶性の粉末である。
アセトニトリル、メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

湿気を避けて保存すること。

包装

〈シンバスタチン錠5mg「YD」〉
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
500錠[10錠(PTP)×50、乾燥剤入り]
500錠(アルミ袋、乾燥剤入り)
〈シンバスタチン錠10mg「YD」〉
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]
〈シンバスタチン錠20mg「YD」〉
100錠[10錠(PTP)×10、乾燥剤入り]

主要文献

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文献請求先及び問い合わせ先

株式会社陽進堂 お客様相談室
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号
0120-647-734

製造販売業者等

製造販売元
株式会社陽進堂
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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