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閲覧履歴

カフコデN配合錠

鎮咳・鎮痛・解熱剤

1錠 5.9円

添付文書番号

2229114F2039_4_05

企業コード

730869

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872229

薬効分類名

鎮咳・鎮痛・解熱剤

承認等

販売名

カフコデN配合錠

販売名コード

2229114F2039

販売名英字表記

Coughcode-N Combination Tablets

販売名ひらがな

かふこでNはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01147

販売開始年月

2002年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ジプロフィリンジヒドロコデインリン酸塩dl-メチルエフェドリン塩酸塩ジフェンヒドラミンサリチル酸塩アセトアミノフェンブロモバレリル尿素

警告

  1. 本剤中のアセトアミノフェンにより重篤な肝機能障害が発現するおそれがあるので注意すること。
  2. 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
  3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げるおそれがある。]
  4. 重篤な肝機能障害のある患者
  5. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により膀胱平滑筋の弛緩、膀胱括約筋の緊張により、症状を悪化させるおそれがある。]
  7. アドレナリン及びイソプロテレノール等のカテコールアミンを投与中の患者[不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがある。]
  8. 12歳未満の小児

組成・性状

組成

カフコデN配合錠
有効成分
1錠中
日局 ジヒドロコデインリン酸塩 2.5mg
日局 dl-メチルエフェドリン塩酸塩  5.0mg
日局 ブロモバレリル尿素 60.0mg
日局 アセトアミノフェン 100.0mg
ジプロフィリン 20.0mg
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩 3.0mg
添加剤
トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、カルナウバロウ

製剤の性状

カフコデN配合錠
外形
上面
下面
側面
直径
9.7mm
厚さ
4.4mm
重量
269mg
識別コードM207
色調等
白色
フィルムコーティング錠

効能又は効果

  • かぜ症候群における鎮咳、鎮痛、解熱
  • 気管支炎における鎮咳

用法及び用量

通常、成人には1回2錠、1日3回経口投与する。
なお、12歳以上の小児には、年齢により、適宜減量する。

重要な基本的注意

  1. 用法・用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止すること。
  2. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 脳に器質的障害のある患者
    呼吸抑制を増強するおそれがある。
  2. 気管支喘息のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  3. 代謝性アシドーシスのある患者
    呼吸抑制を起こすおそれがある。
  4. 副腎皮質機能低下症のある患者
    呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
  5. てんかんの患者
    中枢神経刺激作用により発作を起こすおそれがある。
  6. 心機能異常のある患者
    症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
  7. 呼吸機能障害のある患者
    呼吸抑制を増強するおそれがある。
  8. 高血圧症の患者
    交感神経刺激作用により高血圧症状を悪化させるおそれがある。
  9. 消化性潰瘍又はその既往歴のある患者
    症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
  10. 血液の異常又はその既往歴のある患者
    症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
  11. 出血傾向のある患者
    血小板機能異常が起こることがある。
  12. 甲状腺機能異常のある患者
    甲状腺機能異常を悪化させるおそれがある。
  13. 開放隅角緑内障の患者
    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
  14. 衰弱者
    呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。
  15. アルコール多量常飲者
    肝機能障害があらわれやすくなる。
  16. 絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
    肝機能障害があらわれやすくなる。
  17. 18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者
    投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
  18. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
    アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎機能障害又はその既往歴のある患者
    投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝機能障害のある患者
    投与しないこと。昏睡に陥るおそれがある。
  2. 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
    肝機能が悪化するおそれがある。

妊婦

  1. 妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。
  2. 妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
  3. 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した実験で弱い胎仔の動脈管収縮の報告がある。
  4. 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれるとの報告がある。
  5. 外国において、分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれるとの報告がある。

授乳婦

授乳を避けさせること。ジヒドロコデインの類似化合物(コデイン)で、母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸困難等)が生じたとの報告がある。なお、CYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、母乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。ジフェンヒドラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行するとの報告がある。

小児等

  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 12歳未満の小児
    投与しないこと。呼吸抑制の感受性が高い。海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。
  3. 12歳以上の小児
    副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。また、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分行うこと。呼吸抑制の感受性が高い。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カテコールアミン製剤
アドレナリン(ボスミン)
イソプロテレノール(プロタノール等)等
不整脈、場合によっては心停止を起こすおそれがあるので併用を避けること。
メチルエフェドリン塩酸塩と相加的に交感神経刺激作用を増強させる。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール(飲酒)
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある。
相加的に作用を増強させる。
アルコール(飲酒)
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
アルコールによりアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸系薬剤等)
クロルプロマジン、ペルフェナジン、フェノバルビタール等
吸入麻酔剤(エーテル等)
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)
β-遮断剤(アルプレノロール、プロプラノロール等)
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こるおそれがある。
相加的に作用を増強させる。
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
ジヒドロコデインリン酸塩が作用を増強させるが、その作用機序は不明である。
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)
クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
アセトアミノフェンが血漿蛋白結合部位において競合することで、その抗凝血作用を増強させる。
甲状腺製剤(レボチロキシン、リオチロニン等)
メチルエフェドリン塩酸塩による交感神経刺激作用が増強される。
甲状腺ホルモンがメチルエフェドリン塩酸塩の感受性を増大させると考えられている。
キサンチン系薬剤(テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン、カフェイン等)
中枢神経興奮剤(マオウ等)
過度の中枢神経刺激作用があらわれることがある。
中枢神経刺激作用を増強させる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)
  2. アナフィラキシー(頻度不明)
    アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
  4. 顆粒球減少(頻度不明)
  5. 喘息発作の誘発(頻度不明)
  6. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
    劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  7. 間質性肺炎(頻度不明)
    咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  8. 間質性腎炎(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)
  9. 呼吸抑制(頻度不明)
    息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
    なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
  10. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
    初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹、そう痒感、紅斑、発熱
精神神経系
眠気、めまい、視調節障害、発汗、倦怠感、神経過敏、頭痛、不眠、熱感、疲労、難聴、抑うつ、知覚異常、言語障害、思考異常、運動失調
循環器
不整脈、血圧変動、動悸、顔面潮紅、顔面蒼白
消化器
悪心・嘔吐、便秘、食欲不振、口渇、下痢、腹痛、腹部膨満感
血液
血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長)、チアノーゼ
依存性a)
薬物依存
a:反復使用により生じることがあるので、観察を十分に行うこと。

過量投与

  1. アセトアミノフェン
    1. 症状
      1. アセトアミノフェンの過量投与により肝臓・腎臓・心筋の壊死(初期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)及びメトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。
      2. 総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを含むものがあり、本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するおそれがある。
    2. 処置
      アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝機能障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。
  2. ジヒドロコデインリン酸塩
    1. 症状
      ジヒドロコデインの過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
    2. 処置
      ジヒドロコデインの過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
      • 投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う。
      • 麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はジヒドロコデインのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
      • 必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
  3. ブロモバレリル尿素
    1. 症状
      ブロモバレリル尿素の服用量の増加に伴い、麻酔深度が深くなり、覚醒までの時間も長くなる。急性中毒症状としては、中枢神経症状(四肢の不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合がある。
    2. 処置
      ブロモバレリル尿素の過量投与時には通常、以下のような処置が行われる。
      • 未吸収のものを除去:催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、必要に応じ活性炭投与を行う。
      • 排泄促進:留置カテーテルによる導尿を行い、フロセミド40~80mgを静注し、利尿反応を見ながら反復投与する。
      • 呼吸管理:気道の確保。必要に応じ気管内挿管、人工呼吸、酸素吸入を行う。
      • 対症療法:昇圧剤、強心剤、呼吸興奮剤等の投与。重症の場合は血液透析、血液灌流を行う。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常を起こすことがあるので、長期投与を避けること。
  2. 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5~27kg、服用期間4~30年)していた人が多いとの報告がある。
  3. 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
  4. 遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
非臨床試験に基づく情報
  1. 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    本剤2錠を健常成人男子5名に単回経口投与した場合、各成分の最高血漿中濃度到達時間は次のとおりである。
    成 分 名
    Tmax(h)
    ジプロフィリン
    0.90±0.65
    ジヒドロコデインリン酸塩
    0.90±0.65
    dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    0.95±0.62
    ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
    (ジフェンヒドラミンとして)
    1.95±1.28
    アセトアミノフェン
    0.85±0.70
    ブロモバレリル尿素
    0.85±0.70

代謝

本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 臨床試験
    1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤と同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(カフコデ錠「モハン」)について実施された臨床試験(総計100例)の成績は次のとおりである。
    疾患
    症状
    有効率(%)
    中等度改善以上
    軽度改善以上
    かぜ症候群
    36.4( 8/22)
    86.4(19/22)
    疼痛
    37.0(10/27)
    88.9(24/27)
    53.8(14/26)
    96.2(25/26)
    気管支炎
    68.0(17/25)
    96.0(24/25)

薬効薬理

作用機序
  1. ジヒドロコデインリン酸塩
    コデインと同じくモルヒネ系鎮痛薬に属するので、薬理作用は質的にはモルヒネに準ずる。鎮痛、鎮咳作用はコデインより強く、臨床的には主として鎮咳薬として用いられ、麻薬性中枢性鎮咳薬に分類される。
  2. dl-メチルエフェドリン塩酸塩
    交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである。従って、静脈内投与による昇圧反応にはタキフィラキシーが認められる。臨床的にはβ2受容体刺激による気管支拡張作用が利用される。
  3. アセトアミノフェン
    解熱鎮痛薬。シクロオキシゲナーゼ阻害作用は殆どなく、視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大脳皮質の痛覚閾値をたかめることによると推定される。
  4. ブロモバレリル尿素
    体内でBr-を遊離し、神経細胞の興奮性を抑制することにより、鎮静、催眠作用を現す。
鎮咳作用
本剤と1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤と同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(以下カフコデ錠「モハン」)を比較したとき、その鎮咳効果に変化は認められなかった(モルモット)。
カフコデ錠「モハン」とジヒドロコデインリン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩各単味剤及びジヒドロコデインリン酸塩とdl-メチルエフェドリン塩酸塩配合剤それぞれとの鎮咳作用の比較により相乗効果を示すことが認められたとの報告がある(モルモット)。
気管支拡張作用
カフコデ錠「モハン」とジプロフィリン、dl-メチルエフェドリン塩酸塩及びジフェンヒドラミンサリチル酸塩の各単味剤との気管支拡張作用の比較により気管支収縮抑制が増強し、配合による相乗効果を示すことが認められたとの報告がある(モルモット)。
鎮痛作用
本剤とカフコデ錠「モハン」を比較したとき、その鎮痛効果に変化は認められなかった(マウス)。
カフコデ錠「モハン」とバルセチン、ジヒドロコデインリン酸塩及びブロモバレリル尿素の各単味剤との比較により各単味剤では鎮痛作用を示さなかった用量群で鎮痛作用を示し、配合による相乗効果を示すことが認められたとの報告がある(マウス、ラット)。
解熱作用
アセトアミノフェンの解熱作用は視床下部の体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張させることによる。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 ジプロフィリン
一般的名称
ジプロフィリン(Diprophylline)
化学名
7-(2,3-Dihydroxypropyl)theophylline
分子式
C10H14N4O4
分子量
254.25
性状
白色の粉末または粒で、においはなく、味は苦い。
水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
160~164℃
19.2 ジヒドロコデインリン酸塩
一般的名称
ジヒドロコデインリン酸塩(Dihydrocodeine Phosphate)
化学名
(5R,6S)-4,5-Epoxy-3-methoxy-17-methylmorphinan-6-ol monophosphate
分子式
C18H23NO3・H3PO4
分子量
399.38
性状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。
水又は酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
1.0gを水10mLに溶かした液のpHは3.0~5.0である。
光によって変化する。
化学構造式
19.3 dl-メチルエフェドリン塩酸塩
一般的名称
dl-メチルエフェドリン塩酸塩(dl-Methylephedrine Hydrochloride)
化学名
(1RS,2SR)-2-Dimethylamino-1-phenylpropan-1-ol monohydrochloride
分子式
C11H17NO・HCl
分子量
215.72
性状
無色の結晶又は白色の結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、無水酢酸にほとんど溶けない。
水溶液(1→20)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
207~211℃
19.4 ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
一般的名称
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩(Diphenhydramine Salicylate)
化学名
2-Benzhydryloxy-N, N-dimethylethylamine monosalicylate
分子式
C17H21NO・C7H6O3
分子量
393.48
性状
白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく、味は初めはないが、後にわずかに苦く舌を麻痺する。
メタノール、酢酸(100)またはアセトンに溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、水に溶けにくい。
光によって徐々に変化する。
化学構造式
融点
107~109℃
19.5 アセトアミノフェン
一般的名称
アセトアミノフェン(Acetaminophen)
化学名
N-(4-Hydroxyphenyl)acetamide
分子式
C8H9NO2
分子量
151.16
性状
白色の結晶または結晶性の粉末である。
メタノールまたはエタノール(95)に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式
融点
169~172℃
19.6 ブロモバレリル尿素
一般的名称
ブロモバレリル尿素(Bromovalerylurea)
化学名
(2RS)-(2-Bromo-3-methylbutanoyl)urea
分子式
C6H11BrN2O2
分子量
223.07
性状
無色又は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。
エタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
硫酸、硝酸又は塩酸に溶けるが、これに水を加えるとき、沈殿を生じる。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式
融点
151~155℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
1,000錠[バラ]

主要文献

1
社内資料:カフコデN配合錠の薬物動態試験
2
柏木征三郎ほか:臨牀と研究. 1993;70(1):240-260
3
第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-2297-2300
4
第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-5661-5665
5
第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-146-150
6
第十八改正 日本薬局方解説書. 廣川書店. 2021:C-5140-5143
7
社内資料:カフコデN配合錠の鎮咳効果の比較試験
8
勝山巖:基礎と臨床. 1993;27(1):149-155
9
勝山巖:基礎と臨床. 1993;27(1):157-166
10
社内資料:カフコデN配合錠の鎮痛効果の比較試験
11
勝山巖:基礎と臨床. 1993;27(1):167-185

文献請求先及び問い合わせ先

ヴィアトリス製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
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