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閲覧履歴

トランコロンP配合錠

過敏大腸症治療剤

1錠 5.7円

添付文書番号

1239101F1037_1_12

企業コード

800126

作成又は改訂年月

2023年2月改訂
(第3版)

日本標準商品分類番号

871239

薬効分類名

過敏大腸症治療剤

承認等

販売名

トランコロンP配合錠

販売名コード

1239101F1037

販売名英字表記

Trancolon P Tablets

販売名ひらがな

とらんころんぴーはいごうじょう

承認番号等

承認番号
22100AMX01284

販売開始年月

1967年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品 注1)
注1)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

メペンゾラート臭化物フェノバルビタール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある。]
  3. 重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。]
  4. 麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
  5. 本剤又はバルビツール酸系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  6. 急性間欠性ポルフィリン症のある患者[ポルフィリン合成を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
  7. ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、ドラビリン、リルピビリン、イサブコナゾニウム、カボテグラビル、ニルマトレルビル・リトナビル、ドルテグラビル・リルピビリン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ダルナビル・コビシスタット、アルテメテル・ルメファントリン、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・べルパタスビルを投与中の患者

組成・性状

組成

トランコロンP配合錠
有効成分
(1錠中)
日局
メペンゾラート臭化物  7.5mg
有効成分
(1錠中)
日局
フェノバルビタール  15mg
添加剤
乳糖水和物
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース
ヒドロキシプロピルセルロース
ステアリン酸マグネシウム
ヒプロメロース
マクロゴール
酸化チタン
カルナウバロウ

製剤の性状

トランコロンP配合錠
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約6.1mm
大きさ(厚さ)
約3.0mm
質量約93mg
識別コード464

効能又は効果

過敏大腸症(イリタブルコロン)

用法及び用量

通常成人1回2錠を1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
  2. 本剤中に含まれるフェノバルビタールの連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
  3. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下、視調節障害が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 開放隅角緑内障の患者
    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
  2. 前立腺肥大のある患者
    排尿障害を起こすおそれがある。
  3. 甲状腺機能亢進症のある患者
    本剤中に含まれるメペンゾラート臭化物は心臓の運動を促進させ、心悸亢進や頻脈を悪化させるおそれがある。
  4. 甲状腺機能低下症のある患者
    甲状腺機能の異常を来すおそれがある。
  5. うっ血性心不全又は不整脈のある患者
    心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。
  6. 潰瘍性大腸炎のある患者
    中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
  7. 高温環境にある患者
    汗腺等の分泌機能を抑制するので、体温調節が障害され高熱になるおそれがある。
  8. 虚弱者・呼吸機能の低下している患者
    呼吸抑制を起こすおそれがある。
  9. 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症のある患者
    本剤中に含まれるフェノバルビタールの作用が強くあらわれるおそれがある。
  10. 心障害のある患者
    血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。
  11. アルコール中毒のある患者
    中枢抑制作用を増強させるおそれがある。
  12. 薬物依存の傾向又は既往歴のある患者
    精神及び身体依存を示すおそれがある。
  13. 重篤な神経症患者
    神経症患者には依存的傾向があるので、精神及び身体依存を示すおそれがある。

腎機能障害患者

症状の悪化、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールの血中濃度上昇のおそれがある。

肝機能障害患者

症状の悪化、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールの血中濃度上昇のおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。
  1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与することにより、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。
  3. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与することにより、葉酸低下が生じるとの報告がある。
  4. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

授乳婦

授乳を避けさせること。本剤中に含まれるフェノバルビタールが乳汁中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。一般に抗コリン作用による視調節障害、口渇、排尿障害等が、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールによる呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。

