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閲覧履歴

オーグメンチン配合錠250RS

複合抗生物質製剤

1錠 45.7円

添付文書番号

6139100F1048_1_15

企業コード

340278

作成又は改訂年月

2022年11月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

876139

薬効分類名

複合抗生物質製剤

承認等

販売名

オーグメンチン配合錠125SS

販売名コード

6139100F1048

販売名英字表記

Augmentin Combination Tablets

販売名ひらがな

おーぐめんちんはいごうじょう125SS

承認番号等

承認番号
22100AMX00874

販売開始年月

1985年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
30ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

オーグメンチン配合錠250RS

販売名コード

6139100F2044

販売名英字表記

Augmentin Combination Tablets

販売名ひらがな

おーぐめんちんはいごうじょう250RS

承認番号等

承認番号
22100AMX00875

販売開始年月

1985年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
30ヵ月

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

クラブラン酸カリウムアモキシシリン水和物

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]
  3. 本剤の成分による黄疸又は肝機能障害の既往歴のある患者[再発するおそれがある。]

組成・性状

組成

オーグメンチン配合錠125SS
有効成分
1錠中
日局クラブラン酸カリウム62.5mg(力価)
日局アモキシシリン水和物125mg(力価)
添加剤
デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、マクロゴール、ヒプロメロース、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素
オーグメンチン配合錠250RS
有効成分
1錠中
日局クラブラン酸カリウム125mg(力価)
日局アモキシシリン水和物250mg(力価)
添加剤
デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、結晶セルロース、酸化チタン、マクロゴール、ヒプロメロース、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素

製剤の性状

オーグメンチン配合錠125SS
剤形・性状
白色のフィルムコーティング錠
識別コード
GS610

(長径×短径)

13.1mm×7.1mm
側面
(厚さ)

5.1mm
質量
387mg
オーグメンチン配合錠250RS
剤形・性状
白色のフィルムコーティング錠
識別コード
GS609

(長径×短径)

16.1mm×7.6mm
側面
(厚さ)

6.6mm
質量
672mg

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、淋菌、大腸菌、クレブシエラ属、プロテウス属、インフルエンザ菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、淋菌感染症、子宮内感染、子宮付属器炎、中耳炎

効能又は効果に関連する注意

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎〉
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

用法及び用量

〈オーグメンチン配合錠125SS〉
通常成人は、1回2錠、1日3~4回を6~8時間毎に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈オーグメンチン配合錠250RS〉
通常成人は、1回1錠、1日3~4回を6~8時間毎に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアモキシシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前に当該事象の既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
  3. 無顆粒球症、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  4. 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
  2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
  3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

腎機能障害患者

  1. 高度の腎障害のある患者
    投与間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。

肝機能障害患者

肝機能障害が悪化するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
  1. 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
  2. ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
プロベネシド
アモキシシリンの血中濃度は維持できるが、クラブラン酸の血中濃度は維持できない。
プロベネシドは、尿細管でのアモキシシリンの分泌を減少させる。
ワルファリンカリウム
プロトロンビン時間延長(INR上昇)が報告されている。ワルファリン投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には、血液凝固能検査値等に注意し、ワルファリンの投与量を調節するなど適切な処置を行うこと。
本剤は腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制し、ワルファリンの作用が増強される可能性があると考えられているが、機序は不明である。
経口避妊薬
経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。
腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
ミコフェノール酸モフェチル
ミコフェノール酸モフェチルの効果が減弱するおそれがある。
併用により、ミコフェノール酸モフェチルの活性代謝物であるミコフェノール酸のトラフ値が約50%低下したとの報告がある。本剤は、ミコフェノール酸の腸肝循環による再吸収を抑制する可能性があると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(各0.1%未満)
    不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、顔面浮腫、眼瞼浮腫等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. アレルギー反応に伴う急性冠症候群(頻度不明)
  3. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(各0.1%未満)、多形紅斑、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
    発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 無顆粒球症、顆粒球減少(いずれも頻度不明)、血小板減少(0.1%未満)
  5. 急性腎障害(0.1%未満)
  6. 偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(各0.1%未満)
    偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  7. 肝障害
    肝炎、黄疸(各0.1%未満)、また、AST、ALT、Al-Pの上昇(各0.1~5%未満)等の肝障害があらわれることがある。肝障害は、主に男性と高齢患者で報告されており、また、長期投与と関連する可能性もある。兆候や症状は、通常、本剤投与中又は投与直後に発現するが、投与終了後、数週間発現しない可能性もある。これらの症状は通常可逆的であるが、重篤になる可能性もあり、極めてまれな状況では死亡例が報告されている。
  8. 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
    咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  9. 無菌性髄膜炎(頻度不明)
    項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
発熱、蕁麻疹、そう痒、血管神経性浮腫、血清病様症候群注1)、過敏性血管炎
血液
好酸球増多
貧血、白血球減少、好中球減少、溶血性貧血
消化器
悪心、嘔吐、下痢、食欲不振
歯牙変色注2)、黒毛舌、変色便
菌交代症
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
中枢神経
頭痛、痙攣注3)
腎臓
結晶尿
注1)発熱、発疹(蕁麻疹・麻疹様皮疹)、関節痛、浮腫、リンパ節症を特徴とする。
注2)通常これは歯磨き又は歯科医による処置によって除去することができる。
注3)腎障害患者において、又は高投与量時に発現することがある。

臨床検査結果に及ぼす影響

酵素反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。

過量投与

  1. 症状
    消化器症状(下痢、嘔吐等)、体液及び電解質バランスの変化がみられる可能性がある。また、アモキシシリン結晶尿が認められたとの報告がある。
  2. 処置
    本剤は血液透析によって除去することができる。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
適応外であるが、前期破水時の感染予防を目的とした本剤投与群において、非投与群より新生児の壊死性腸炎の発生率が高いという疫学調査の報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人にオーグメンチン配合錠250RS 1錠(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物125・250mg)を空腹時に単回経口投与すると、図1のように、アモキシシリン(AMPC)、クラブラン酸(CVA)の平均血中濃度は、ピーク時(投与後約1.5時間)、AMPC 4.88μg/mL、CVA 2.86μg/mLに達し推移した。オーグメンチン配合錠125SS 2錠投与の場合は、オーグメンチン配合錠250RS 1錠投与時とほぼ同等の血中濃度が得られた。AMPC、CVAとも、薬物動態学的パラメータがほぼ一致しており、血中濃度半減期は約1時間であった。
    図1 健康成人にオーグメンチン配合錠125SS又は250RSを空腹時に単回経口投与した時のAMPC及びCVAの平均血中濃度(10例)
  2. 反復投与
    健康成人に、オーグメンチン配合錠250RS 1錠を1日3回、7日間反復投与した場合、第1回投与時と最終回投与時の血中濃度のパターンに顕著な相違はみられず、蓄積傾向もみられなかった。

分布

  1. 血漿蛋白結合率
    In vitroでの血漿蛋白結合率は、AMPCが10.6~30.0%、CVAが13.0%であった。
  2. 体液・組織内移行
    ヒト体液・組織内移行は良好で、喀痰、口蓋扁桃組織、女性性器(子宮動静脈血、子宮各部、卵管、卵巣)、胆汁、歯肉・上顎洞粘膜,等へ移行した。

排泄

  1. 単回投与
    健康成人にオーグメンチン配合錠250RS 1錠(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物125mg・250mg)を空腹時に単回経口投与すると、AMPC、CVAの平均尿中排泄の推移は図2のとおりであった。尿中排泄では、投与後8時間迄にAMPC約67%、CVA約35%が排泄された。オーグメンチン配合錠125SS 2錠投与の場合も、投与後8時間迄にほぼ同等の尿中排泄率が得られた。
    図2 健康成人にオーグメンチン配合錠125SS又は250RSを空腹時に単回経口投与した時のAMPC及びCVAの平均尿中排泄の推移(10例)
  2. 反復投与
    健康成人に、オーグメンチン配合錠250RS 1錠を1日3回、7日間反復投与した場合、第1回投与時と最終回投与時の尿中排泄のパターンに顕著な相違はみられず、蓄積傾向もみられなかった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    腎機能障害を有する患者(9例)にオーグメンチン配合錠250RSを単回経口投与した時、腎機能が正常に近い場合に比べ、AMPCは腎障害の程度に応じて、血中濃度が持続し、半減期も延長するが、CVAへの影響はわずかであった。なお、血液浄化中の血中濃度低下は両剤とも促進された。また、腎機能障害患者にオーグメンチン配合錠250RSを投与した時、AMPCは腎障害の程度に応じて、尿中排泄が持続するが、CVAへの影響はわずかであった。ヒト尿中にはAMPC、CVA以外の抗菌活性代謝物は認められなかった,,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内二重盲検比較試験及び一般臨床試験
    オーグメンチン配合錠250RS(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物125・250mg)又は125SS(クラブラン酸カリウム・アモキシシリン水和物62.5・125mg)を投与した二重盲検比較試験(5試験)を含む延べ183施設で実施された臨床試験総計2797例中、効果判定が行われた2538例について評価した成績のうち、承認適応疾患である2297例の概要は次のとおりである,,,,,,
    表1 臨床効果及び細菌学的効果
    疾患名
    臨床成績
    浅在性化膿性疾患
    呼吸器感染症
    毛囊炎・癤・癤腫症・よう
    蜂巣炎・リンパ管炎
    化膿性爪囲炎
    皮下膿瘍
    感染性粉瘤
    慢性気管支炎
    気管支拡張症(感染時)
    慢性呼吸器疾患の二次感染
    咽喉頭炎
    扁桃炎
    急性気管支炎
    有効例数/効果判定例数
    有効率(%)
    99/120
    82.5
    36/42
    85.7
    40/46
    87.0
    132/167
    79.0
    42/63
    66.7
    41/52
    78.8
    67/77
    87.0
    123/138
    89.1
    84/103
    81.6
    有効例数/菌検出例数
    有効率(%)
    82/97
    84.5
    17/18
    94.4
    34/37
    91.9
    93/116
    80.2
    27/44
    61.4
    30/39
    76.9
    37/42
    88.1
    102/107
    95.3
    27/33
    81.8
    有効例数/耐性菌検出例数
    有効率(%)
    32/40
    80.0
    8/9
    88.9
    12/13
    92.3
    23/30
    76.7
    5/9
    55.6
    6/12
    50.0
    16/17
    94.1
    21/22
    95.5
    8/8
    100.0
    疾患名
    臨床成績
    尿路感染症
    淋疾
    産婦人科領域感染症
    耳鼻科領域感染症
    合計
    腎盂腎炎
    膀胱炎
    子宮付属器炎
    子宮内感染
    中耳炎
    有効例数/効果判定例数
    有効率(%)
    99/136
    72.8
    653/799
    81.7
    339/345
    98.3
    20/26
    76.9
    38/48
    79.2
    92/135
    68.1
    1905/2297
    82.9
    有効例数/菌検出例数
    有効率(%)
    95/132
    72.0
    650/796
    81.7
    339/345
    98.3
    11/15
    73.3
    30/32
    93.8
    91/133
    68.4
    1665/1986
    83.8
    有効例数/耐性菌検出例数
    有効率(%)
    41/64
    64.1
    234/337
    69.4
    25/26
    96.2
    4/4
    100.0
    6/6
    100.0
    36/62
    58.1
    477/659
    72.4
    耐性菌はアモキシシリンのディスク感受性が-、±及びMIC≧50μg/mLとした。ただし、淋菌、インフルエンザ菌についてはMIC≧1.56μg/mLとした。
    一般臨床試験での経口のABPC(含む誘導体)・AMPC前投与無効例に対する有効率は73.2%(60/82例)である。(有効率は“有効と認められるもの”以上を集計した。)
    全試験において、1日投与量は375~3000mg(主に1125mg及び1500mgの用量)で、投与期間は1~38日間であった。
  2. 国内二重盲検比較試験
    二重盲検比較試験5試験のうち、AMPCを対照薬とした皮膚・軟部組織感染症、慢性呼吸器感染症、急性・慢性化膿性中耳炎、複雑性尿路感染症対象の4試験は、オーグメンチン配合錠250RSを1回1錠、1日3回又は4回(1日投与量1125mg又は1500mg)を5、7又は14日間経口投与する試験である。いずれの試験でも対照薬より優れた成績を示し、本剤の有用性が認められている。

