医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

バンコマイシン塩酸塩散0.5g「サワイ」

グリコペプチド系抗生物質製剤

1瓶 885.2円

作成又は改訂年月

**
2018年5月改訂
(第6版)
*
2014年10月改訂

日本標準商品分類番号

876113

薬効分類名

グリコペプチド系抗生物質製剤

承認等

販売名

バンコマイシン塩酸塩散0.5g「サワイ」

販売名コード

6113001B1097

承認・許可番号

22000AMX00622000
VANCOMYCIN HYDROCHLORIDE

薬価基準収載年月

2008年7月

販売開始年月

2008年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

バンコマイシン塩酸塩散0.5g「サワイ」は、1バイアル中に日局バンコマイシン塩酸塩0.5g(力価)を含有する。

組成及び性状の表

剤形性状
散剤白色の塊又は粉末
無菌製剤

一般的名称

バンコマイシン塩酸塩散

警告

本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。

禁忌

本剤の成分によるショックの既往歴のある患者

**効能又は効果に関連する使用上の注意

感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

効能又は効果/用法及び用量

感染性腸炎
<適応菌種>
バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、クロストリジウム・ディフィシル
<適応症>
感染性腸炎(偽膜性大腸炎を含む)
用時溶解し、通常、成人1回0.125〜0.5g(力価)を1日4回経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
骨髄移植時の消化管内殺菌
用時溶解し、通常、成人1回0.5g(力価)を非吸収性の抗菌剤及び抗真菌剤と併用して1日4〜6回経口投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の調節を行い、慎重に投与すること。(「慎重投与」の項参照)
本剤を感染性腸炎に投与するとき、7〜10日以内に下痢、腹痛、発熱等の症状改善の兆候が全くみられない場合は投与を中止すること。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

本剤の成分又はペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者〔難聴が発現又は増悪するおそれがある。〕
腎障害のある患者〔重度の腸管炎症のある患者では、吸収され、蓄積するおそれがあり、バンコマイシン塩酸塩の静脈内投与で報告されているものと同様な副作用が発現する危険性があるので注意すること。(「重大な副作用」の項参照)〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

偽膜性大腸炎等の腸管病変が重篤でかつ高度の腎障害患者(血液透析中等)では、本剤の経口投与により蓄積を起こす可能性があり、バンコマイシン塩酸塩の静脈内投与で報告されているものと同様な副作用が発現する危険性があるので注意すること。(「重大な副作用」の項参照)

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
コレスチラミン同時に投与すると本剤の臨床効果が減弱するおそれがあるので、数時間間隔をあけて投与すること。コレスチラミンは腸管内でバンコマイシンと結合する。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明)
ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状(血圧低下、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴り、発汗等)があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*注射用バンコマイシン塩酸塩製剤で、アナフィラキシー、急性腎障害、間質性腎炎、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎、薬剤性過敏症症候群2)、第8脳神経障害、偽膜性大腸炎、肝機能障害、黄疸があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症注)発熱、発疹、潮紅、悪寒、蕁麻疹、そう
血液好酸球増多、白血球減少、血小板減少、貧血
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
消化器下痢、悪心・嘔吐、食欲不振
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇
その他口内炎、舌炎
注)症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているが、特に腎機能障害が高度(血液透析中等)でかつ偽膜性大腸炎等の腸管病変が高度の患者では、吸収され、排泄が遅延して蓄積を起こす可能性があるので、腎機能等に注意して、慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
授乳中の婦人には、投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止すること。〔静脈内投与により、ヒト母乳中への移行が認められている。〕

適用上の注意

調製方法:本剤はバイアル入りの散剤(無菌)である。骨髄移植時の消化管内殺菌を目的とする場合は、注射器を用い5〜10mLの溶解液(注射用水等)で溶解する。
調製時:薬剤溶液そのままで服用しにくい場合には、単シロップ等で矯味してもよい。
服用時(骨髄移植時の消化管内殺菌を目的とする場合):用時溶解液は無菌のものを用い、溶解後は直ちに服用すること。また、服用にあたっては口腔内殺菌のために薬剤溶液で十分含嗽した後飲用することが望ましい。

薬効薬理

バンコマイシンはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して、in vitro及びin vivoですぐれた効果が認められている。その作用は細胞壁ペプチドグリカンの合成阻害と細胞膜の変性及びRNA合成阻害であり、殺菌的である。3)
生物学的同等性試験
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびクロストリジウム・ディフィシル(C.difficile)の臨床分離株に対する抗菌力比較試験(MIC、MBC)並びにC.difficile感染によるハムスター偽膜性大腸炎モデルに対する治療効果比較試験において、バンコマイシン塩酸塩散0.5g「サワイ」と標準製剤(散剤)の生物学的同等性が確認された。4)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
バンコマイシン塩酸塩(Vancomycin Hydrochloride)
略号
VCM
化学名
(1S,2R,18R,19R,22S,25R,28R,40S)-50-[3-Amino-2,3,6-trideoxy-3-C-methyl-α-L-lyxo-hexopyranosyl-(1→2)-β-D-glucopyranosyloxy]-22-carbamoylmethyl-5,15-dichloro-2,18,32,35,37-pentahydroxy-19-[(2R)-4-methyl-2-(methylamino)pentanoylamino]-20,23,26,42,44-pentaoxo-7,13-dioxa-21,24,27,41,43-pentaazaoctacyclo[26.14.2.23,6.214,17.18,12.129,33.010,25.034,39]pentaconta-3,5,8,10,12(50),14,16,29,31,33(49),34,36,38,45,47-pentadecaene-40-carboxylic acid monohydrochloride
分子式
C66H75Cl2N9O24・HCl
分子量
1485.71
構造式
性状
バンコマイシン塩酸塩は白色の粉末である。水に溶けやすく、ホルムアミドにやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。

取扱い上の注意

・安定性試験
バイアルに充てんしたものを用いた長期保存試験(25℃60%RH、2年間)の結果、通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。5)

承認条件

使用施設を把握すると共に施設の抽出率、施設数を考慮して以下の対策を講ずること。
適切な市販後調査(感受性調査を含む)を継続し、情報を収集すること。
収集した情報を解析し、適切な使用を確保するため医療機関に対し必要な情報提供を継続すること。
安全性定期報告に準じた報告書を年1回厚生労働省に継続して提出すること。

包装

10バイアル

主要文献及び文献請求先

**,*主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
3
第十七改正日本薬局方解説書,廣川書店,2016,C-4017.
4
沢井製薬(株)社内資料[生物学的同等性試験]
5
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999
FAX:06-6394-7355

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL