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沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」

高リン血症治療剤

1錠 5.8円

添付文書番号

2190024F1040_1_05

企業コード

300297

作成又は改訂年月

2023年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

高リン血症治療剤

承認等

販売名

沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」

販売名コード

2190024F2038

販売名英字表記

PRECIPITATED CALCIUM CARBONATE Tablets 250mg “SANWA”

承認番号等

承認番号
22100AMX00278000

販売開始年月

2009年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
沈降炭酸カルシウム錠

販売名

沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」

販売名コード

2190024F1040

販売名英字表記

PRECIPITATED CALCIUM CARBONATE Tablets 500mg “SANWA”

承認番号等

承認番号
22100AMX00279000

販売開始年月

2009年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
沈降炭酸カルシウム錠

一般的名称

沈降炭酸カルシウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 甲状腺機能低下症の患者[カルシウムの利用が亢進し、症状を増悪するおそれがある。]
  2. 炭酸カルシウムに対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」
有効成分
1錠中「日局」
沈降炭酸カルシウム  250mg
添加剤
結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、香料(香料本体にプロピレングリコールを含有する)、サッカリンNa水和物、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)
沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」
有効成分
1錠中「日局」
沈降炭酸カルシウム  500mg
添加剤
結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸Mg、香料(香料本体にプロピレングリコールを含有する)、サッカリンNa水和物、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物)

製剤の性状

沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8mm
大きさ(厚さ)
3.9mm
質量300mg
識別コードSc511
色・剤形
白色の素錠
沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
10mm
大きさ(厚さ)
5.0mm
質量600mg
識別コードSc512
色・剤形
白色の素錠

効能又は効果

下記患者における高リン血症の改善
保存期及び透析中の慢性腎不全患者

効能又は効果に関連する注意

本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。

用法及び用量

通常、成人には、沈降炭酸カルシウムとして1日3.0gを3回に分割して、食直後、経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

2週間で効果が認められない場合には、本剤の投与を中止し、リン摂取の制限等、他の適切な治療法に切り替えること。

重要な基本的注意

  1. 血中カルシウム濃度の上昇を来すことがあるので、本剤の投与にあたっては、定期的に血中リン及びカルシウム濃度を測定しながら慎重に投与すること。
  2. 血中マグネシウム濃度が上昇するおそれがあるので、本剤の投与が長期にわたる場合には、患者の状態を観察しながら必要に応じ、血中マグネシウム濃度を測定すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 薬物過敏症の既往歴のある患者
  2. 心機能障害、肺機能障害のある患者
    血中カルシウム濃度の上昇により、心・肺機能をさらに抑制し、症状を増悪させることがある。
  3. 便秘のある患者
    カルシウム及びリンの排泄が阻害され血中リン、カルシウム濃度が上昇するおそれがある。
  4. 高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)の患者
    血中カルシウム濃度がさらに上昇し、副作用があらわれやすくなる。
  5. 無酸症の患者
    本剤中の沈降炭酸カルシウムの溶解性が低下し、リンとの結合能が低下するため、効果が期待できない場合がある。

高齢者

減量するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩等
ニューキノロン系抗菌剤
ノルフロキサシン
オフロキサシン
レボフロキサシン等
本剤のキレート作用により、相互に吸収が低下し、効果が減弱することがある。併用する場合には本剤服用後2時間以上間隔をあけるなど注意すること。
これらの薬剤は、カルシウムと難溶性の塩を生成し、抗生物質の腸管吸収を妨げる。
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。
本剤は、無機質の微細な粉末を錠剤としたもので、種々の物質と結合する性質があり、また、二価の金属イオンとしてのキレート作用もある。同時に服用した他の併用薬剤の吸収を阻害することがある。さらに、本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。
キニジン硫酸塩水和物
これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、慎重に投与すること。
本剤は、アルカリ性であるため、消化管内のpHを上昇させ、あるいは体内に吸収後に体液のpHを上昇させることが考えられる。
大量の牛乳
milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれることがある。観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
機序は不明である。
活性型ビタミンD剤
アルファカルシドール
カルシトリオール等
高カルシウム血症があらわれやすくなるので、異常が認められた場合には、これらの薬剤又は本剤を減量あるいは投与を中止すること。
活性型ビタミンD製剤はカルシウムの吸収を促進する。
ロキサデュスタット
ロキサデュスタットと併用した場合、ロキサデュスタットの作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上あけて本剤を服用すること。
ロキサデュスタットを酢酸カルシウムと同時投与したところ、ロキサデュスタットのAUCinfが低下した。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1〜5%未満
頻度不明
代謝異常
アルカローシス等の電解質失調、高カルシウム血症(血中カルシウム濃度として11mg/dL以上)注)
長期・大量投与
腎結石、尿路結石
消化器
便秘
下痢、悪心、胃酸の反動性分泌等
過敏症
そう痒感
肝臓
Al-P、γ-GTP、LDH、トリグリセライド、ASTの上昇
注)異常が認められた場合には、カルシウム濃度の低い透析液への変更あるいは本剤の減量又は休薬等適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

