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ジクロフェナクナトリウムクリーム1%「ユートク」

経皮鎮痛消炎剤

1g 3.6円

添付文書番号

2649734N1038_1_07

企業コード

820010

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872649

薬効分類名

経皮鎮痛消炎剤

承認等

販売名

ジクロフェナクナトリウムクリーム1%「ユートク」

販売名コード

2649734N1038

販売名英字表記

DICLOFENAC SODIUM CREAM

販売名ひらがな

じくろふぇなくなとりうむくりーむ1%「ゆーとく」

承認番号等

承認番号
21900AMX00508000

販売開始年月

2007年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

ジクロフェナクナトリウムクリーム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等により誘発される喘息発作)又はその既往歴のある患者[重症喘息発作を誘発するおそれがある。]

組成・性状

組成

ジクロフェナクナトリウムクリーム1%「ユートク」
有効成分
1g中 日局ジクロフェナクナトリウム  10mg
添加剤
l-メントール、白色ワセリン、ミリスチン酸イソプロピル、スクワラン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ジブチルヒドロキシトルエン、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸ブチル、カルボキシビニルポリマー、pH調節剤、その他2成分

製剤の性状

ジクロフェナクナトリウムクリーム1%「ユートク」
識別コードYP-DFC
性状
白色のクリーム剤で、わずかに特異な芳香がある。

効能又は効果

下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
変形性関節症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛(筋・筋膜性腰痛症等)、外傷後の腫脹・疼痛

用法及び用量

症状により、適量を1日数回患部に塗擦する。

重要な基本的注意

  1. 消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
  2. 慢性疾患(変形性関節症等)に対し本剤を用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 気管支喘息のある患者(アスピリン喘息又はその既往歴のある患者を除く)
    アスピリン喘息ではないことを十分に確認すること。気管支喘息の患者の中にはアスピリン喘息患者も含まれている可能性があり、それらの患者では重症喘息発作を誘発するおそれがある。
  2. 皮膚感染症のある患者
    感染を伴う炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤又は抗真菌剤を併用し、観察を十分行い慎重に使用すること。皮膚の感染症を不顕性化するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。また、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ニューキノロン系抗菌剤
レボフロキサシン等
痙攣を起こすおそれがある。痙攣が発現した場合には、気道を確保し、ジアゼパムの静注等を行う。
ニューキノロン系抗菌剤が脳内の抑制性神経伝達物質であるGABAの受容体結合を濃度依存的に阻害し、ある種の非ステロイド性抗炎症剤との共存下ではその阻害作用が増強されることが動物で報告されている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)があらわれることがある。
  2. 接触皮膚炎(頻度不明)
    使用部位に発赤、紅斑、発疹、そう痒感、疼痛の皮膚症状があらわれ、腫脹、浮腫、水疱・びらん等に悪化し、さらに全身に拡大し重篤化することがある。

その他の副作用

0.1%~5%未満
0.1%未満
頻度不明
皮膚
皮膚炎、そう痒感、発赤、皮膚のあれ、刺激感
水疱、色素沈着
光線過敏症、浮腫、腫脹、皮膚剥脱
注)1%ジクロフェナクナトリウム軟膏における発現頻度

適用上の注意

薬剤使用時の注意
  1. 眼及び粘膜に使用しないこと。
  2. 表皮が欠損している場合に使用すると一時的にしみる、ヒリヒリ感を起こすことがあるので使用に際し注意すること。
  3. 密封包帯法(ODT)での使用により、全身的投与(経口剤、坐剤)と同様の副作用が発現する可能性があるので、密封包帯法で使用しないこと。

薬物動態

血中濃度

健康成人男子の腰背部に、1%ジクロフェナクナトリウム軟膏2.5g、5g、7.5gを単回及び2.5g、7.5gを反復経皮適用したときの血漿中ジクロフェナク濃度はいずれも、経口剤25mg単回投与に比べ著しく低い濃度であった。

吸収

  1. 生物学的同等性試験
    及びボルタレンゲル1%について、健康成人男子の背部皮膚に塗布したときの角層内ジクロフェナク濃度を測定した。得られた角層内ジクロフェナク濃度について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。

