医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

オイラックスHクリーム

鎮痒・消炎剤

1g 12.7円

添付文書番号

2649800N1029_3_02

企業コード

530113

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872649

薬効分類名

鎮痒・消炎剤

承認等

販売名

オイラックスHクリーム

販売名コード

2649800N1029

販売名英字表記

Eurax H Cream

販売名ひらがな

おいらっくすえいちくりーむ

承認番号等

承認番号
21800AMX10491000

販売開始年月

1960年5月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

一般的名称

クロタミトンヒドロコルチゾン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症の患者[感染症を悪化させることがある。]
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷の患者[肉芽組織を抑制し、創傷治癒を妨げることがある。]

組成・性状

組成

オイラックスHクリーム
有効成分
1g中
クロタミトン 100mg
日本薬局方ヒドロコルチゾン 2.5mg
添加剤
ステアリルアルコール、プロピレングリコール、ワセリン、ステアリン酸ポリオキシル、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、香料、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、安息香酸ベンジル

製剤の性状

オイラックスHクリーム
性状
白色~黄白色のクリームで芳香がある

効能又は効果

湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)、皮膚そう痒症、小児ストロフルス、虫さされ、乾癬

効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常、1日1~数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の使用[特に密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること。
  2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けること。

小児等

長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害をきたすおそれがある。また、おむつは密封法と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
皮膚の感染症
せつ
(密封法(ODT)の場合起こりやすい。このような場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。)
皮膚の真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)及びウイルス感染症があらわれることがある。
(密封法(ODT)の場合起こりやすい。このような場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。)
その他の皮膚症状
魚鱗癬様皮膚変化
(長期連用によりあらわれることがある。このような場合には、徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。)
痤瘡(痤瘡様発疹、ステロイド痤瘡)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、多毛、色素脱失、皮膚線条、口囲皮膚炎
(長期連用によりあらわれることがある。このような場合には、徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。)
過敏症
皮膚の刺激感、熱感
(このような場合には使用を中止すること。なお、塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する。)
接触性皮膚炎、そう痒、発疹、湿疹、紅斑、血管浮腫
(このような場合には使用を中止すること。なお、塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する。)
下垂体・副腎皮質系機能
下垂体・副腎皮質系機能の抑制
(大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、このような抑制をきたすことがある。)
後のう白内障、緑内障
(大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。)

過量投与

  1. 症状
    過量投与によりメトヘモグロビン血症を起こすおそれがある。
  2. 処置
    メトヘモグロビン血症の症状は通常、薬剤の中止により消失するが、重症の場合はメチレンブルーの投与等、適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
本剤は金属に触れると変質することがあるので金属ベラ、金属容器の使用はできるだけ避けること。なお、ステンレス軟膏ベラを使用して小分けをすることはさしつかえない。
薬剤投与時の注意
  1. 誤飲により悪心、嘔吐、口腔・食道・胃粘膜の刺激感、下痢、意識消失、血圧低下、痙攣等の急性中毒症状、メトヘモグロビン血症があらわれるおそれがあるので、本剤を内服しないこと。誤飲した場合は一般的な処置と対症療法を行うこと。
  2. 眼あるいは眼周囲及び粘膜には使用しないこと。
  3. 本剤は皮膚疾患治療薬であるので、化粧下、ひげそり後などに使用することのないように注意すること。
薬剤投与後の注意
塗布直後、軽い熱感を生じることがあるが、通常短時間のうちに消失する。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内一般臨床試験
    全国15施設における一般臨床試験において、各種皮膚疾患1,374例に1日1~数回塗布し、80%の有効率(有効以上)が認められている。
    適応疾患別有効率
    疾患名
    評価例数
    有効以上例数
    有効率(%)
    湿疹・皮膚炎群
    1,219
    993
    81.5
    皮膚そう痒症
    13
    10
    76.9
    小児ストロフルス
    13
    11
    84.6
    虫さされ
    19
    15
    78.9
    乾癬
    3
    1
    33.3

薬効薬理

作用機序
  1. クロタミトン
    一般には、皮膚に軽い灼熱感を与え、温覚に対するこの刺激が競合的にそう痒感を消失させるといわれている,,
  2. ヒドロコルチゾン
    ヒドロコルチゾンは天然の糖質コルチコイドである。糖質コルチコイドが細胞質あるいは核内に存在する受容体に結合すると、核内に移行して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。転写が開始されて合成される代表的なタンパク質はリポコルチン-1であるが、これはホスホリパーゼA2を阻害して結果的にプロスタグランジン類、トロンボキサン類、ロイコトリエン類などの起炎物質の産生を低下させる。これら以外にも様々な作用を示すことが研究・示唆されているが、結局は起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用をあらわすと考えられる 。
抗炎症作用
ウサギの脱毛した皮膚にクロトン油皮膚炎を起こさせ、これに1日2回オイラックスHクリーム又はオイラックスクリーム10%を13日間連日貼付した実験で、オイラックスHクリーム貼付群で発赤は7日目、糜爛は10日目、痂皮は12日目に消失し、無処置群に比べて明らかな差がみられたが、オイラックスクリーム10%では特別な差はみられていない 。
鎮痒作用
軽症皮膚疾患患者の両前膊屈側中央に1,000倍塩酸ヒスタミン液を滴下し、注射針で軽く皮膚を穿刺しそう痒を起こさせた後、オイラックスHクリーム又は比較薬剤を塗布し、止痒に要する平均時間比を求めた試験で、オイラックスHクリームは1%ヒドロコルチゾン、オイラックスクリーム10%より大なる鎮痒作用が認められている 。
ヒスタミン発斑に対する抑制効果
軽症皮膚疾患患者の前膊屈側にオイラックスHクリーム又は比較薬剤を塗布後、それぞれの局所において、1,000倍塩酸ヒスタミン液による発斑試験を行った結果、オイラックスHクリームは1%ヒドロコルチゾンに比しかなり強く膨疹、紅斑を抑制することが認められている 。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 クロタミトン
一般的名称
クロタミトン(Crotamiton)
化学名
Crotonyl-N-ethyl-o-toluidine
分子式
C13H17NO
分子量
203.28
性状
無色~淡黄色澄明の液で、低温において一部又は全部が固化することがあり、わずかに特異なにおいがある。メタノール、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル、クロロホルム、シクロヘキサン又は石油エーテルと混和する。水に溶けにくい。
化学構造式
屈折率n20D
1.540~1.543
19.2 ヒドロコルチゾン
一般的名称
ヒドロコルチゾン(Hydrocortisone)
化学名
11β,17,21-Trihydroxypregn-4-ene-3,20-dione
分子式
C21H30O5
分子量
362.46
性状
白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。結晶多形が認められる。
化学構造式
融点
212~220℃(分解)

包装

チューブ:5g×20、10g×50
瓶:500g

主要文献

1
Kwoczek,J.:Hautarzt.1951;2:506-512
2
Burckhardt,W.:Praxis.1961;50(40):1048-1050
3
Burckhardt,W.:Dtsch.Med.Wochenschr.1969;94(2):86-87
4
第十八改正日本薬局方解説書.東京:廣川書店;2021.C4346-4353
5
神田嘉弘他:新薬と臨床.1960;6(6):489-492
6
神村端夫他:治療.1961;43(1):84-91

文献請求先及び問い合わせ先

日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
TEL 023-655-2131 FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

製造販売業者等

製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL