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ビカルタミド錠80mg「NP」

前立腺癌治療剤

1錠 140.8円

添付文書番号

4291009F1080_3_06

企業コード

530100

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

前立腺癌治療剤

承認等

販売名

ビカルタミド錠80mg「NP」

販売名コード

4291009F1080

販売名英字表記

Bicalutamide Tablets

販売名ひらがな

びかるたみどじょう80mg「NP」

承認番号等

承認番号
22100AMX00119

販売開始年月

2009年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

ビカルタミドOD錠80mg「ニプロ」

販売名コード

4291009F2094

販売名英字表記

Bicalutamide OD Tablets

販売名ひらがな

びかるたみどODじょう80mg「にぷろ」

承認番号等

承認番号
22800AMX00287

販売開始年月

2016年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ビカルタミド製剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 小児[本薬の薬理作用に基づき、男子小児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼす恐れがある。また、本薬の毒性試験(ラット)において、雌性ラットで子宮の腫瘍性変化が認められている。]
  3. 女性[本薬の毒性試験(ラット)において、子宮の腫瘍性変化及び雄児の雌性化が報告されている。]

組成・性状

組成

ビカルタミド錠80mg「NP」
有効成分
1錠中日本薬局方 ビカルタミド  80mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン、カルナウバロウ
ビカルタミドOD錠80mg「ニプロ」
有効成分
1錠中日本薬局方 ビカルタミド  80mg
添加剤
無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、ヒプロメロース、カルメロース、軽質無水ケイ酸、アセスルファムカリウム、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)、香料、フマル酸ステアリルナトリウム

製剤の性状

ビカルタミド錠80mg「NP」
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
7.6mm
大きさ(厚さ)
4.3mm
重量
210mg
識別コードNP-515
性状
白色のフィルムコーティング錠
ビカルタミドOD錠80mg「ニプロ」
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
10.0mm
大きさ(厚さ)
2.9mm
重量
300mg
識別コードNP-731
性状
白色~微黄白色の素錠(口腔内崩壊錠)

効能又は効果

前立腺癌

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤による治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与12週後を抗腫瘍効果観察のめどとして、本剤投与により期待する効果が得られない場合、あるいは病勢の進行が認められた場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮すること。
  2. 本剤投与により、安全性の面から容認し難いと考えられる副作用が発現した場合は、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ、休薬又は集学的治療法などの治療法に変更すること。

用法及び用量

通常、成人にはビカルタミドとして80mgを1日1回、経口投与する。

重要な基本的注意

  1. 外国の臨床試験において、本剤投与例で本剤との関連性が否定できなかった前立腺癌以外の死亡例が報告されている。そのうち心・循環器系疾患による死亡は9%未満であり、その主な死因は心不全、心筋梗塞、脳血管障害等であった。これら外国の臨床試験で報告された心・循環器系疾患による死亡率は、対照の去勢術群(16%未満)より低く、高齢者で一般に予期される死亡率の範囲内であったが、本剤を投与する場合は十分に観察を行い、慎重に投与すること。
  2. 本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。
  3. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

肝機能障害患者

本剤は肝臓でほぼ完全に代謝を受けるため、定常状態時の血中濃度が高くなる可能性がある。

高齢者

高齢者への投与の際には患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃度及び副作用の発現に差はみられていないが、一般に高齢者では、心・循環器系の機能が低下していることが多く、心・循環器系の有害事象の発現頻度が若年層より高い。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4を阻害する。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血薬
ワルファリン等
クマリン系抗凝血薬の作用を増強するおそれがある。プロトロンビン時間を測定する、又は、トロンボテストを実施するなど、血液凝固能検査等出血管理を十分に行いつつ、凝固能の変動に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
in vitro試験で蛋白結合部位においてワルファリンと置換するとの報告がある。
トルブタミド
トルブタミドの作用を増強するおそれがある。但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でトルブタミドの代謝を阻害した。
デキストロメトルファン
デキストロメトルファンの作用を増強するおそれがある。但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でデキストロメトルファンの代謝を阻害した。
主にCYP3A4によって代謝される薬物
カルバマゼピン、シクロスポリン、トリアゾラム等
主にCYP3A4によって代謝される薬物の作用を増強するおそれがある。但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でCYP3A4によるテストステロン6β-水酸化酵素活性を阻害した。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    劇症肝炎、AST、ALT、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  2. 白血球減少(1.0%)、血小板減少(1.9%)
  3. 間質性肺炎(頻度不明)
  4. 心不全、心筋梗塞(いずれも頻度不明)

その他の副作用

5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明
内分泌
乳房腫脹(44.7%)、乳房圧痛(46.6%)、ほてり
生殖器
勃起力低下
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
γ-GTP上昇、LDH上昇
泌尿器
腎機能障害(クレアチニン上昇、BUN上昇)
血尿、夜間頻尿
皮膚
そう痒、発疹
発汗、皮膚乾燥、脱毛、多毛、光線過敏症
精神神経系
性欲減退
傾眠
頭痛、めまい、不眠、抑うつ状態
循環器
心電図異常
消化器
便秘
口渇
食欲不振、下痢、悪心、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁、腹痛
筋・骨格系
胸痛
骨盤痛
過敏症
血管浮腫、蕁麻疹
その他
総コレステロール上昇、中性脂肪上昇
さむけ
貧血、浮腫、倦怠感、無力症、疲労、高血糖、体重増加・減少

副作用の共通の注釈

注)副作用頻度は承認時までの国内臨床試験を基に集計した。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
〈製剤共通〉
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
〈OD錠〉
  1. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させ舌で軽くつぶすことにより崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
  1. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
外国において、呼吸困難が発現したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 生物学的同等性試験
    とカソデックス錠80mgのそれぞれ1錠(ビカルタミドとして80mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中R-ビカルタミド濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→336hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    薬物動態パラメータ
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0→336hr(μg・hr/mL)
    Cmax(μg/mL)
    Tmax(hr)
    t1/2(hr)
    210.5±33.8
    1.27±0.18
    29.3±19.6
    100.2±16.0
    カソデックス錠80mg
    211.2±59.7
    1.19±0.24
    31.7±19.3
    111.6±23.3
    (Mean±S.D., n=15)
    血漿中R-ビカルタミド濃度推移
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
    とカソデックスOD錠80mgのそれぞれ1錠(ビカルタミドとして80mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食時に単回経口投与して血漿中R-ビカルタミド濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→504hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された,
    薬物動態パラメータ(水あり投与)
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0→504hr(μg・hr/mL)
    Cmax(μg/mL)
    Tmax(hr)
    t1/2(hr)
    237.54±65.16
    1.1746±0.2271
    27.8±13.1
    118.67±30.45
    カソデックスOD錠80mg
    227.64±55.20
    1.1333±0.2010
    28.5±15.7
    117.64±34.57
    (Mean±S.D., n=23)
    血漿中R-ビカルタミド濃度推移(水あり投与)
    薬物動態パラメータ(水なし投与)
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0→504hr(μg・hr/mL)
    Cmax(μg/mL)
    Tmax(hr)
    t1/2(hr)
    246.38±60.56
    1.2106±0.2130
    27.2±12.2
    123.63±46.11
    カソデックスOD錠80mg
    240.84±61.83
    1.2051±0.1901
    28.1±12.4
    118.28±42.60
    (Mean±S.D., n=22)
    血漿中R-ビカルタミド濃度推移(水なし投与)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

特定の背景を有する患者

  1. 肝機能障害患者
    肝機能障害患者では、R-ビカルタミドの消失半減期が長くなる傾向が認められている(外国人データ)。

薬物相互作用

ビカルタミドはin vitro試験で、チトクロームP450酵素(CYP3A4)を阻害し、またそれより程度は低いが、他のチトクロームP450酵素(CYP2C9、2C19、2D6)に対しても阻害作用を示すとの報告がある。海外臨床試験において、ビカルタミド150mgまで投与された患者で、アンチピリン代謝に関与するチトクロームP450酵素に対しほとんど影響は認められていない。ビカルタミドは臨床の場で通常併用される薬剤とは相互作用を示す可能性は低いと考えられる。

薬効薬理

作用機序
ビカルタミドは、前立腺腫瘍組織のアンドロゲン受容体に対するアンドロゲンの結合を阻害し、抗腫瘍効果を発揮する。なお、ビカルタミドの抗アンドロゲン活性は実質的にR体によるものであった。なお、臨床上、ビカルタミドの投与の中止により一部の患者でAWS(antiandrogen withdrawal syndrome)をみることがある。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ビカルタミド(Bicalutamide)
化学名
(2RS)-N-[4-Cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl]-3-[(4-fluorophenyl)sulfonyl]-2-hydroxy-2-methylpropanamide
分子式
C18H14F4N2O4S
分子量
430.37
性状
・白色の粉末又は結晶性の粉末である。・アセトンに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。・アセトン溶液(1→100)は旋光性を示さない。・融点:192~197℃・結晶多形が認められる。
化学構造式

包装

〈ビカルタミド錠80mg「NP」〉
30錠[10錠(PTP)×3]100錠[10錠(PTP)×10]
〈ビカルタミドOD錠80mg「ニプロ」〉
30錠[10錠(PTP)×3]100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
社内資料:生物学的同等性試験(錠80mg)
2
社内資料:生物学的同等性試験(OD錠80mg、水あり投与)
3
社内資料:生物学的同等性試験(OD錠80mg、水なし投与)
4
Furr BJA, et al. Hormone Dependent Cancer. Pasqualini, JR, Katzenellenbogen BS, (Eds). Marcel Dekker, New York;1996:397-424(L20220007)
5
Cockshott ID. Clin Pharmacokinet. 2004;43(13):855-878(L20220008)
6
Kaisary A, et al. Anti-Cancer Drugs. 1996;7:54-59(L20220009)
7
第十八改正日本薬局方解説書. 2021:C-4254-C-4262(L20230983)
8
赤倉功一郎. 排尿障害プラクティス. 2011;19(2):173-177(L20230984)

文献請求先及び問い合わせ先

ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
TEL 0120-226-898FAX 050-3535-8939

製造販売業者等

製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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