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硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」

経皮吸収型・虚血性心疾患治療剤

1枚 35.2円

添付文書番号

2171700S1150_1_03

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872171

薬効分類名

経皮吸収型・虚血性心疾患治療剤

承認等

販売名

硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」

販売名コード

2171700S1150

販売名英字表記

ISOSORBIDE DINITRATE Tapes [SAWAI]

販売名ひらがな

しょうさんいそそるびどてーぷ

承認番号等

承認番号
22400AMX00105000

販売開始年月

2001年10月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

硝酸イソソルビド

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者
    [血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]
  2. 閉塞隅角緑内障の患者
    [眼圧を上昇させるおそれがある。]
  3. 頭部外傷又は脳出血のある患者
    [頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
  4. 高度な貧血のある患者
    [血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
  5. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  6. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者

組成・性状

組成

硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」
有効成分
日局硝酸イソソルビド  40mg
添加剤
アクリル酸エチル・アクリル酸オクチル・ビニルピロリドン共重合体、オレイン酸デシル、酢酸エチル

製剤の性状

硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」
剤形テープ剤
外形

識別コードSW-922(アルミ袋に表示)
性状
白色
においはない

効能又は効果

狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患

効能又は効果に関連する注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法及び用量

通常、成人に対し、1回1枚(硝酸イソソルビドとして40mg)を胸部、上腹部又は背部のいずれかに貼付する。貼付後24時間又は48時間ごとに貼りかえる。
なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
  2. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
    また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
  3. 本剤の貼付により過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を剥離し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
  4. 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
  5. 本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
    また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  6. 本剤の貼付により皮膚症状を起こすことがある。このような場合には、貼付部位を変更しステロイド軟膏等を投与するか、投与中止するなど適切な処置を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 低血圧の患者(重篤な低血圧のある患者を除く)
    血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。
  2. 原発性肺高血圧症の患者
    心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。
  3. 肥大型閉塞性心筋症の患者
    心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。

肝機能障害患者

減量するなどして使用すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多い。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意(併用に注意すること)

指示文
下記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、本剤を剥離し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール摂取
血圧低下等が増強されるおそれがある。
血管拡張作用が増強される。
利尿剤
血圧低下等が増強されるおそれがある。
血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。
血管拡張作用が増強される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上注1)
0.1~5%未満注1)
0.1%未満注1)
頻度不明
循環器
血圧低下
めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸
精神神経系
頭痛
脱力感、不快感
過敏症
皮膚の刺激感
発疹
皮膚
一次刺激性の接触皮膚炎(刺激症状、発赤、そう痒等)注2)、アレルギー性接触皮膚炎
接触性皮膚炎の後の色素沈着(軽度)
消化器
悪心
胃部不快感、食欲不振、嘔吐
注1)発現頻度は使用成績調査を含む。
注2)貼付部位を変えたり、副腎皮質ステロイド軟膏を塗布するなどの適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
自動体外式除細動器(AED)の妨げにならないように貼付部位を考慮するなど、患者、その家族等に指導することが望ましい。
薬剤貼付時の注意
  1. 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる部位には貼付しないこと。
  2. 貼付部位に、発汗、湿潤、汚染等がみられるときは清潔なタオル等でよくふき取ってから本剤を貼付すること。特に夏期は、一般的に密封療法では皮膚症状が誘発されることが知られているので、十分に注意して投与すること。
  3. 皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変えること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
    なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。
  2. 硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」を健康成人男子に1枚(硝酸イソソルビドとして40mg)単回経皮投与(胸部、貼付時間48時間)したときの薬物動態は以下のとおりであった。
    本剤1枚貼付時の薬物動態パラメータ
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    AUC0-54hr
    (ng・hr/mL)
    硝酸イソソルビドテープ40mg「サワイ」
    2.42±0.81
    11.9±7.2
    2.0±0.8
    88.2±27.8
    (Mean±S.D.)
    血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

作用機序
硝酸イソソルビドは、ニトログリセリン同様、構造中より一酸化窒素(NO)を放出し、細胞内cGMP量を増加させることで血管平滑筋を弛緩させる。その結果、心臓に対する前後負荷が軽減され、うっ血性心不全の血行動態が改善される。また、比較的太い冠動脈と共に側副血行路も拡張するため、冠血流量は増大する。
血行動態に及ぼす作用
狭心症・無痛性虚血性心疾患の患者に対し、硝酸イソソルビドテープを1日1枚ずつ貼付し2週間経過後の心エコー図法による検討では、拡張末期容量が観察期に比べ平均8.5%の減少(P<0.01)を示した。また、収縮末期容量についても同様に平均9.3%の減少(P<0.01)を示した。
運動耐容能の増加作用
硝酸イソソルビドテープを用いた労作狭心症患者のエルゴメータ運動負荷試験では、貼付48時間後においても、投与前に比較して有意な運動耐容能の増加を示した。また、トレッドミル試験による運動耐容能も硝酸イソソルビドテープにより増加した。その増加の程度は貼付枚数に比例する傾向を示し、血漿中硝酸イソソルビド濃度と運動耐容能の間には正の用量反応関係が示された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
硝酸イソソルビド(Isosorbide Dinitrate)
化学名
1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
分子式
C6H8N2O8
分子量
236.14
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又はわずかに硝酸ようのにおいがある。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
化学構造式

包装

100枚(1枚×100)

主要文献

1
Demots, H. et al.:J. Am. Coll. Cardiol., 1989;13(4):786-793
2
社内資料:薬物動態に関する資料
3
第十八改正日本薬局方解説書, 廣川書店, 2021;C-2416-2420
4
名越秀樹他:薬理と治療, 1986;14(8):5407-5415
5
待井一男他:臨床成人病, 1982;12(11):2267-2277
6
斎藤宗靖他:心臓, 1983;15(3):335-341

文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

製造販売業者等

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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