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ヨウレチン散0.02%

網膜・硝子体・小児喘息・甲状腺疾患治療剤

1g 9.7円

添付文書番号

3221004F2025_1_02

企業コード

400021

作成又は改訂年月

2024年4月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

873221

薬効分類名

網膜・硝子体・小児喘息・甲状腺疾患治療剤

承認等

販売名

ヨウレチン錠「100」

販売名コード

3221004F2025

販売名英字表記

Jolethin

承認番号等

承認番号
13512KUZ08503005

販売開始年月

1970年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ヨウレチン散0.02%

販売名コード

3221004B1027

販売名英字表記

Jolethin

承認番号等

承認番号
22100AMX01680000

販売開始年月

1969年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ヨウ素レシチン製剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)

ヨード過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ヨウレチン錠「100」
有効成分
1錠中 ヨウ素レシチン  1.5mg
ヨウ素量  100μg
添加剤
カンゾウ末、乳糖水和物、沈降炭酸カルシウム、結晶セルロース、硬化油、タルク、ステアリン酸マグネシウム、白糖、ゼラチン、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、アラビアゴム末、白色セラック、マクロゴール6000、カルナウバロウ
ヨウレチン散0.02%
有効成分
1g中 ヨウ素レシチン  3.1mg
ヨウ素量  200μg
添加剤
カンゾウエキス、乳糖水和物、白色セラック、ヒマシ油

製剤の性状

ヨウレチン錠「100」
外形
表面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.1mm
大きさ(厚さ)
4.6mm
質量0.23g
識別コードなし
色・剤形
白色の糖衣錠
ヨウレチン散0.02%
色・剤形
淡黄白色注)
細粒状の散剤
注)原料であるカンゾウエキスは天然物のため、色の濃い粒子が混じることがありますが、効能・効果に問題はありません。

効能又は効果

  • ヨード不足による甲状腺腫、ヨード不足による甲状腺機能低下症
  • 中心性網膜炎、網膜出血、硝子体出血・混濁、網膜中心静脈閉塞症
  • 小児気管支喘息、喘息様気管支炎

用法及び用量

ヨウ素として、通常成人1日300~600μgを1日2~3回に分割経口投与する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 慢性甲状腺炎のある患者
  2. 治療後のバセドウ病のある患者
  3. 先天性の甲状腺ホルモン生成障害のある患者

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合のみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
消化器
胃腸障害、食欲不振
皮膚
薬疹
精神神経系
頭痛

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

ヨウ素量600μg相当を服用した成人男子9名の平均血中濃度の推移は、以下の通りである。(ヨウ素量で表示)
ヨウレチンのヨウ素は非常に吸収がよく、血中ヨウ素濃度は1時間で最高値に達し、しかも高い血中濃度が持続する。

分布

125Iを用いた標識ヨウ素レシチンを注射用蒸留水に懸濁し、ラット胃内に強制経口投与した後の、各組織内放射能濃度の測定によると、投与4時間後にはすでに特異的に血液から甲状腺への移行が確認され、336時間後でも高く分布することが示されている。その他の組織では、血液中の濃度推移と同様に時間とともに減少が見られている。,

代謝

健康成人男性5名を対象に、ヨード制限を5日間行い、その後ヨード3mgに相当するヨウレチンを投与し、投与前、投与後1日目、2日目の尿および投与前、投与後2日までの尿を採取し、ヨード量を測定したところ、ヨウレチンのヨウ素は消化管より血中にヨウ素イオンの形で取り込まれる。血中のヨウ素イオンは、甲状腺に取り込まれ甲状腺ホルモンとなり、血中にPBI(蛋白結合ヨウ素)として放出され全身をまわる。過剰のヨウ素はヨウ化物として尿中に排泄される。