相互作用

本剤中に含まれるフェノバルビタールは薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ボリコナゾール
(ブイフェンド)
タダラフィル
(肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ)
マシテンタン
(オプスミット)
チカグレロル
(ブリリンタ)
ドラビリン
(ピフェルトロ)
リルピビリン
(エジュラント、リカムビス)
イサブコナゾニウム
(クレセンバ)
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
カボテグラビル
(ボカブリア)
カボテグラビルの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールのUGT1A1誘導作用による。
ニルマトレルビル・リトナビル
(パキロビッドパック)
ニルマトレルビル及びリトナビルの代謝が促進され、血中濃度が低下することで、抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
ドルテグラビル・リルピビリン
(ジャルカ配合錠)
ドルテグラビル及びリルピビリンの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
(オデフシィ配合錠)
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット
(プレジコビックス配合錠)
ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
アルテメテル・ルメファントリン
(リアメット配合錠)
アルテメテル及びルメファントリンの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル
(スタリビルド配合錠)
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(ゲンボイヤ配合錠)
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(シムツーザ配合錠)
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
(ビクタルビ配合錠)
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル・べルパタスビル
(エプクルーサ配合錠)
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
三環系抗うつ剤
イミプラミン
アミトリプチリン
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン
抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。
本剤中のメペンゾラート臭化物及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を有するため相加的に抗コリン作用が増強されることがある。
モノアミン酸化酵素阻害剤
  1. 抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害、口渇、排尿障害等)があらわれるおそれがある。
  2. 相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
  1. 本剤中のメペンゾラート臭化物の代謝が阻害され、抗コリン作用が増強されることがある。
  2. 機序不明
中枢神経抑制剤
フェノチアジン系薬剤
バルビツール酸誘導体
トランキライザー
トピラマート
抗ヒスタミン剤
ジフェンヒドラミン
アルコール
相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
本剤中のフェノバルビタール及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
三環系抗うつ剤
イミプラミン
四環系抗うつ剤
マプロチリン
  1. 相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
  2. これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがある注)
  1. 本剤中のフェノバルビタール及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する。
  2. 本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
メチルフェニデート
本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど注意すること。
メチルフェニデートが本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制すると考えられている。
バルプロ酸
  1. 本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。
  2. バルプロ酸の血中濃度が低下することがある注)
  3. 高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある。
  1. バルプロ酸が本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制する。
  2. 本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
  3. 機序不明
スチリペントール
  1. 本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇し、作用が増強することがある。
  2. スチリペントールの血中濃度が低下することがある注)
  1. スチリペントールが本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制する。
  2. 本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クロバザム
  1. 本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある。
  2. クロバザムの血中濃度が低下することがある注)
  1. 機序不明
  2. 本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ソホスブビル
ソホスブビルの血中濃度が低下するおそれがある。
本剤中のフェノバルビタールのP糖蛋白誘導作用による。
イリノテカン
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
主にCYP3Aで代謝される薬剤
副腎皮質ホルモン剤
デキサメタゾン
卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤
ノルゲストレル・エチニルエストラジオール
PDE5阻害剤
タダラフィル
(勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア)
シルデナフィル
バルデナフィル
アゼルニジピン
イグラチモド
イマチニブ
カルバマゼピン
シクロスポリン
ゾニサミド
タクロリムス
フェロジピン
ベラパミル
モンテルカスト
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注)
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
アミノフィリン水和物
クロラムフェニコール
テオフィリン
パロキセチン
フレカイニド
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注)
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ラモトリギン
デフェラシロクス
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)
本剤中のフェノバルビタールがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
ルフィナミド
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)
機序不明
ドキシサイクリン
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の量を調整すること。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による。
アルベンダゾール
アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。
機序不明
利尿剤
チアジド系降圧利尿剤
起立性低血圧が増強することがあるので、減量するなど注意すること。
機序は不明であるが、本剤中のフェノバルビタールは高用量で血圧を低下させることがある。
アセタゾラミド
クル病、骨軟化症があらわれやすい。
本剤中のフェノバルビタールによるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
アセトアミノフェン
本剤中のフェノバルビタールの長期連用により、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。
本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN‐アセチル‐p‐ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
注)本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
    発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  2. 過敏症症候群(頻度不明)
    初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV‐6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
  3. 依存性(頻度不明)
    本剤中に含まれるフェノバルビタールの連用により薬物依存を生じることがある。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
  4. 顆粒球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
  5. 肝機能障害(頻度不明)
    AST、ALT、γ‐GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
  6. 呼吸抑制(頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
精神神経系
眠気、アステリキシス(asterixis)、眩暈、頭痛、頭重、せん妄、昏迷、鈍重、構音障害、知覚異常、運動失調、精神機能低下、興奮、多動
視調節障害
過敏症
発疹(猩紅熱様・麻疹様・中毒疹様等)
血液
血小板減少、巨赤芽球性貧血
肝臓
AST・ALT・γ‐GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸
泌尿器
排尿障害、蛋白尿等の腎障害注1)
消化器
口渇、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振
骨・歯
クル病注2)、骨軟化症注2)、歯牙の形成不全注2)、低カルシウム血症
内分泌系
甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常
その他
血清葉酸値の低下、ヘマトポルフィリン尿注1)、発熱
注1)連用によりあらわれることがある。
注2)連用によりあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常(血清アルカリフォスファターゼ値の上昇、血清カルシウム・無機リンの低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与等適切な処置を行うこと。

過量投与

  1. 症状
    本剤中に含まれるフェノバルビタールの作用として中枢神経系及び心血管系抑制。血中濃度40~45μg/mL以上で眠気、眼振、運動失調が起こり、重症の中毒では昏睡状態となる。呼吸は早期より抑制され、脈拍は弱く、皮膚には冷汗があり、体温は下降する。肺の合併症や腎障害の危険性もある。
  2. 処置
    呼吸管理。炭酸水素ナトリウム投与による尿アルカリ化、利尿剤投与によりフェノバルビタールの排泄を促進させる。重症の場合は血液透析や血液灌流を考慮すること。
    メペンゾラート臭化物の抗コリン作用に対してはネオスチグミン等を静脈内投与する。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールの投与により血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれたとの報告がある。
  2. 本剤中に含まれるフェノバルビタールと他の抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
非臨床試験に基づく情報
  1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールをラット及びマウスに長期間大量投与(ラット:25mg/kg、マウス:75mg/kg)したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。

薬効薬理

作用機序
  1. メペンゾラート臭化物
    ムスカリン受容体遮断薬で、副交感神経興奮による反応を抑制することにより様々な作用を現す。
  2. フェノバルビタール
    GABAA受容体のサブユニットに存在するバルビツール酸誘導体結合部位に結合することにより、抑制性伝達物質GABAの受容体親和性を高め、Cl-チャネル開口作用を増強して神経機能抑制作用を促進する。
薬理作用
  1. メペンゾラート臭化物
    生体位イヌまたはネコ消化管の自動運動抑制作用及び攣縮緩解作用,,、ラット腸管輸送能に対する作用、あるいはイヌ胃・大腸反射に対する作用等についての基礎実験結果から、メペンゾラート臭化物の鎮痙作用は上部消化管に対するより、下部消化管により強くあらわれることが確認されている。
  2. フェノバルビタール
    長時間型のバルビツール酸系薬剤で少量投与により軽い鎮静効果を現すことが知られている。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
メペンゾラート臭化物(Mepenzolate Bromide)
化学名
(3RS)-3-[(Hydroxy)(diphenyl)acetoxy]-1,1-dimethylpiperidinium bromide
分子式
C21H26BrNO3
分子量
420.34
性状
メペンゾラート臭化物は白色~淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、熱湯にやや溶けやすく、水又はエタノール(95)に溶けにくく、無水酢酸に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約230℃(分解)
一般的名称
フェノバルビタール(Phenobarbital)
化学名
5-Ethyl-5-phenylpyrimidine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione
分子式
C12H12N2O3
分子量
232.24
性状
フェノバルビタールは白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N‐ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。飽和水溶液のpHは5.0~6.0である。
化学構造式
融点
175~179℃

包装

500錠(10錠×50)

主要文献

1
第十七改正日本薬局方解説書 廣川書店 2016;C5527-C5530[TR-00055]
2
第十七改正日本薬局方解説書 廣川書店 2016;C4403-C4408[TR-00054]
3
Buckley, J. P. et al.:J. Am. Pharm. Assoc. 1957;46(10):592-594[TR-01035]
4
Chen, J. Y. P.:Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1959;121(1~2):78-84[TR-01033]
5
日野貞雄:日本消化器病学会雑誌1967;64(10):943-947[TR-01051]
6
Long, J. P. and Keasling, H. H.:J. Am. Pharm. Assoc. 1954;43(10):616-619[TR-01019]

文献請求先及び問い合わせ先

アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒103‐8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
フリーダイヤル 0120‐189‐371

保険給付上の注意

本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を超える投薬は認められていない。

製造販売業者等

製造販売
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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