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サルコートカプセル外用50μg

噴霧式口内炎治療剤

1カプセル 34.5円

添付文書番号

2399708A1039_1_02

企業コード

470310

作成又は改訂年月

2020年8月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872459

薬効分類名

噴霧式口内炎治療剤

承認等

販売名

サルコートカプセル外用50μg

販売名コード

2399708A1039

販売名英字表記

Salcoat Capsule for Oral Spray 50μg

販売名ひらがな

さるこーと

承認番号等

承認番号
22100AMX01301000

販売開始年月

1987年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ベクロメタゾンプロピオン酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

サルコートカプセル外用50μg
有効成分
日局 ベクロメタゾンプロピオン酸エステル  1カプセル中50μg
添加剤
ヒドロキシプロピルセルロース
ステアリン酸マグネシウム
ステアリン酸

製剤の性状

サルコートカプセル外用50μg
剤形カプセル剤(外用)
外形
質量約267mg
識別コードTJN284
色調・性状
ボディが帯微青白色、キャップが青色の2号硬カプセル剤

効能又は効果

びらん又は潰瘍を伴う難治性口内炎

用法及び用量

通常、1回1カプセル(ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして50μg)を1日2~3回、専用の小型噴霧器を用いて患部に均一に噴霧する。なお、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

約3週間使用しても効果が認められない場合は、本剤の投与を中止すること。

重要な基本的注意

長期連用により下垂体・副腎皮質系機能の抑制をきたすおそれがある。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 口腔内に感染を伴う患者
    やむを得ず使用する必要のある場合は、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。症状を増悪するおそれがある。
  2. 本剤によるカンジダ症の既往歴のある患者
    カンジダ症が発生するおそれがある。
  3. 免疫機能の低下している患者
    カンジダ症が発生するおそれがある。
  4. 生検直後のごとき創面のある患者
    創面より出血することがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

  1. 長期・大量使用により発育障害をきたすおそれがある。
  2. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を観察しながら投与期間に注意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
蕁麻疹等の発疹、紅斑、そう痒、浮腫等
口腔の感染症注)
カンジダ症
消化器
腹部不快感
注)発現した場合には、適切な抗真菌剤を用い、症状が改善するまで本剤の投与を中止すること。

過量投与

  1. 症状
    下垂体・副腎皮質系機能抑制があらわれることがある。この抑制が長期にわたった場合、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
  2. 処置
    全身性ステロイド療法を中止する手順で本剤を徐々に減量すること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して使用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. PTP包装からカプセルを取り出した場合には吸湿に注意させること。
  3. 使用時
    1. 本剤は口腔粘膜への付着性粉末剤(外用剤)であるので、カプセルを内服させないこと。また本剤は吸入剤ではないので吸入させないこと。
    2. 専用の小型噴霧器(パブライザー®)を用いて、そのケースに挿入された説明図にしたがって口腔患部に、呼吸を止めて噴霧投与させること。
    3. うまく噴霧し得ない場合は、今一度説明図どおりに噴霧が行われているか確認させること。

薬物動態

分布

  1. 口腔内分布・付着滞留性
    ラットの口腔内に標識化した主薬3H-ベクロメタゾンプロピオン酸エステルを含む本品(5mg、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとして1.25μg)を噴霧し、その口腔内分布をミクロオートラジオグラフィーにより経時的に検討した。その結果、適用局所の口腔粘膜に製剤がしばらくの間付着滞留し、角質化上皮の主薬量を高レベルに維持することにより、下層である重層扁平上皮、結合組織及び筋層へ主薬をよく浸透させ、これら組織での主薬の持続が認められた,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    承認時までに実施された国内延べ42施設、総計325例のびらん又は潰瘍を伴う口内炎を対象にした比較臨床試験を含む臨床試験において、痛み、大きさ、発赤等を指標にした有効以上の有効率は71.2%(205例/288例)であった,

薬効薬理

作用機序
本剤は、口腔粘膜局所に付着滞留し、主薬ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの抗炎症作用により効果を発揮する。
主薬ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの薬効
ベクロメタゾンプロピオン酸エステルは、ヒト皮膚における血管収縮試験においてトリアムシノロンアセトニドの5倍、デキサメタゾンの約600倍の局所抗炎症作用を示した。
基剤の特性
本剤の基剤はヒドロキシプロピルセルロースを主成分とする高分子基剤からなり、口腔内などの粘膜に対する付着性が大で、かつ唾液により膨潤し、柔軟な薄層となって病巣患部を被覆保護(患部被覆保護性)し、接触痛を緩和する。しかも、物理的な摩擦によっても容易に剝離せず(創面付着性)、徐々に溶解し長時間局所に付着・滞留する(局所徐放性)特性を有している。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ベクロメタゾンプロピオン酸エステル
(Beclometasone Dipropionate)
化学名
9-Chloro-11β,17,21-trihydroxy-16β-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione 17,21-dipropanoate
分子式
C28H37ClO7
分子量
521.04
性状
白色~微黄色の粉末でにおいはない。クロロホルムに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)又は1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約208℃(分解)

取扱い上の注意

  1. 貯法
    室内散光によりカプセルの色がわずかに退色する場合があるが、内容物に影響はない。

包装

PTP: 100カプセル(10カプセル×10)

主要文献

1
山本 勝ほか.: 基礎と臨床. 1984; 18(3): 785-90.
2
山本 勝ほか.: 基礎と臨床. 1984; 18(3): 791-7.
3
大谷隆俊ほか.: 日本口腔外科学会雑誌. 1984; 30(5): 705-16.
4
松矢篤三ほか.: 日本口腔外科学会雑誌. 1984; 30(5): 717-25.
5
Bodor N, et al.: J Med Chem. 1983; 26(3): 318-28.

文献請求先及び問い合わせ先

帝人ファーマ株式会社 メディカル情報グループ
〒100-8585 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号
フリーダイヤル 0120-189-315

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