薬効薬理

作用機序
AMPCは、合成ペニシリンで、グラム陽性菌、陰性菌の細胞壁合成を阻害し殺菌的な抗菌力を示す。
しかし、使用頻度の増大に伴って耐性菌も増加しており、感染症治療上の問題となりつつある。臨床分離菌のβ-lactam系抗生物質に対する耐性獲得機構のうち、最も一般的なものは、細菌がβ-lactamaseを産生して薬剤を加水分解する機構である。
CVAはStreptomyces clavuligerus ATCC27064から分離・発見されたβ-lactamase阻害剤で、β-lactamase(特にpenicillinase)の抗生物質分解作用を不可逆的に阻止する。細胞壁合成阻害による殺菌作用も有するが、CVA自体での抗菌力は弱く、単独では抗菌剤として臨床使用することは困難である。
オーグメンチンは、これら両剤の協力作用により相乗的に増大した抗菌作用を発揮する。
即ち、本剤は、β-lactamase産生耐性菌に対して、CVAがβ-lactamaseに不可逆的に結合・阻害し、AMPCは失活されず感性菌に対するのと同様に強力な殺菌力を示し、更に有効菌種の拡大された経口用抗生物質である。
試験管内抗菌作用・抗菌スペクトル(in vitro試験)
本剤は、好気性のグラム陽性菌、陰性菌、嫌気性のグラム陰性菌等の広範囲の各種菌株に対して、優れた抗菌力を示し、特にβ-lactamase産生耐性菌に対し、AMPC単独に比べ、抗菌力が増強された。現在、耐性菌が増加しているブドウ球菌属をはじめ、グラム陰性の淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、更に、ABPC(含む誘導体)・AMPCが無効であるクレブシエラ属、プロテウス・ブルガリス、嫌気性菌(バクテロイデス属等)にも幅広く強い抗菌力を示す。
動物感染治療試験
β-lactamase産生のAMPC耐性菌(大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ブルガリス、黄色ブドウ球菌)等によるマウス実験的全身感染症(腹腔内接種),,、腎膿瘍(大腸菌接種)、皮下混合感染症(大腸菌、バクテロイデス・フラギリス接種)などの感染防御実験において、本剤はAMPC,,,,、CEX,、CEZより優れた治療効果を示した。
腸内細菌叢ヘの影響
本剤及びAMPCをマウスに、2mg/日、7日間連続投与し、盲腸内クロストリジウム・ディフィシルの菌数を非投与群と比較検討した。その結果、本剤では偽膜性大腸炎の原因とされるクロストリジウム・ディフィシルの増殖が明らかに少ないことが認められている。これは、本剤のクロストリジウム・ディフィシルに対する抗菌力(MIC)が0.01μg/mLであり、AMPCのMIC 0.39μg/mLに比べて増強されたために菌の出現が阻止されたものと考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

〈クラブラン酸カリウム〉
一般的名称
クラブラン酸カリウム(Potassium Clavulanate)
化学名
Monopotassium(2R,5R)-3-[(1Z)-2-hydroxyethylidene]-7-oxo-4-oxa-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylate
分子式
C8H8KNO5
分子量
237.25
性状
白色~淡黄白色の結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくい。
吸湿性である。
化学構造式
融点(分解点)
約167℃(分解)
〈アモキシシリン水和物〉
一般的名称
アモキシシリン水和物(Amoxicillin Hydrate)
化学名
(2S,5R,6R)-6-[(2R)-2-Amino-2-(4-hydroxyphenyl)acetylamino]-3,3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3.2.0]heptane-2-carboxylic acid trihydrate
分子式
C16H19N3O5S・3H2O
分子量
419.45
性状
白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。
化学構造式
融点(分解点)
約195℃(分解)

取扱い上の注意

  1. 吸湿性があるので、湿気を避けて保存すること。
  2. アルミ袋開封後、1ヵ月以内に使用すること。

包装

〈オーグメンチン配合錠125SS〉
30錠[6錠(PTP)、乾燥剤入り]×5
〈オーグメンチン配合錠250RS〉
30錠[6錠(PTP)、乾燥剤入り]×5

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
Borrows R,et al.:Ther Drug Monit.2007;29:122-126
3
Kenyon SL,et al.:Lancet.2001;357:979-988
4
伊藤 章ほか:基礎と臨床.1986;20:3009-3013
5
中川圭一ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):98-110及びChemotherapy.1982;30(S-2):226-232
6
松本慶蔵ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):81-90
7
波多野努ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):626-632
8
張 南薫ほか:Jpn J Antibiot.1983;36:481-486
9
酒井克治ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):387-396
10
伝 春光ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):650-661
11
河村正三ほか:Jpn J Antibiot.1983;36:500-508
12
薄田芳丸ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):91-97
13
中山一誠ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):358-378
14
横田栄作ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):111-117
15
斉藤 玲ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):125-143及び三木文雄ほか:Chemotherapy.1983;31(S-2):1-43を中心に集計
16
中村光男ほか:基礎と臨床.1987;21:4453-4458
17
杉森久一ほか:基礎と臨床.1987;21:4445-4452
18
上原紀夫ほか:基礎と臨床.1987;21:4459-4466
19
森山一郎ほか:耳鼻咽喉科展望.1987;30(補5):333-339
20
馬場駿吉ほか:基礎と臨床.1987;21:4467-4470
21
谷本普一ほか:基礎と臨床.1987;21:4955-4962
22
三橋 進ほか:Chemotherapy.1973;21:1355-1358
23
三橋 進ほか:日本臨床.1981;39:18-25
24
横田 健:日本臨床.1981;39:2-4及び日本臨床.1981;39:10-17
25
中沢 久ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):1-10及び三木文雄ほか:Chemotherapy.1983;31(S-2):1-43
26
中沢 久ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):1-10
27
五島瑳智子ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):20-29
28
西野武志ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):42-75
29
Beale AS,et al.:AUGMENTIN,Proceedings of the First Symposium.1980:127-131
30
渡辺邦友ほか:Chemotherapy.1982;30(S-2):39-41

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