医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

マイザー軟膏0.05%

外用合成副腎皮質ホルモン剤

1g 13.1円

添付文書番号

2646725M1201_1_05

企業コード

400315

作成又は改訂年月

2020年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872646

薬効分類名

外用合成副腎皮質ホルモン剤

承認等

販売名

マイザー軟膏0.05%

販売名コード

2646725M1201

販売名英字表記

MYSER Ointment

販売名ひらがな

まいざーなんこう

承認番号等

承認番号
22100AMX01655

販売開始年月

1986年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

販売名

マイザークリーム0.05%

販売名コード

2646725N1150

販売名英字表記

MYSER Cream

販売名ひらがな

まいざーくりーむ

承認番号等

承認番号
22100AMX01676

販売開始年月

1986年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ジフルプレドナート軟膏・クリーム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症[感染症を悪化させるおそれがある。]
  2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある。]
  4. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある。]

組成・性状

組成

マイザー軟膏0.05%
有効成分
(1g中)
ジフルプレドナート  0.5mg(0.05%)
添加剤
プロピレングリコール、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、サラシミツロウ、流動パラフィン、白色ワセリン
マイザークリーム0.05%
有効成分
(1g中)
ジフルプレドナート  0.5mg(0.05%)
添加剤
クロタミトン、ステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンセチルエーテル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クエン酸、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、プロピレングリコール、白色ワセリン、セタノール、ミリスチン酸イソプロピル

製剤の性状

マイザー軟膏0.05%
基剤
白色ワセリンを主体とする疎水性基剤
性状・剤形
白色の軟膏・僅かに特異なにおい
マイザークリーム0.05%
基剤
o/w型の親水性基剤
性状・剤形
白色のクリーム・僅かに特異なにおい

効能又は効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、脂漏性皮膚炎、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルス、固定蕁麻疹、結節性痒疹を含む)、虫さされ、乾癬、掌蹠膿疱症、扁平紅色苔癬、ジベルばら色粃糠疹、薬疹・中毒疹、慢性円板状エリテマトーデス、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑、遠心性丘疹性紅斑)、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎)、紅皮症、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、円形脱毛症、アミロイド苔癬(斑状アミロイドーシスを含む)、肥厚性瘢痕・ケロイド

効能又は効果に関連する注意

  1. 皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常1日1~数回適量を患部に塗布する。
なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
  2. 本剤の使用により症状の改善をみない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
  3. 症状改善後は速やかに使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ウサギ:連日皮下投与)で催奇形作用が報告されている。

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に副作用があらわれやすい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明)
    眼瞼皮膚へ使用した際に眼圧亢進及び緑内障を起こすおそれがある。また、大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により後嚢白内障、緑内障があらわれるおそれがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚の感染症注1)
細菌感染症(毛嚢炎等)
細菌感染症(伝染性膿痂疹)
皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)、ウイルス感染症
その他の皮膚症状
ステロイド皮膚(毛細血管拡張、皮膚萎縮、紫斑)注2) 、ざ瘡様発疹注2) 、刺激感、乾燥
軟毛の濃色化注2)
色素脱失注2)
過敏症
接触皮膚炎
紅斑
内分泌系
下垂体・副腎皮質系機能の抑制注3)
注1)密封法(ODT)の場合、起こりやすい。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。
注2)長期連用により、あらわれることがある。このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること。
注3)大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、来すことがある。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
化粧下やひげそり後等に使用しないよう、患者に指導すること。
薬剤使用時の注意
眼科用として使用しないこと。

薬物動態

吸収

ラット又はウサギにジフルプレドナートを正常皮膚に塗布(ODT)した場合、表皮に速やかに浸透し、長時間角質層に貯留した。また、角質層を除去すると吸収が増強された,

分布

  1. 血清蛋白結合率
    動物種
    3H-ジフルプレドナート
    血清添加時の結合率
    3H-ジフルプレドナート
    皮下投与時の結合率
    ヒト
    73.0%
    (該当資料なし)
    ラット
    82.3%
    80.0%
    ウサギ
    92.4%
    79.9%
  2. 組織移行性
    ラットではジフルプレドナートは経皮吸収された後、塗布部皮膚内に最も多く分布し、そのほかの臓器としては小腸、肝臓、腎臓、大腸、副腎、肺、下垂体に分布が認められた,

代謝

ラットではジフルプレドナートは経皮吸収された後、表皮及び真皮内で21位のアセテートが加水分解され、体循環に入り、次いで17位のブチレートが加水分解されると考えられる 。

