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サヴィオゾール輸液

血漿増量・体外循環灌流液

1袋 380円

添付文書番号

3319554A4043_1_05

企業コード

180079

作成又は改訂年月

2023年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873319

薬効分類名

血漿増量・体外循環灌流液

承認等

販売名

サヴィオゾール輸液

販売名コード

3319554A4043

販売名英字表記

Saviosol Injection

販売名ひらがな

さゔぃおぞーるゆえき

承認番号等

承認番号
22100AMX01268

販売開始年月

1971年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

血漿増量・体外循環灌流液3%デキストラン40加乳酸リンゲル液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. うっ血性心不全の患者[循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。]
  2. 高乳酸血症の患者[高乳酸血症が悪化するおそれがある。]

組成・性状

組成

サヴィオゾール輸液
添加剤
トロメタモール  0.1g
塩酸  適量
水酸化ナトリウム  適量
糖質
デキストラン40
15.00g
電解質
塩化ナトリウム
3.00g
塩化カリウム
0.15g
塩化カルシウム水和物
0.10g
L-乳酸ナトリウム液注)
1.55g
注)L-乳酸ナトリウムとしての分量
電解質濃度(mEq/L)
Na+
130
K+
4
Ca2+
3
Cl-
109
L-Lactate-
28

製剤の性状

サヴィオゾール輸液
pH8.0~8.4
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液

効能又は効果

  • 血漿増量剤として各科領域における出血多量の場合
  • 出血性・外傷性その他各種外科的ショックの治療
  • 手術時における輸血の節減
  • 外傷・手術・産婦人科出血等における循環血液量の維持
  • 血栓症の予防及び治療
  • 外傷、熱傷、骨折等の末梢血行改善
  • 体外循環灌流液として用い、灌流を容易にして、手術中の併発症の危険を減少する

用法及び用量

通常成人は1回500~1000mLを静脈内に注入する(6~10mL/kg体重/時間)。
必要に応じ急速注入することができる。

用法及び用量に関連する注意

長期連用を避けること(できるだけ短期投与にとどめ、5日以内とする)。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 脱水状態の患者
    腎機能障害発現の誘因となるおそれがある。
  2. 肺水腫の患者
    水分、電解質が肺細胞間質に滞留し、肺水腫が悪化するおそれがある。
  3. 低フィブリノーゲン血症、血小板減少等の出血傾向のある患者
    凝固系を抑制して出血傾向を促進するおそれがある。
  4. 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
    水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

腎障害が悪化するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    水分、電解質代謝異常が悪化するおそれがある。
  2. 慢性肝疾患の患者
    アナフィラキシー反応がみられたとの報告がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
腎障害を起こすおそれのあるアミノ糖系抗生物質
カナマイシン、ゲンタマイシン
乏尿など腎に異常が認められた場合には、投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。
これら抗生物質の腎毒性を増強することがある。脱水条件が加わると腎毒性がより増強される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)
    血圧降下、脈拍の異常、呼吸抑制等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 急性腎障害(頻度不明)
    乏尿などの異常が認められた場合には投与を中止し、持続的血液濾過透析法、血漿交換、血液透析等の適切な処置を行うこと。
  3. 過敏症(頻度不明)
    アナフィラキシー等の過敏症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
胃腸
悪心・嘔吐
皮膚
蕁麻疹
大量・急速投与
脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫

臨床検査結果に及ぼす影響

血液型判定又は交差試験を妨害することがあるので、これらの試験を行う必要がある場合には、本剤の投与前に実施することが望ましい。

適用上の注意

全般的な注意
  1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
薬剤調製時の注意
薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
薬剤投与時の注意
  1. 皮下投与しないこと。
  2. 本剤投与後96時間は、脂肪乳剤の投与は避けること。脂肪粒子の凝集を来すことが報告されている。
  3. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  4. 容器の目盛りは目安として使用すること。
  5. 残液は使用しないこと。

薬効薬理

作用機序
本剤はデキストラン40の有する膠質浸透圧に基づく水分保持機能による血漿量の増加並びにコロイドによる血中滞留時間の持続により、血漿増量効果を持続させる。また、デキストラン40の赤血球凝集阻止効果により、末梢血流改善効果を示す。
晶質液成分である乳酸リンゲル液は、電解質を補給し、細胞外液の損失を補う。
細胞外液補充作用
出血量の少ない手術患者並びに健康成人を対象とし、本剤投与前後の体液の変動を検討した結果、対照群に比し循環血液量、細胞間質液量ともに増加を示し、血漿増量剤としての作用に加えて細胞外液補充作用を持つことが認められた,
循環血液量維持作用
イヌを用いた出血性ショックモデルで、本剤投与後6時間まで循環血液量は脱血前血液量の95%以上を維持し、循環血液量の回復維持効果が認められた。
末梢血流の改善作用
in vitroで各種濃度のデキストラン40の血沈抑制効果を検討した。デキストラン40の血中濃度が1.5g/dL以上の場合、赤血球凝集阻止効果をもたらし、末梢血流の改善効果を示した,,
血液粘度低下作用
イヌの脱血により生じた血液粘度の増大は、本剤の投与で低下するが、その効果は日本薬局方デキストラン70注射液及び乳酸リンゲル液(pH8)よりも優れていた。
酸素供給改善作用
イヌを用いた出血性ショックモデルで、本剤投与直後のヘマトクリットは20%まで希釈されたが、酸素供給量は投与後2時間で脱血前値に回復した。その後更に増加の傾向を示し、酸素供給の改善効果がみられた。
血漿電解質平衡維持作用
本剤は、血漿電解質(K+、Na+、Cl-)濃度を正常レベルに回復又は維持する。それは、溶媒としての乳酸リンゲル液による効果とみなされた,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
デキストラン40(Dextran 40)
分子量
約40000(平均分子量)
性状
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。水に徐々に溶解する。吸湿性である。
化学構造式

取扱い上の注意

  1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 品質保持のためにガスバリア性の外袋で包装し、脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと。
  3. 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合

包装

500mL 20袋 ソフトバッグ(脱酸素剤入り)

主要文献

1
Flatau, E.,et al.:JAMA.1980;243:1035-1036
2
望月興弘,他:新薬と臨床.1970;19:273-278
3
福田義一,他:麻酔.1969;18(10):973-984
4
久藤豊治,他:十全医学会雑誌.1969;78(6):82-104
5
久藤豊治,他:十全医学会雑誌.1969;78(6):50-81
6
広瀬道郎,他:十全医学会雑誌.1969;78(6):105-123
7
久藤豊治,他:サヴィオゾール医学文献集.1971;124-130
8
田中範明,他:臨床と研究.1970;47:233-241
9
藤森 貢,他:新薬と臨床.1970;19:516-518
10
小高洋平,他:サヴィオゾール医学文献集.1971;131-134

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
TEL:0120-719-814
FAX:03-5296-8400

製造販売業者等

製造販売元
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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