分布

〈変形性関節症〉
1%ジクロフェナクナトリウム軟膏について、経皮適用部直下の皮下脂肪、筋肉、滑膜中には、血漿中ジクロフェナク濃度より高濃度に検出された。

排泄

16.1の試験において、尿中排泄率はわずかであった。

特定の背景を有する患者

  1. 高齢者
    1%ジクロフェナクナトリウム軟膏について、非高齢者と同程度であり、加齢の影響は少なかった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

1%ジクロフェナクナトリウム軟膏について、二重盲検試験を含む935例の臨床試験結果より得られた適応疾患の改善率は以下のとおりであった,,,,,,,,,,,,,,,
疾患名
症例数
中等度改善以上(%)
変形性関節症
212
135(63.7)
肩関節周囲炎
135
81(60.0)
腱・腱鞘炎、腱周囲炎
127
85(66.9)
上腕骨上顆炎
106
70(66.0)
筋肉痛
205
153(74.6)
外傷後の腫脹・疼痛
150
117(78.0)
(1%ジクロフェナクナトリウム軟膏の臨床成績)

薬効薬理

作用機序
酸性非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)である。プロスタグランジン生合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制することにより、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用を現す。構成型COX(COX-1)と誘導型COX(COX-2)に対する選択性はない。
抗炎症作用
本剤はカラゲニン足浮腫抑制試験(ラット)において無処置群及び基剤群に対して有意な抗炎症作用を示した。
鎮痛作用
本剤はイースト炎症足疼痛試験(ラット)において無処置群及び基剤群に対して有意な鎮痛作用を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ジクロフェナクナトリウム(Diclofenac Sodium)
化学名
Monosodium 2-(2,6-dichlorophenylamino)phenylacetate
分子式
C14H10Cl2NNaO2
分子量
318.13
性状
白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(95)に溶けやすく、水又は酢酸(100)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
吸湿性である。
化学構造式

包装

25g×10本
50g×10本

主要文献

1
吸収、分布、代謝、排泄(ナボールゲル1%、ボルタレンゲル1%:2000年1月18日承認、申請資料概要ヘ.Ⅲ)
2
社内資料:生物学的同等性試験
3
吉田 浩ほか:臨床医薬 2000;16(4):393-405
4
臨床試験(ナボールゲル1%、ボルタレンゲル1%:2000年1月18日承認、申請資料概要ト)
5
宗広忠平ほか:臨床医薬 2000;16(4):407-417
6
真鍋 等ほか:臨床医薬 2000;16(4):419-426
7
青木虎吉ほか:臨床医薬 2000;16(4):427-443
8
青木虎吉ほか:臨床医薬 2000;16(4):445-467
9
青木虎吉ほか:臨床医薬 2000;16(4):469-488
10
青木虎吉ほか:臨床医薬 2000;16(4):489-503
11
長屋郁郎ほか:臨床医薬 2000;16(4):505-519
12
竹光義治ほか:臨床医薬 2000;16(4):521-527
13
渡辺好博ほか:臨床医薬 2000;16(4):529-538
14
小野啓郎ほか:臨床医薬 2000;16(4):539-555
15
岩崎勝郎ほか:臨床医薬 2000;16(4):557-566
16
高橋栄明ほか:臨床医薬 2000;16(4):567-576
17
山野慶樹ほか:臨床医薬 2000;16(4):577-585
18
井形高明ほか:臨床医薬 2000;16(4):587-594
19
杉岡洋一ほか:臨床医薬 2000;16(4):595-609
20
第十八改正日本薬局方解説書 廣川書店. 2021:C2173-C2178
21
社内資料:抗炎症作用
22
社内資料:鎮痛作用

文献請求先及び問い合わせ先

祐徳薬品工業株式会社 学術研修部
〒812-0039 福岡市博多区冷泉町5番32号 オーシャン博多ビル
TEL 092-271-7702
FAX 092-271-6405

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製造販売元
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