排泄

ラット又はウサギではジフルプレドナートは代謝された後、主として胆汁を経て糞中に排泄された,,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    承認時及び効能・効果の追加承認時における有効性評価対象症例は1,789例であり、有効率は軟膏が89.3%(856例/959例)、クリームが88.8%(737例/830例)であった,,,,,,,,,,
    疾患名
    有効率(%)[かなり軽快以上]
    軟膏
    クリーム
    湿疹・皮膚炎群
    96.8(182例/188例)
    94.7(177例/187例)
    脂漏性皮膚炎
    96.7(29例/30例)
    92.9(26例/28例)
    放射線皮膚炎
    88.0(22例/25例)
    91.3(21例/23例)
    日光皮膚炎
    89.7(26例/29例)
    97.1(33例/34例)
    痒疹群
    84.9(45例/53例)
    94.1(48例/51例)
    虫さされ
    100.0(27例/27例)
    100.0(30例/30例)
    乾癬
    87.9(189例/215例)
    77.6(83例/107例)
    掌蹠膿疱症
    87.9(29例/33例)
    86.2(25例/29例)
    扁平紅色苔癬
    92.0(23例/25例)
    100.0(23例/23例)
    ジベルばら色粃糠疹
    85.5(47例/55例)
    87.5(42例/48例)
    薬疹・中毒疹
    100.0(27例/27例)
    96.3(26例/27例)
    慢性円板状エリテマトーデス
    91.7(22例/24例)
    93.3(28例/30例)
    紅斑症
    96.3(26例/27例)
    100.0(30例/30例)
    特発性色素性紫斑
    93.5(29例/31例)
    93.9(31例/33例)
    紅皮症
    95.6(43例/45例)
    93.2(41例/44例)
    肉芽腫症
    92.9(13例/14例)
    76.9(10例/13例)
    円形脱毛症
    56.0(14例/25例)
    67.9(19例/28例)
    アミロイド苔癬
    (斑状アミロイドーシスを含む)
    73.1(19例/26例)
    72.2(13例/18例)
    肥厚性瘢痕・ケロイド
    62.8(27例/43例)
    59.0(23例/39例)
    その他
    100.0(17例/17例)
    100.0(8例/8例)
    副作用発現頻度は、軟膏が3.60%(37例/1029例)、クリームが4.50%(41例/911例)であった。主な副作用は、軟膏が毛嚢炎・せつ1.75%(18例/1029例)、ざ瘡様発疹0.97%(10例/1029例)、クリームが毛嚢炎・せつ1.43%(13例/911例)、ざ瘡様発疹0.77%(7例/911例)などのいずれも感染性のものであった。

薬効薬理

作用機序
コルチコステロイドは、標的細胞の細胞質内に入り、そこに存在するレセプターと結合後、核内に移行して遺伝子を活性化し、合成されたメッセンジャーRNAが細胞質内に特異的蛋白リポコルチン合成する。
細胞膜を形成するリン脂質に含まれるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA2(PLA2)により遊離後、代謝を受けて各種のプロスタグランジン、トロンボキサン、ロイコトリエンとなり炎症に関与するが、リポコルチンはこのPLA2を阻害することにより、抗炎症作用を発現するものと考えられている 。
血管収縮作用(健康成人)
マイザー軟膏0.05%は密封法(ODT)においてベタメタゾン吉草酸エステル軟膏に比し強く、マイザークリーム0.05%は単純塗布法においてベタメタゾンジプロピオン酸エステルクリームと同等の血管収縮能を示した,
抗炎症作用(ラット)
ジフルプレドナートのクロトン油耳浮腫抑制作用(局所・経皮)はクロベタゾールプロピオン酸エステル、フルオシノニド及びジフルコルトロン吉草酸エステルと同等であった,
抗アレルギー作用(マウス)
ジフルプレドナートはPCA反応(皮下・経皮)を抑制し、その作用はフルオシノニドと同等であった。またArthus反応(皮下)及び遅延型アレルギー反応(皮下・経皮)を抑制し、その作用はベタメタゾン吉草酸エステルより強く、フルオシノニドと同等であった,
肉芽増殖抑制作用(ラット)
ジフルプレドナートは局所投与により、クロトン油及びコットンペレット肉芽増殖を有意に抑制し、その際の局所抗炎症作用と全身作用の分離度はヒドロコルチゾン酪酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル及びフルオシノニドよりも大きかった,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ジフルプレドナート(Difluprednate)
化学名
6α, 9-Difluoro-11β, 17, 21-trihydroxy-1, 4-pregnadiene-3, 20-dione 21-acetate 17-butyrate
分子式
C27H34F2O7
分子量
508.55
性状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
アセトニトリルに溶けやすく、エタノール(95)又は1, 4-ジオキサンにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約190℃(分解)

包装

〈マイザー軟膏0.05%〉
50g[5g(チューブ)×10]、100g[10g(チューブ)×10]、300g[30g(チューブ)×10]、100g[ボトル]、500g[ボトル]
〈マイザークリーム0.05%〉
50g[5g(チューブ)×10]、100g[10g(チューブ)×10]、300g[30g(チューブ)×10]、100g[ボトル]、500g[ボトル]

主要文献

1
藤野明治, 他: 応用薬理. 1985; 29(5): 687-699
2
藤野明治, 他: 応用薬理. 1985; 29(5): 701-712
3
藤野明治, 他: 応用薬理. 1985; 29(5): 713-723
4
渡辺 靖, 他: 薬理と治療. 1985; 13(8): 4663-4679
5
久木田淳, 他: 西日本皮膚科. 1986; 48(1): 119-135
6
久木田淳, 他: 皮膚. 1985; 27(5): 1067-1076
7
久木田淳, 他: 皮膚. 1985; 27(5): 1052-1066
8
久木田淳, 他: 薬理と治療. 1985; 13(8): 4681-4692
9
斉藤胤曠, 他: 薬理と治療. 1985; 13(8): 4693-4703
10
新村眞人, 他: 臨床医薬. 1990; 6(5): 1027-1037
11
竹村 司: 基礎と臨床. 1990; 24(4): 2147-2155
12
牧野久美, 他: 基礎と臨床. 1990; 24(4): 2112-2115
13
三島 豊, 他: 基礎と臨床. 1990; 24(3): 1491-1497
14
広根孝衛, 他: 基礎と臨床. 1990; 24(5): 2931-2935
15
鹿取 信: 炎症とプロスタグランジン. 1986; 74-93
16
石原 勝: 皮膚科紀要. 1985; 80(4): 359-366
17
渡辺 靖: 西日本皮膚科. 1985; 47(6): 1105-1111
18
高橋和雄, 他: 応用薬理. 1985; 29(3): 343-353
19
高橋和雄, 他: 応用薬理. 1985; 29(3): 355-362

文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280

製造販売業者等

製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL