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サージカルパック口腔用

歯科用繃帯剤

1g 66.6円

添付文書番号

2790818V1039_3_04

企業コード

671610

作成又は改訂年月

2024年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87279

薬効分類名

歯科用繃帯剤

承認等

販売名

サージカルパック口腔用

販売名コード

2790818V1039

販売名英字表記

SURGICALPACK

販売名ひらがな

さーじかるぱっくこうくうよう

承認番号等

承認番号
22000AMX01958000

販売開始年月

1988年6月

貯法、有効期間

貯法
散剤-室温保存液剤-室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

酸化亜鉛、チョウジ油

組成・性状

組成

サージカルパック口腔用
有効成分
100g中
(日局)酸化亜鉛  48g
添加剤
脱脂綿短繊維、ロジン、カルボキシビニルポリマー、ケイソウ土
(本剤は散剤60g、液剤15mLを1組とする。)
有効成分
100mL中
(日局)チョウジ油  65mL
添加剤
プロピオン酸、オリブ油
(本剤は散剤60g、液剤15mLを1組とする。)

製剤の性状

サージカルパック口腔用
散剤
性状
白色~微黄色のかさ高な流動しにくい粉末で、わずかに特異なにおいがあり、味はない。
液剤
性状
無色~淡黄色澄明の液で、特異な芳香があり、やくような味がある。

効能又は効果

歯肉切除などの歯周外科領域における患部の包塡

用法及び用量

用時、適量の散剤と液剤を練和して適用する。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
口腔粘膜
貼付(装着)部位直下の潰瘍、本剤表面と接触する粘膜面のあれ

適用上の注意

薬剤使用時の注意
  1. 歯科用にのみ使用すること。
  2. 術者の手指や患者の顔などに本剤が付着した場合には、ベンジンなどで擦拭すること。なお、温湯と石鹸で洗っても除去することができる。
  3. 本剤貼付後しばらくの間チョウジ油特有の味覚、嗅覚刺激を覚えることがある。
  4. 使用方法
    1.練和法
    容器より散剤と液剤を練板(ガラス、紙)上に適量(目安として散剤:液剤を、4:1~5:1)取り出し、スパチュラで適度な粘度を有した泥状(パテ状)になるように約1分間程度練和する。その後、練板上の本剤をある程度の形態(練和された本剤がスパチュラで練板上から取りやすい形態)にした後、練板上から手掌上に置き、指と手掌で適度な形態(直径約5mm程度かストッピングよりやや太めで、貼付部位と同程度の長さ)に整える。
    2.貼付(装着)法
    本剤を歯面へ強固に付着させるためには、創面の止血、乾燥を必要とするため、乾いた滅菌ガーゼで創面の止血と乾燥を行い始めた頃より、本剤の練和に着手する。
    1. 練和した本剤をストッピングよりやや太め(直径約5mm程度)で、貼付部位と同程度の長さの棒状に丸める。
    2. 棒状の本剤を2本(通常は唇舌側、頬舌側の2ヵ所、MGS(Muco Gingival Surgery)では1ヵ所の場合もある)作る。
    3. 棒状の本剤をまず唇側(頬側)に置き、唇側より圧接する。その後同様にして舌側(口蓋側)を行う。
    4. 唇舌(頬舌)的に本剤が剥がれないように、外科用エレバトリュームで歯間部の本剤を圧接する。
    5. 創面が本剤により覆われていることを確認する。
    6. 本剤貼付後、術者が頬粘膜や唇、舌などを動かしたり、患者自身が舌などを動かして、余剰な本剤があれば取除く(余剰な本剤は貼付後の緩み、脱離につながると同時に、咀嚼時や談話時での機能障害や褥創性潰瘍の原因となる)。
    7. ポケット搔爬術や歯肉剥離搔爬術の再付着を期待する術式では、本剤を創面よりやや根尖側寄りに置き、歯根の方向から歯冠側に圧接し、歯肉切除術や歯肉整形術のような瘢痕治癒を期待するような術式では創面と同位置もしくは少し歯冠側に置き、歯冠側から歯根側に向かって圧接するとよい。
    8. MGSの場合、錫箔との併用が望ましい場合がある。
    9. 本剤貼付後約15分経過した時点で、出血や緩みなどのないことを確認した後、諸注意を与え患者を帰宅させる。
    3.貼付(装着)後の注意事項
    1. 通常は、本剤装着後1週間はそのままにしておくが、3~4日の場合もある。
    2. 1週間後に本剤の除去を行うが、手術法の種類により必要に応じ再度本剤の貼付(装着)を行うことがある。
    3. 装着期間中に出血が見られたり、本剤の緩み、破損が生じた場合、一旦本剤を除去し、局所の洗浄を行った後、再度本剤の貼付(装着)を行う。
    4. 本剤装着期間中は硬い食物や刺激性の強いものはできるだけ避けるよう、患者に指示を与える。
    5. 本剤装着部位以外の部位でのブラッシングは通常通りに行うことを患者に指示する。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    歯肉切除などの歯周外科領域の処置にサージカルパック口腔用を用いて操作性(練和性、貼付性)、除去性、創面被覆効果、副作用などについて検討した。
    堀内ら36症例、石川ら33症例、鴨井ら27症例の計96例における結果は次表のとおりであった。
    なお、副作用として潰瘍2例、舌、頬のあれ2例の計4例(4.1%)がみられた。
    観察項目
    評価
    症例数(%)
    練和性
    極めて練り易い
    3(3.1)
    練りやすい
    57(59.4)
    普通
    26(27.1)
    練りにくい
    10(10.4)
    除去性
    極めて除去し易い
    18(18.8)
    除去しやすい
    45(46.9)
    普通
    28(29.2)
    悪い
    5(5.2)
    貼付性
    極めて貼付し易い
    3(3.1)
    貼付しやすい
    38(39.6)
    普通
    43(44.8)
    貼付しにくい
    12(12.5)

    創面被覆
    効果
    極めて良い
    3(5.0)
    良い
    18(30.0)
    普通
    34(56.7)
    悪い
    5(8.3)
    * 2施設(石川ら、鴨井ら)での結果

薬効薬理

作用機序
サージカルパック口腔用の散剤の成分である酸化亜鉛は、皮膚のタンパク質に結合又は吸着して不溶性の沈殿物や被膜を形成し、収れん、消炎、保護並びに緩和な防腐作用を現す。液剤の成分であるチョウジ油は、局所麻酔作用と弱い鎮痛作用、殺菌作用がある。また数種の細菌、真菌に対して試験管内増殖阻止作用を示す。
本剤は散剤と液剤を練合すると、亜鉛とチョウジ油が結合し、硬化する性質を利用した酸化亜鉛ユージノールセメントの一種で、これに繊維を配合して靱性を賦与したものである。
これによって創面を覆い、口腔内の物理的、化学的な種々の外部刺激から手術創を保護するので、歯科用繃帯剤といわれている。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 酸化亜鉛
一般的名称
酸化亜鉛(Zinc Oxide)
分子式
ZnO
分子量
81.38
性状
白色の無晶性の粉末で、におい及び味はない。
水、エタノール(95)、酢酸(100)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸又は水酸化ナトリウム試液に溶ける。
空気中で徐々に二酸化炭素を吸収する。
19.2 チョウジ油
一般的名称
チョウジ油(Clove Oil)
性状
無色~淡黄褐色澄明の液で、特異な芳香があり、味は舌をやくようである。
エタノール(95)又はジエチルエーテルと混和する。水に溶けにくい。長く保存するか又は空気中にさらすと褐色に変わる。

取扱い上の注意

〈散剤、液剤〉
  1. 使用後は必ず密栓すること。
〈液剤〉
  1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. その性状から、経時的に変色することがある。

包装

散剤 60g
液剤 15mL
(散剤、液剤を1組とする。)

主要文献

1
社内資料:サージカルパック口腔用の臨床試験成績
2
社内資料:歯肉包帯剤「サージカルパック口腔用」臨床試験成績
3
社内資料:歯科用サージカルパック「昭和」とサージカルパック口腔用の比較臨床試験成績について
4
第十八改正日本薬局方解説書.2021:C-2104
5
第十八改正日本薬局方解説書.2021:D-675
6
日本歯科医師会編:新臨床歯科学講座(医歯薬出版).1977;2:329-330
7
楠 正夫ほか:新編歯周治療学(書林).1977:255-256

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ジーシー昭和薬品
〒113-0033 東京都文京区本郷一丁目28番34号
TEL:0120-648-914
〈受付時間〉9:00~17:30(土・日・祝日・弊社休日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
株式会社ジーシー昭和薬品
東京都板橋区蓮沼町76番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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