医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

コランチル配合顆粒

胃炎・消化性潰瘍用剤

1g 6.3円

添付文書番号

2329107D1096_3_02

企業コード

672173

作成又は改訂年月

2023年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

胃炎・消化性潰瘍用剤

承認等

販売名

コランチル配合顆粒

販売名コード

2329107D1096

販売名英字表記

Kolantyl Combination Granules

承認番号等

承認番号
22100AMX00808

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ジサイクロミン塩酸塩乾燥水酸化アルミニウムゲル酸化マグネシウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 閉塞隅角緑内障の患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 前立腺肥大による排尿障害のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を悪化させるおそれがある。]
  3. 重篤な心疾患のある患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により心悸亢進、頻脈等を起こし、症状を悪化させるおそれがある。]
  4. 麻痺性イレウスの患者[本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により腸閉塞状態が強められ、症状を悪化させるおそれがある。]
  5. 透析療法を受けている患者

組成・性状

組成

コランチル配合顆粒
有効成分
1g中
ジサイクロミン塩酸塩5mg
乾燥水酸化アルミニウムゲル400mg
酸化マグネシウム200mg
添加剤
ヒドロキシプロピルセルロース、白糖、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、含水二酸化ケイ素

製剤の性状

コランチル配合顆粒
性状・剤形
白色の顆粒剤である。

効能又は効果

下記疾患における自覚症状及び他覚所見の改善
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎

用法及び用量

通常、成人には1回1~2gを1日3~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

視調節障害、眠気を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 開放隅角緑内障の患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
  2. 前立腺肥大のある患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により排尿障害を起こすおそれがある。
  3. 甲状腺機能亢進症の患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により甲状腺機能亢進症に伴う心悸亢進、頻脈等を悪化させるおそれがある。
  4. 潰瘍性大腸炎の患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩の腸管運動抑制作用により中毒性巨大結腸があらわれることがある。
  5. 心機能障害(うっ血性心不全、不整脈等)のある患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩は心悸亢進、頻脈等を、また、酸化マグネシウムは徐脈を起こし、症状を悪化させるおそれがある。
  6. 下痢のある患者
    本剤中の酸化マグネシウムは下痢を助長するおそれがある。
  7. 高マグネシウム血症の患者
    本剤中の酸化マグネシウムは高マグネシウム血症を悪化させるおそれがある。
  8. リン酸塩の欠乏している患者
    本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルはリン酸塩の吸収を阻害するおそれがある。
  9. 高温環境にある患者
    本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用により発汗が抑制されるおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 透析を受けている患者
    投与しないこと。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれることがある。
  2. 腎障害のある患者
    長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤中のジサイクロミン塩酸塩はヒト母乳中に移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

抗コリン作用による口渇、排尿障害、便秘、眼圧亢進等があらわれやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

指示文
本剤中のAl3+、Mg2+の吸着作用や消化管内・体液のpH上昇により、併用薬の吸収・排泄に影響を与えることがあるので1~2時間投与をあけること。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
MAO阻害剤等
臨床症状:抗コリン作用増強による散瞳、排尿障害、心悸亢進、頻脈、便秘、口内乾燥等を起こすことがある。
本剤中のジサイクロミン塩酸塩の抗コリン作用が増強されることがある。
クエン酸製剤
クエン酸ナトリウム等
血中アルミニウム濃度が上昇することがある。
機序:キレートを形成し、アルミニウムの吸収を促進させる。
危険因子:腎障害のある患者
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン
ドキシサイクリン等
テトラサイクリン系抗生物質(TC)の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤をTC投与後3~4時間後に投与すること。
本剤中のAl3+、Mg2+と不溶性のキレートを形成してTC、キノロン系抗菌剤の吸収が阻害される。
キノロン系抗菌剤
レボフロキサシン
ロメフロキサシン等
キノロン系抗菌剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤をキノロン投与後2時間後に投与すること。
本剤中のAl3+、Mg2+と不溶性のキレートを形成してTC、キノロン系抗菌剤の吸収が阻害される。
甲状腺ホルモン剤
レボチロキシンナトリウム等
甲状腺ホルモン剤の効果を減弱させるおそれがある。
本剤と吸着することにより、甲状腺ホルモン剤の吸収が阻害される。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
アルカローシスがあらわれることがあるので電解質の観察を十分に行うこと。
本剤の金属カチオンとイオン交換樹脂が結合することにより、腸管内に分泌された重炭酸ナトリウムが再吸収される。
ペニシラミン
ペニシラミンの効果を減弱させるおそれがある。
ペニシラミンの吸収率が低下するとの報告がある。
大量の牛乳
カルシウム製剤
臨床症状:ミルク・アルカリ症候群(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。
措置方法:症状があらわれた場合には投与を中止すること。
代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増加する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. アルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血(いずれも頻度不明)
    本剤中の乾燥水酸化アルミニウムゲルの長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがある。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹・そう痒感
視調節障害、眼圧亢進
精神神経系
頭痛・頭重、眩暈、眠気
消化器
口渇、便秘
下痢・軟便、悪心・嘔吐、腹部膨満・不快感、鼓腸、食欲不振
循環器
心悸亢進
泌尿器
排尿障害
代謝異常
高マグネシウム血症(配合成分酸化マグネシウムの長期大量投与時)
その他
倦怠感、脱力感

適用上の注意

薬剤投与時の注意
症状が起こりやすい時間に合わせて食後又は食間に(必要なら更に就寝前にも)経口投与する。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性にコランチル配合顆粒2gを空腹時単回経口投与したときのジサイクロミンの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図16-1・表16-1に示す。
図16-1 ジサイクロミンの血漿中濃度
表16-1 ジサイクロミンのパラメータ
n
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-9
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
10
19.36±7.66
1.70±0.68
88.16±29.48
3.12±0.89
(測定法:GC-MS)(mean±S.D.)

排泄

健康成人男性4例に14C-標識ジサイクロミン塩酸塩30mg/日を7日間連続経口投与したとき、ジサイクロミン塩酸塩及びその代謝物の主な排泄経路は腎で、1時間以内に尿中に認められ、7日間で尿中排泄率は79.5%、糞中排泄率は8.4%以下であった(外国人データ)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内一般臨床試験
    再評価結果における内視鏡所見を指標とした有効性評価対象例は胃潰瘍225例、十二指腸潰瘍75例であり、有効率はそれぞれ92.0%(207例)、90.7%(68例)であった。また、胃炎の自覚症状の消失、改善を主な指標とした有効性評価対象例は111例であり、有効率は86.5%(96例)であった。安全性評価対象例669例中、臨床検査値の異常変動を含む副作用は39例(5.8%)に認められた,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,

薬効薬理

作用機序
ジサイクロミン塩酸塩は胃の攣縮を緩解し、また、塩酸分泌を抑制する。制酸剤は直接の胃酸中和作用とpHの変化に基づくペプシン活性の抑制、胃粘膜被覆作用を示す。
薬理作用
  1. 鎮痙作用
    ジサイクロミン塩酸塩は、消化管の副交感神経末梢を遮断して平滑筋を弛緩させるアトロピン様作用と、平滑筋に直接作用して弛緩させるパパベリン様作用との二重の鎮痙作用を有する,
    表18-1 各種鎮痙剤の作用比較
    薬剤\作用
    向神経性作用比
    (アトロピン様)
    向筋性作用比
    (パパベリン様)
    ジサイクロミン塩酸塩
    1
    1
    アトロピン硫酸塩水和物
    8
    1
    パパベリン塩酸塩
    0.01
    0.5
    (Magnus法、ウサギ摘出腸管)
  2. 制酸作用
    酸化マグネシウムの制酸反応は速やかであり、他方、乾燥水酸化アルミニウムゲルの制酸作用は持続時間が長い。
    1. フックスの変法(in vitroで制酸剤の中和反応速度、作用時間を測定する方法)による制酸力
      本剤は0.1mol/L塩酸溶液中で速やかに反応し、pH7.0~8.0の高いpHまで急速に上昇する。以後は下降し、pH4.0付近を持続する。これは初期に酸化マグネシウムが反応して高いpH部分が得られ、pHが下降して4.0以下になると乾燥水酸化アルミニウムゲルが反応してpH4.0付近を保つためと考えられる。pH3.0以上の持続時間(min)は94.8±0.8(n=5、mean±S.D.)である。
    2. 塩酸消費量
      本剤1gは0.1mol/L塩酸200mL以上を中和する制酸力を有する。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 ジサイクロミン塩酸塩
一般的名称
ジサイクロミン塩酸塩(Dicyclomine Hydrochloride)
化学名
2-(Diethylamino)ethyl[bicyclohexyl]-1-carboxylate hydrochloride
分子式
C19H35NO2・HCl
分子量
345.95
性状
白色の結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水、メタノール、酢酸(100)、エタノール(99.5)又はクロロホルムに溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。
水溶液(1→100)のpHは5.0~5.5である。
化学構造式
融点
170~175℃
19.2 乾燥水酸化アルミニウムゲル
一般的名称
乾燥水酸化アルミニウムゲル(Dried Aluminum Hydroxide Gel)
性状
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。
水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に大部分溶ける。
19.3 酸化マグネシウム
一般的名称
酸化マグネシウム(Magnesium Oxide)
化学名
Magnesium Oxide
分子式
MgO
分子量
40.30
性状
白色の粉末又は粒で、においはない。
水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
空気中で湿気及び二酸化炭素を吸収する。

取扱い上の注意

開封後は湿気をさけること。

包装

105g[1g(SP)×105包]
1050g[1g(SP)×1050包]

主要文献

1
高岸靖, 他:社内資料(制酸作用及びジサイクロミンの血漿中濃度、1980)
2
Danhof, I. E. et al.:Toxicol. Appl. Pharmacol. 1968;13:16-23
3
松尾裕, 他:最新医学. 1958;13(10):2694-2700
4
亀田治男, 他:最新医学. 1957;12(12):2928-2940
5
増田正典, 他:臨床消化器病学. 1957;5(8):441-444
6
山形敞一, 他:新薬と臨牀. 1958;7(7):529-532
7
中川圭一, 他:臨床消化器病学. 1958;6(2):80-84
8
大北速男, 他:臨床消化器病学. 1958;6(3):173-174
9
芦澤真六, 他:最新医学. 1961;16(1):194-200
10
斎藤泰弘, 他:最新医学. 1961;16(2):442-449
11
荒木五郎, 他:新薬と臨牀. 1961;10(8):751-756
12
吉田彰, 他:臨牀と研究. 1973;50(10):3053-3058
13
砂川正興, 他:基礎と臨床. 1976;10(4):936-940
14
福井興, 他:臨牀と研究. 1976;53(5):1550-1557
15
杉山一教, 他:基礎と臨床. 1976;10(8):1941-1947
16
竹尾信男, 他:薬理と治療. 1976;4(12):3216-3222
17
岡戸一世, 他:基礎と臨床. 1976;10(11):3091-3096
18
安達秀樹, 他:新薬と臨牀. 1976;25(12):2082-2087
19
小黒八七郎, 他:薬理と治療. 1977;5(1):136-145
20
小畑耕造, 他:薬理と治療. 1977;5(1):146-151
21
前川高天, 他:基礎と臨床. 1977;11(1):203-212
22
小石堯夫, 他:基礎と臨床. 1977;11(3):893-895
23
丸山正隆, 他:臨牀と研究. 1977;54(7):2295-2300
24
三宅健夫, 他:内科宝函. 1977;24(6):217-222
25
湯川永洋, 他:臨床消化器病学. 1957;5(8):447-451
26
三宅靖彦:基礎と臨床. 1976;10(4):953-956
27
蓑田俊二, 他:臨牀と研究. 1977;54(9):3014-3018
28
増田正典, 他:臨牀と研究. 1978;55(2):511-523
29
八尾恒良, 他:臨牀と研究. 1981;58(11):3598-3608
30
Brown, J. H.:グッドマン・ギルマン薬理書 第8版 上巻. 1992;177-195
31
Brunton, L. L.:グッドマン・ギルマン薬理書 第8版 下巻. 1992;1102-1110
32
McGrath, W. R. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther. 1964;146:354-358
33
Brown, B. B. et al.:J. Am. Pharm. Assoc. 1950;39(6):305-311
34
岡崎寛蔵:薬局. 1957;8:39-43

文献請求先及び問い合わせ先

共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
 0120-041-189
FAX 06-6121-2858

製造販売業者等

製造販売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL