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閲覧履歴

ミノマイシン顆粒2%

1g 20円

添付文書番号

6152005D1094_3_04

企業コード

672212

作成又は改訂年月

2022年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

876152

承認等

販売名

ミノマイシン顆粒2%

販売名コード

6152005D1094

販売名英字表記

MINOMYCIN GRANULES 2%

販売名ひらがな

みのまいしんかりゅう2%

承認番号等

承認番号
22000AMX00803

販売開始年月

1974年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
ミノサイクリン塩酸塩顆粒

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ミノサイクリン塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ミノマイシン顆粒2%
有効成分
1g中
日局 ミノサイクリン塩酸塩  20mg(力価)
添加剤
精製白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、香料、黄色五号アルミニウムレーキ

製剤の性状

ミノマイシン顆粒2%
性状
オレンジの香りと甘味のある淡橙色の顆粒

効能又は効果

〈適応菌種〉
ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、炭疽菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、涙嚢炎、麦粒腫、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、感染性口内炎、猩紅熱、炭疽、つつが虫病、オウム病

効能又は効果に関連する注意

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

用法及び用量

通常、小児には体重1kgあたり、本剤0.1~0.2g(ミノサイクリン塩酸塩として2~4mg(力価))を1日量として、12あるいは24時間ごとに粉末のまま経口投与する。
なお、患者の年齢、症状などに応じて適宜増減する。
本剤は、用時水を加えてシロップ状にして用いることもできる。

用法及び用量に関連する注意

〈炭疽〉
炭疽の発症及び進展抑制には、類薬であるドキシサイクリンについて米国疾病管理センター(CDC)が、60日間の投与を推奨している。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。
  3. 自己免疫性肝炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  4. 血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  5. 急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められている。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。

高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  • 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤
本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがある。
両剤の服用間隔を2~4時間とすること。
本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害する。
抗凝血剤
ワルファリンカリウム等
血漿プロトロンビン活性を抑制することがある。
本剤による腸内細菌の減少が、ビタミンK合成を阻害し、抗凝血剤の作用を増強するほか、本剤がカルシウムイオンとキレート結合し、血漿プロトロンビン活性を抑制すると考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下薬
グリクロピラミド
グリベンクラミド
グリメピリド等
血糖降下作用が増強することがある。
機序は不明であるが、スルホニル尿素系薬剤の血糖降下作用がオキシテトラサイクリン及びドキシサイクリンによって増強されるという報告がある。
メトトレキサート
メトトレキサートの作用が増強されることがある。
本剤は血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの作用を増強させることが考えられる。
ポルフィマーナトリウム
光線過敏症を起こすおそれがある。
直射日光、集中光等を避けること。
皮膚の光感受性を高める薬剤との併用により、本剤による光線過敏症が増強されることが考えられる。
ジゴキシン
本剤がジゴキシンの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。
併用時はジゴキシンの中毒症状に注意すること。
本剤による腸内細菌の減少のため、腸内細菌によるジゴキシンの代謝が不活性化され、ジゴキシンの血中濃度が上昇すると考えられる。
黄体・卵胞ホルモン配合剤
経口避妊剤
黄体・卵胞ホルモン配合剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。
本剤による腸内細菌の減少のため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の腸肝循環による再吸収が抑制されると考えられる。
外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤
ビタミンA
レチノールパルミチン酸エステル
エトレチナート
トレチノイン
頭蓋内圧上昇があらわれることがある。
本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧上昇を起こすことがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、意識障害等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪(頻度不明)
  3. 結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎(いずれも頻度不明)
    発熱、倦怠感、体重減少、関節痛、筋肉痛、網状皮斑、しびれ等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に6ヵ月以上使用している長期投与例で結節性多発動脈炎が多く報告されている。
  4. 自己免疫性肝炎(頻度不明)
    長期投与例で、抗核抗体が陽性となる自己免疫性肝炎があらわれることがある。
  5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
    発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  6. 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
    初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
  7. 血液障害(頻度不明)
    汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、貧血があらわれることがあり、また、注射用製剤で溶血性貧血があらわれることがある。
  8. 重篤な肝機能障害(頻度不明)
    肝不全等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、特に投与初期は観察を十分に行うこと(投与開始1週間以内に出現することがある)。
  9. 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
  10. 呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明)
    発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎、PIE症候群が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  11. 膵炎(頻度不明)
  12. 精神神経障害(頻度不明)
    痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがある。
  13. 出血性腸炎、偽膜性大腸炎(いずれも頻度不明)
    出血性腸炎、偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがある。

その他の副作用

1%以上
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
発熱、蕁麻疹、浮腫(四肢、顔面)
皮膚
光線過敏症、色素沈着(皮膚・爪・粘膜)a)、急性熱性好中球性皮膚症
精神神経系
めまい感、頭痛、しびれ感
肝臓
AST、ALTの上昇等肝機能検査値異常、黄疸
消化器
悪心、食欲不振
舌炎、下痢、嘔吐、腹痛、口内炎
便秘、肛門周囲炎、味覚異常、胃腸障害、歯牙着色、舌変色
血液
好酸球増多
腎臓
BUN上昇
菌交代症
菌交代症に基づく新しい感染症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
頭蓋内圧上昇
頭蓋内圧上昇に伴う症状(嘔吐、頭痛、複視、うっ血乳頭、大泉門膨隆等)
感覚器
耳鳴、聴覚障害
その他
倦怠感、関節痛
a)長期投与における発現

