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ゲーベンクリーム1%

外用感染治療剤

1g 12.8円

添付文書番号

2633705N1031_1_05

企業コード

400315

作成又は改訂年月

2023年5月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872633

薬効分類名

外用感染治療剤

承認等

販売名

ゲーベンクリーム1%

販売名コード

2633705N1031

販売名英字表記

GEBEN cream

販売名ひらがな

げーべんくりーむ

承認番号等

承認番号
22000AMX02237

販売開始年月

1982年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

一般的名称

スルファジアジン銀クリーム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 低出生体重児、新生児
  3. 軽症熱傷[疼痛がみられることがある。]

組成・性状

組成

ゲーベンクリーム1%
有効成分
(1g中)日局 スルファジアジン銀  10mg
添加剤
セタノール、ミリスチン酸イソプロピル、プロピレングリコール、メチルパラベン、ブチルパラベン、その他4成分

製剤の性状

ゲーベンクリーム1%
性状・剤形
白色・僅かに特異なにおい・クリーム状軟膏

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、カンジダ属
〈適応症〉
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染

用法及び用量

1日1回、滅菌手袋などを用いて、創面を覆うに必要かつ十分な厚さ(約2~3mm)に直接塗布する。
又は、ガーゼ等に同様の厚さにのばし、貼付し、包帯を行う。なお、第2日目以後の塗布に際しては、前日に塗布した本剤を清拭又は温水浴等で洗い落としたのち、新たに本剤を塗布すること。

重要な基本的注意

  1. サルファ剤の全身投与の場合と同様の副作用があらわれるおそれがあるので、長期使用は避けること。
  2. 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作された兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には使用を中止すること。
  3. 広範囲熱傷に使用した場合、本剤中のプロピレングリコールにより、高浸透圧状態を来すことがあるので、定期的に血清浸透圧を測定し異常が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。特に乳児、幼児、小児の場合注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 薬物過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤の成分又はサルファ剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと。)
  2. 光線過敏症の既往歴のある患者
  3. エリテマトーデスの患者
    エリテマトーデスにみられる白血球減少が悪化するおそれがある。
  4. グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠損症の患者
    溶血を惹起するおそれがある。

腎機能障害患者

本剤の代謝が抑制され、副作用が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

本剤の代謝が抑制され、副作用が強くあらわれるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁への移行が認められている。

小児等

低出生体重児、新生児には使用しないこと。高ビリルビン血症を起こすおそれがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
外皮用酵素製剤
ブロメライン
外皮用酵素製剤の作用を減弱させるおそれがある。
銀が酵素のSH基と結合し、酵素活性を減弱させる可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 汎血球減少(頻度不明)
  2. 皮膚壊死(頻度不明)
  3. 間質性腎炎(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、接触皮膚炎
発赤、光線過敏症
菌交代現象
耐性菌・非感性菌による化膿性感染症
血液
白血球減少
貧血、血小板減少
皮膚
疼痛

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 他剤と混合して使用しないこと。
  2. 塩化物を含む消毒液(塩化ベンザルコニウム等)が本剤に混入し、その後曝光すると変色するおそれがあるので、軟膏ベラはよく清拭して用いること。
薬剤使用時の注意
  1. 本剤を使用する場合はできる限り温水浴、シャワー等の併用により、創面の清浄化、壊死組織の除去を行うこと。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
ラットに本剤を経皮投与した実験で、諸臓器(肝、膵、腸間膜リンパ節等)への銀沈着と可逆性の軽度なアルカリフォスファターゼ上昇を認めたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

熱傷患者に本剤を14日間反復塗布(平均400g/日)したとき、銀の血中濃度は、使用開始後徐々に上昇し、90.8ng/mLに達した。一方、中止により次第に減少し、中止後14日目には、54.8ng/mLとなった。
また、スルファジアジン及びその代謝物(N4-アセチルスルファジアジン)の血中濃度は使用開始後速やかに上昇して14日目には4.7μg/mLに達し、中止後は迅速に血中から消失した。
〈銀〉
〈スルファジアジン及びその代謝物〉

代謝

ラットに35S-スルファジアジン銀を皮下投与し放射性代謝物を検討したところ、スルファジアジン部分のみ知見が得られ、解離したスルファジアジンはN4-アセチルスルファジアジン、スルファジアジン-N4-グルクロニド及びスルファジアジン-N4-スルフォン酸であった。
なお、銀部分の代謝については、明らかにできなかったが、吸収部位での体液中の蛋白、塩素イオンと結合し、AgCl、Ag-蛋白複合体を形成し、最終的にAg2Sとして存在すると推定されている。

排泄

熱傷患者に本剤を14日間反復塗布(平均400g/日)したとき、銀の尿中排泄量は使用開始後徐々に上昇し、14日目に108.2μg/日に達した。一方、中止と同時に減少しはじめ、3日後には46.3μg/日となった。
また、スルファジアジン及びその代謝物(N4-アセチルスルファジアジン)の尿中排泄量は使用開始と同時に速やかに上昇し、110.5mg/日に達し、中止後速やかに減少した。
〈銀〉
〈スルファジアジン及びその代謝物〉

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈熱傷〉
  1. 国内臨床試験
    中等度・重症熱傷患者を対象とした臨床試験の評価対象257例における有効以上の有効率は次のとおりであった,,,,,
    疾患名\有効率(%)
    有効以上
    熱傷
    中等度
    75.6( 59例/ 78例)
    重症
    69.8(125例/179例)
    71.6(184例/257例)
〈皮膚潰瘍〉
  1. 国内臨床試験(プラセボとの比較試験)
    褥瘡等各種皮膚潰瘍患者を対象として本剤又は基剤を1日1回2週間創面に塗布した二重盲検比較試験における有効以上の有効率は本剤群70.6%(24/34例)、基剤群32.4%(12/37例)であった。
    副作用は接触皮膚炎2.3%(1/43例)のみであった。
  2. 国内臨床試験(ゲンタマイシンとの比較試験)
    褥瘡等各種皮膚潰瘍患者を対象として本剤又はゲンタマイシンクリームを1日1回2週間創面に塗布した二重盲検比較試験における有効以上の有効率は本剤群71.1%(32/45例)、ゲンタマイシンクリーム群61.0%(25/41例)であった。
    副作用の発現は認められなかった。

薬効薬理

作用機序
スルファジアジン銀はSulfonamideの誘導体であるが、p-aminobenzoic acidによって競合的阻害を受けず、いわゆるサルファ剤とは異なる作用機序を有する。銀が細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発現すると考えられている,
抗菌作用
スルファジアジン銀は黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属などのグラム陽性菌、緑膿菌、エンテロバクタークロアカ、クレブシエラ属などのグラム陰性菌、カンジダ属などの真菌に対し抗菌力を示す。MICはいずれも100μg/mL以下であった(in vitro),,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
スルファジアジン銀(Sulfadiazine Silver)
化学名
Monosilver 4-amino-N-(pyrimidin-2-yl)benzenesulfonamidate
分子式
C10H9AgN4O2S
分子量
357.14
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。水、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。アンモニア試液に溶ける。光によって徐々に着色する。
化学構造式
融点
約275℃(分解).

取扱い上の注意

容器開封後は遮光保存すること。

包装

50g(チューブ)×10、100g(ボトル)、500g(ボトル)

主要文献

1
田辺三菱製薬(株): ゲーベンクリーム1%の薬物動態に関わる資料(社内資料)
2
Buckley WR, et al.: Arch Dermatol. 1965;92(6):697-705
3
小野一郎, 他: 熱傷. 1980; 5(2): 166-176
4
T-107東部研究班: 熱傷. 1980; 5(2): 177-187
5
井沢洋平, 他: 外科診療. 1981; 23(2): 254-260
6
吉岡敏治, 他: 救急医学. 1980; 4(4): 421-427
7
難波雄哉, 他: 臨床と研究. 1981; 58(1): 306-312
8
塚田貞夫, 他: 日本災害医学会会誌. 1980; 28(5): 325-330
9
由良二郎, 他: CHEMOTHERAPY. 1984; 32(4): 208-222
10
T-107中国地区研究班: 西日本皮膚科. 1984; 46(2): 582-591
11
Rosenkranz HS, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1972; 2(5): 367-372
12
Coward JE, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1973; 3(5): 621-624
13
由良二郎, 他: CHEMOTHERAPY. 1980; 28(9): 1163-1170
14
Carr HS, et al.: Antimicrob Agents Chemother. 1973; 4(5): 585-587
15
Wlodkowski TJ, et al.: Lancet. 1973; 2(7831): 739-740

文献請求先及び問い合わせ先

田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280

製造販売業者等

製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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