排泄

成人男子15名におけるヨウ素としての尿中排泄率は、ヨウ素量3mg投与群では、48時間後89.85%、9mg投与群では、81.84%であった。

薬効薬理

作用機序
消化管より血液中に無機のヨウ素イオンの形で吸収され、甲状腺に取り込まれて甲状腺ホルモンに合成され、この甲状腺ホルモンが血中に分泌され作用を発揮すると考えられている。,
甲状腺に対する作用
ヨウ素レシチンはラットおよび健康成人男子において血液中に吸収され、無機ヨードとして作用する。そして甲状腺にとりこまれて、ヨード不足による甲状腺腫、患児の甲状腺機能低下症,に奏効する。
眼科における作用
  1. ヨウ素レシチンは家兎網膜の組織呼吸を促進し、網膜の新陳代謝を亢進する。,
  2. ヨウ素レシチンは成熟白色家兎のERG律動様小波に対し促進的に働き、その効果はヨウ素18μg/kg/dayの投与群で最も著明であり、3ヶ月の長期連用で増強される。
  3. 家兎に於ける実験的アレルギー性ブドウ膜炎、実験的電撃性ブドウ膜炎の両者共消炎効果、ERG所見の改善が著明であった。
喘息に対する作用
  1. モルモット、ラット、マウスに於いて摘出気管に於けるアドレナリン弛緩反応増強、摘出回腸でのアセチルコリン反応抑制、能動型、受動型アナフィラキシーの抑制、血清cAMP、cGMPの上昇、カラゲニン炎症の抑制がみられた。又小児気管支喘息患児の臨床試験に於いて治療効果が認められた。血清IgE値の低下、血清cAMP、cGMP、cAMP/cGMPの上昇、トリメトキノール反応性上昇による交感神経β受容体感受性の上昇が認められた。,
  2. ダニ抗原で感作された気管支喘息患児および卵白アルブミンで感作されたアトピー性皮膚炎児に於いて抗原特異的なIL-2反応性誘導を抑制する作用がみられた。
  3. リンパ球に於けるダニ抗原誘導IL-4の分泌、PHAまたはPMA+CaI誘導のIL-4生成を用量依存的に抑制し、ダニ抗原刺激によって引き起こされるIFN-γの生成量低下を用量依存的に反転させ、Th1/Th2バランスをTh1側に偏らせた。,,
  4. 乳幼児気管支喘息に対して、IgE産生抑制効果があった。
  5. ヨウレチン内服8週間後の患児リンパ球のIFN-γ産生能は治療前よりも亢進しており、重症度の軽快化が認められた。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ヨウ素レシチン(Lecithin-Bound Iodine)
分子式
C88H168O16N2P2I2
分子量
1826.06
性状
黄褐色の粉末または粒状で特異なにおいがある。クロロホルム、ジクロロメタンに溶けやすく、ジエチルエーテル、エタノール、熱エタノールには殆ど溶けない。水にはコロイド溶液となる。
化学構造式
融点
160~167℃

取扱い上の注意

〈錠剤〉
本剤をPTPシートから取り出して保存する場合は、湿気、光を避けて保存するよう指導すること。
〈散剤〉
無包装状態または分包の場合には、湿気を避けて保存するよう指導すること。

包装

〈ヨウレチン錠「100」〉
100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
3,000錠[10錠(PTP)×300]
〈ヨウレチン散0.02%〉
100g[瓶]

主要文献

1
柳金太郎:診断と治療.1955;43(7):690-695
2
長滝重信他:ホルモンと臨床.1987;35(1):89-91
3
池田 斉他:薬理と治療.1991;19(12):4877-4883
4
内山利満他:薬理と治療.1994;22(7):2297-3010
5
内山利満他:薬物動態.1996;11(6):607-613
6
池田 斉他:ホルモンと臨床.1977;25(3):293-296
7
上田 寛他:お茶の水医学雑誌.1959;7(8):2032-2049
8
下田新一:日本内分泌学会雑誌.1970;45(10):1016-1032
9
堀田正之他:小児科臨床.1964;17(9):1223-1227
10
村田秀秋他:日本眼科学会雑誌.1963;67(4):326-333
11
鈴木俊之他:日本眼科紀要.1993;44:547-550
12
山名忠己他:日本眼科学会雑誌.1982;86(8):978-987
13
大岡良子他:臨床眼科.1971;25(4):1142-1150
14
関 賀江他:東邦医学会誌.1979;26(3):304-326
15
川野 豊他:アレルギー.1993;42(11):1707-1714
16
野間 剛:アレルギーの臨床.1996;16(14):1058
17
川野 豊他:Brit.J.Pharmacol.1995;115(7):1141-1148
18
川野 豊他:Int.J.Immunopharmac.1996;18(4):241-249
19
鈴木五男他:小児科臨床.1998;51(5):1029-1037
20
川野 豊他:日本小児アレルギー学会誌.2004;18(5):560-565

文献請求先及び問い合わせ先

第一薬品産業株式会社 薬事部
〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町15-12
電話 03(3666)6773 FAX 03(6206)2662

製造販売業者等

製造販売元
第一薬品産業株式会社
東京都中央区日本橋兜町15-12

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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