PharmacokineticsEtc

〈沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」〉
沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成18年11月24日 薬食審査発第1124004号)」に基づき、沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅱ相用量検索試験
    高リン血症を呈する透析患者(1群30例)を対象に、沈降炭酸カルシウム錠を炭酸カルシウムとして1日1.5g、3.0g又はプラセボ錠を投与し、血清リン値を指標として二重盲検比較試験を行った結果、有効率は1.5g/日投与群で57.1%(16/28例)、3.0g/日投与群で82.1%(23/28例)を示した。
    また、実薬群では副作用は報告されなかった。
  2. 国内第Ⅲ相試験
    保存期及び透析中の慢性腎不全患者116例を対象に、沈降炭酸カルシウム錠を炭酸カルシウムとして1日1.0g~4.5gを投与した結果、血清リン値改善効果(有効以上)は80.0%(84/105例)を示し、沈降炭酸カルシウム錠投与中の血清リン値は良好にコントロールされた。
    また、副作用として、γ-GTP上昇(2例)、TG上昇、AST上昇、LDH上昇、ALP上昇(各1例)が報告された。
  3. 国内第Ⅲ相長期投与試験
    保存期及び透析中の慢性腎不全患者30例を対象に、沈降炭酸カルシウム錠を炭酸カルシウムとして1日1.5g~3.0gを6ヵ月間投与した結果、血清リン値改善効果(有効以上)は78.6%(22/28例)を示し、本剤投与中の血清リン値は持続的で安定的にコントロールされた。
    また、副作用として、便秘(1例)が報告された。

薬効薬理

作用機序
炭酸カルシウムは、腸管内において無機リン酸イオンと不溶性の塩を作り、腸管からのリンの吸収を抑制することで、血中リン濃度を低下させる。
なお、本剤の薬理効果は、胃液の酸度、食事内容(特にマグネシウム等の無機イオン)等により影響を受けることが知られている。
生物学的同等性試験
〈沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」〉
健康成人男性12名にコントロール期(沈降炭酸カルシウム無投与)の後、沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」とカルタン錠500mgそれぞれ6錠(沈降炭酸カルシウムとして3g)を非盲検クロスオーバー法により、低リン食及びリン酸塩を摂取直後に単回経口投与して、投与後10時間までの尿中リン排泄量を測定した。その結果、両剤の各投与によりコントロール期に比較して、尿中リン排泄量を有意に抑制し、両剤の腸管からのリン吸収抑制効果が示唆された。また、両剤の尿中リン累積排泄量について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
沈降炭酸カルシウム(Precipitated Calcium Carbonate)
化学名
Calcium Carbonate
分子式
CaCO3
分子量
100.09
性状
本品は白色の微細な結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品は水にほとんど溶けないが、二酸化炭素が存在すると溶解性を増す。
本品はエタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は希酢酸、希塩酸又は希硝酸に泡立って溶ける。

包装

〈沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」〉
100錠(PTP10錠×10)
〈沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」〉
100錠(PTP10錠×10)、500錠(PTP10錠×50)、500錠(バラ)、1000錠(PTP10錠×100)

主要文献

1
社内資料:沈降炭酸カルシウム錠250mg「三和」生物学的同等性試験
2
鈴木正司 他:腎と骨代謝. 1996;9(4):461-477
3
鈴木正司 他:薬理と臨床. 1997;7(2):125-139
4
井上聖士:薬理と臨床. 1997;7(2):111-123
5
岡田一義 他:臨床透析. 1991;7(8):1191-1195
6
社内資料:沈降炭酸カルシウム錠500mg「三和」生物学的同等性試験

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
TEL 0120-19-8130 FAX(052)950-1305

製造販売業者等

製造販売元
株式会社三和化学研究所
名古屋市東区東外堀町35番地 〒461-8631

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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