過量投与

  1. 症状
    大量投与により肝障害(黄疸、脂肪肝等)があらわれることがある。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
本剤に水を加えてシロップ状に調製した場合には、直ちに服用することが望ましい。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤の投与により尿が黄褐~茶褐色、緑、青に変色したという報告がある。
  2. 本剤の投与により甲状腺が黒色になることがある。
  3. 海外において、本剤投与中の患者に甲状腺癌が発現したとの報告があるが、本剤との因果関係は確立していない。

薬物動態

血中濃度

ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%を4~11歳の小児4例に、ミノサイクリン塩酸塩として4mg/kg、空腹時単回経口投与したときの平均血中濃度は、投与3時間後に最高血中濃度2.3μg/mLを示す。また、血中濃度半減期は約10時間であり、投与12時間後の平均血中濃度は1.0μg/mLである。

排泄

ミノサイクリン塩酸塩顆粒2%を4~11歳の小児4例に、ミノサイクリン塩酸塩として4mg/kg、空腹時単回経口投与したときの尿中への排泄率は、12時間で11.2%である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

国内で実施された2,608症例における一般臨床試験の概要は以下のとおりである。
〈疾患別有効率〉
疾患名
有効率(有効以上)
例数
%
皮膚感染症
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症
293/341
85.9
リンパ管・リンパ節炎
54/73
74.0
骨髄炎
35/49
71.4
呼吸器感染症
咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染
1,385/1,716
80.7
眼科領域感染症
涙嚢炎、麦粒腫
29/33
87.9
耳鼻科領域感染症
中耳炎、副鼻腔炎
231/286
80.8
歯科・口腔外科領域感染症
化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、感染性口内炎
35/49
71.4
猩紅熱
53/60
88.3
オウム病
1/1
100
炭疽については臨床試験を実施していない。
(参考)ミノサイクリン塩酸塩錠、同カプセルのつつが虫病に対する成績
疾患名
有効率(有効以上)
例数
%
つつが虫病
14/14
100

薬効薬理

作用機序
細菌の蛋白合成系において、aminoacyl t-RNAがm-RNA・リボゾーム複合物と結合するのを妨げ、蛋白合成を阻止させることにより抗菌作用を発揮する。また、本剤は動物のリボゾームには作用せず、細菌のリボゾームの30Sサブユニットに特異的に作用することから、選択毒性を有すると報告されている。
抗菌作用
  1. ブドウ球菌属、溶血性レンサ球菌、肺炎球菌などのグラム陽性菌及び大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属などのグラム陰性菌に対して広範な抗菌作用を示す,,,in vitro)。
  2. 多剤耐性ブドウ球菌に強い抗菌力を示す(in vitro)。
    また、テトラサイクリン耐性ブドウ球菌による実験的感染症に対して、優れた治療効果が認められている(マウス)。
  3. クラミジア属(クラミジア・トラコマチス、クラミジア・シッタシ)に強い抗菌力を示す,,in vitro)。
  4. リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)に強い抗菌力を示す(in vitro)。
  5. 炭疽菌に強い抗菌力を示す(in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ミノサイクリン塩酸塩(Minocycline Hydrochloride)
化学名
(4S,4aS,5aR,12aS)-4,7-Bis(dimethylamino)-3,10,12,12a-tetrahydroxy-1,11-dioxo-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-octahydro-tetracene-2-carboxamide monohydrochloride
分子式
C23H27N3O7・HCl
分子量
493.94
性状
本品は黄色の結晶性の粉末である。
本品はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
化学構造式
略号
MINO

取扱い上の注意

  1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
  2. 使用のつど必ず密栓して保存すること。

包装

100g[瓶]

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
Matsuda S, et al.:Biol Res Pregnancy.1984;5(2):57-60
3
社内資料:副作用集計 [L70010001730]
4
中沢 進ほか:Jpn J Antibiot.1972;25(5):288-294
5
社内資料:臨床成績集計[L70010001731]
6
Weisblum B, et al.:Bact Rev.1968;32:493-528
7
小林 稔ほか:Jpn J Antibiot. 1972;25(5):283-287
8
Redin GS:Antimicrob Agents Chemother. 1966;6:371-376
9
Martell MJ, et al.:J Med Chem.1967;10(1):44-46
10
中沢 昭三ほか:Jpn J Antibiot.1969;22(6):411-416
11
島田 馨ほか:Chemotherapy. 1983;31(8):835-841
12
中沢 昭三ほか:日本薬剤師会雑誌.1969;21(11):29-35
13
Ridgway GL, et al.:Br J Vener Dis. 1978;54:103-106
14
Bowie WR, et al.:J Infect Dis. 1978;138(5):655-659
15
副島 林造ほか:臨床と研究. 1984;61(6):1755-1760
16
浦上 弘ほか:感染症学雑誌. 1988;62(11):931-937
17
西野 武志ほか:Chemotherapy. 1993;41(Suppl. 2):62-77

文献請求先及び問い合わせ先

ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053

製造販売業者等

製造販売元
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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