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閲覧履歴

ピシバニール注射用1KE

抗悪性腫瘍剤・リンパ管腫治療剤

1瓶 5961円

作成又は改訂年月

**
2018年6月改訂
(第13版)
*
2014年12月改訂

日本標準商品分類番号

874299

日本標準商品分類番号等

2008年10月
1989年12月
1995年1月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤・リンパ管腫治療剤

承認等

販売名

ピシバニール注射用0.2KE(溶解液付)

販売名コード

4299400D1038

承認・許可番号

21800AMX10780
PICIBANIL

薬価基準収載年月

2006年12月

販売開始年月

1975年10月

貯法・使用期限等

貯  法
10℃以下、凍結を避けて保存する。
*有効期間
包装に表示の有効期間内に使用すること
注  意
溶解後の注射液は速やかに使用すること。

規制区分

生物由来製品
劇薬
*処方箋医薬品注1)
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含有量:有効成分:1バイアル中
凍結乾燥粉末注2):0.56mg
乾燥菌体として:0.02mg(0.2KEに相当)
成分・含有量:添加物:1バイアル中
硫酸マグネシウム水和物:0.02mg
DL‐メチオニン:0.04mg
マルトース水和物:17.69mg
ベンジルペニシリンカリウム:540単位
リン酸二水素カリウム:含有
水酸化ナトリウム:含有
塩化ナトリウム:含有
懸濁用溶解液
1アンプル中:日局生理食塩液 2mL
**注2)ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末。製造工程において、培地成分としてTodd Hewitt Broth(ウシの心臓、骨格筋、骨髄、脂肪組織、結合組織及び乳、並びにブタ由来)、牛肉(ウシの骨格筋由来)、ペプトンN粉末(ウシの乳をブタのパンクレアチン(ブタ由来酵素)で処理したもの)及びスキムミルク(ウシの乳由来)を使用している。

性状

剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
性状
白色〜類白色凍結乾燥粉末又は塊
pH注3)
6.0〜7.5
浸透圧比注3)
約1
注3)添付溶解液に懸濁溶解後(浸透圧比は生理食塩液に対する比)

販売名

ピシバニール注射用0.5KE(溶解液付)

販売名コード

4299400D2034

承認・許可番号

21800AMX10781
PICIBANIL

薬価基準収載年月

2006年12月

販売開始年月

1975年10月

貯法・使用期限等

貯  法
10℃以下、凍結を避けて保存する。
*有効期間
包装に表示の有効期間内に使用すること
注  意
溶解後の注射液は速やかに使用すること。

規制区分

生物由来製品
劇薬
*処方箋医薬品注1)
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含有量:有効成分:1バイアル中
凍結乾燥粉末注2):1.4mg
乾燥菌体として:0.05mg(0.5KEに相当)
成分・含有量:添加物:1バイアル中
硫酸マグネシウム水和物:0.05mg
DL‐メチオニン:0.10mg
マルトース水和物:17.23mg
ベンジルペニシリンカリウム:1,350単位
リン酸二水素カリウム:含有
水酸化ナトリウム:含有
塩化ナトリウム:含有
懸濁用溶解液
1アンプル中:日局生理食塩液 2mL
**注2)ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末。製造工程において、培地成分としてTodd Hewitt Broth(ウシの心臓、骨格筋、骨髄、脂肪組織、結合組織及び乳、並びにブタ由来)、牛肉(ウシの骨格筋由来)、ペプトンN粉末(ウシの乳をブタのパンクレアチン(ブタ由来酵素)で処理したもの)及びスキムミルク(ウシの乳由来)を使用している。

性状

剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
性状
白色〜類白色凍結乾燥粉末又は塊
pH注3)
6.0〜7.5
浸透圧比注3)
約1
注3)添付溶解液に懸濁溶解後(浸透圧比は生理食塩液に対する比)

販売名

ピシバニール注射用1KE(溶解液付)

販売名コード

4299400D3030

承認・許可番号

21800AMX10782
PICIBANIL

薬価基準収載年月

2006年12月

販売開始年月

1975年10月

貯法・使用期限等

貯  法
10℃以下、凍結を避けて保存する。
*有効期間
包装に表示の有効期間内に使用すること
注  意
溶解後の注射液は速やかに使用すること。

規制区分

生物由来製品
劇薬
*処方箋医薬品注1)
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含有量:有効成分:1バイアル中
凍結乾燥粉末注2):2.8mg
乾燥菌体として:0.1mg(1KEに相当)
成分・含有量:添加物:1バイアル中
硫酸マグネシウム水和物:0.10mg
DL‐メチオニン:0.20mg
マルトース水和物:8.37mg
ベンジルペニシリンカリウム:2,690単位
リン酸二水素カリウム:含有
水酸化ナトリウム:含有
塩化ナトリウム:含有
懸濁用溶解液
1アンプル中:日局生理食塩液 2mL
**注2)ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末。製造工程において、培地成分としてTodd Hewitt Broth(ウシの心臓、骨格筋、骨髄、脂肪組織、結合組織及び乳、並びにブタ由来)、牛肉(ウシの骨格筋由来)、ペプトンN粉末(ウシの乳をブタのパンクレアチン(ブタ由来酵素)で処理したもの)及びスキムミルク(ウシの乳由来)を使用している。

性状

剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
性状
白色〜類白色凍結乾燥粉末又は塊
pH注3)
6.0〜7.5
浸透圧比注3)
約1
注3)添付溶解液に懸濁溶解後(浸透圧比は生理食塩液に対する比)

販売名

ピシバニール注射用5KE(溶解液付)

販売名コード

4299400D4037

承認・許可番号

21800AMX10783
PICIBANIL

薬価基準収載年月

2006年12月

販売開始年月

1975年10月

貯法・使用期限等

貯  法
10℃以下、凍結を避けて保存する。
*有効期間
包装に表示の有効期間内に使用すること
注  意
溶解後の注射液は速やかに使用すること。

規制区分

生物由来製品
劇薬
*処方箋医薬品注1)
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含有量:有効成分:1バイアル中
凍結乾燥粉末注2):14mg
乾燥菌体として:0.5mg(5KEに相当)
成分・含有量:添加物:1バイアル中
硫酸マグネシウム水和物:0.48mg
DL‐メチオニン:1.00mg
マルトース水和物:1.34mg
ベンジルペニシリンカリウム:13,470単位
リン酸二水素カリウム:含有
水酸化ナトリウム:含有
塩化ナトリウム:含有
懸濁用溶解液
1アンプル中:日局生理食塩液 2mL
**注2)ストレプトコックス・ピオゲネス(A群3型)Su株ペニシリン処理凍結乾燥粉末。製造工程において、培地成分としてTodd Hewitt Broth(ウシの心臓、骨格筋、骨髄、脂肪組織、結合組織及び乳、並びにブタ由来)、牛肉(ウシの骨格筋由来)、ペプトンN粉末(ウシの乳をブタのパンクレアチン(ブタ由来酵素)で処理したもの)及びスキムミルク(ウシの乳由来)を使用している。

性状

剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
性状
白色〜類白色凍結乾燥粉末又は塊
pH注3)
6.0〜7.5
浸透圧比注3)
約1
注3)添付溶解液に懸濁溶解後(浸透圧比は生理食塩液に対する比)

禁忌

本剤によるショックの既往歴のある患者
ベンジルペニシリンによるショックの既往歴のある患者[本剤はベンジルペニシリンを含有している。]

原則禁忌

本剤又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者[本剤はベンジルペニシリンを含有している。]

効能又は効果

効能又は効果/用法及び用量

胃癌(手術例)患者及び原発性肺癌患者における化学療法との併用による生存期間の延長
胃癌(手術例)患者及び原発性肺癌患者における化学療法との併用による生存期間の延長の場合
化学療法に併用し、各投与量(KE)を添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、筋肉内、皮下又は皮内投与する。通常、初回0.2〜0.5KEより開始し、患者の状態を観察しつつ、連日又は隔日1回の投与で2〜3週間かけて2〜5KEまで漸増する。維持量は1回2〜5KE、週1〜2回とする。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少
消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少の場合
通常、1回5〜10KEを添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、週に1〜2回漿膜腔内投与する。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌
他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌の場合
通常、1回5〜10KEを添付の生理食塩液で適宜懸濁溶解して、毎日又は数日に1回、腫瘍内又は腫瘍辺縁部に注入する。
ただし、同日内に同一患者に対し、2経路による投与は行わない。
リンパ管腫
リンパ管腫の場合
本剤の投与に際しては、生理食塩液で適宜懸濁溶解して、0.05〜0.1KE/mL濃度の懸濁溶解液を調製する。通常、吸引リンパ管腫液量と同量の懸濁溶解液を局所に注入する。1回総投与量2KEを上限として、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

患者によって本剤に対する発熱などの感受性が異なるため、「消化器癌患者及び肺癌患者における癌性胸・腹水の減少の場合」、「他剤無効の、頭頸部癌(上顎癌、喉頭癌、咽頭癌、舌癌)及び甲状腺癌の場合」についても少量投与から始め、患者の状態を観察しつつ漸増することが望ましい。

使用上の注意

慎重投与

心疾患・腎疾患のある患者[動物による毒性実験において、大量長期投与した場合に溶連菌感染症類似の所見(心障害、腎障害、アミロイドーシス等)がみられている。]
セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者

重要な基本的注意

**本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、本剤はベンジルペニシリンを含有しているので抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
休薬期間を置いた後、投与を再開する場合には少量から慎重に投与すること。
本剤は培地に増殖不能の生菌で、全菌体を生体に連続して投与する薬剤であるので、副作用等に十分注意すること。

副作用

副作用等発現状況の概要

悪性腫瘍
総症例26,027例中8,312例(31.9%)13,092件に副作用が認められた。主な副作用は、発熱6,019件(23.1%)、注射部位疼痛2,893件(11.1%)、注射部位発赤(硬結・腫脹を含む)1,198件(4.6%)、全身けん怠感848件(3.3%)、食欲不振789件(3.0%)等であった。(副作用頻度報告終了時:1982.3)
リンパ管腫
総症例352例中333例(94.6%)1,049件に副作用が認められた。主な副作用は、発熱303件(86.1%)、注射部位腫脹279件(79.3%)、注射部位発赤210件(59.7%)、CRP上昇80件(22.7%)、白血球増加64件(18.2%)、注射部位疼痛18件(5.1%)等であった。(再審査終了時:2008.10)

重大な副作用

**ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
間質性肺炎が発現又は増悪することがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
**急性腎障害
急性腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、クレアチニンの上昇、尿量の減少等が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

その他の副作用

以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行うこと。
1.過敏症注4)
頻度不明
紫斑
2.過敏症注4)
5%未満
そう痒感、発疹
3.局所反応
5%以上
腫脹注6)、発赤注7)、疼痛
4.局所反応
5%未満
硬結、熱感
5.血液
5%以上
白血球増加注8)
6.血液
5%未満
血小板増加、貧血
7.肝臓注5)
5%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al‐P上昇
8.消化器
5%未満
食欲不振、悪心・嘔吐、下痢
9.腎臓
頻度不明
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿量減少
10.腎臓
5%未満
蛋白尿
11.その他
5%以上
発熱注9)、CRP上昇注10)
12.その他
5%未満
全身けん怠、頭痛、CK(CPK)上昇、関節痛
その他の副作用の注意
注4)副作用があらわれた場合には投与を中止すること。
注5)異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注6)79.3%(リンパ管腫)
注7)59.7%(リンパ管腫)
注8)18.2%(リンパ管腫)
注9)23.1%(悪性腫瘍)、86.1%(リンパ管腫)
注10)22.7%(リンパ管腫)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

適用上の注意

調製時
懸濁用溶解液は、ワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、カットすることが望ましい。
投与時
筋肉内又は皮下投与により注射部位に疼痛、発赤、硬結をみることがある。繰り返し注射する場合には、同一部位の反復注射は避けること。
リンパ管腫への投与にあたっては下記の点に注意すること。
腫脹等の局所反応、発熱、白血球増加等の発現が高頻度のため、投与後は患者状態を十分観察すること。
投与後の腫脹により、投与部位(特に頸部)によっては気管圧迫、喘鳴の可能性があるため、投与量は必要最小限度にとどめ経過観察を十分行うこと。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
乳幼小児に適用する場合は必要最小限度にとどめること。

その他の注意

本剤の局所又は漿膜腔内への大量投与により遅発性ショック(1〜数時間後)があらわれたとの報告がある。

臨床成績

化学療法との併用による生存期間の延長
胃癌(手術例)1)
非治癒切除胃癌46例を解析対象とした無作為比較試験で、化学療法と本剤筋肉内投与(0.2KEより開始し、4週間かけて2KEまで漸増、以後2KEを週1回投与)の併用により、化学療法単独群に比較して生存期間の延長が認められた(図1)。

原発性肺癌
手術可能肺癌311例を対象とした無作為比較試験で、化学療法と本剤筋肉内投与(0.2KEより開始し2.0KEまで漸増。維持量は2.0KEを週1回)の併用により、化学療法単独群に比較し、生存期間の延長が認められた(図2)2)
また、非切除肺癌73例を解析対象とした無作為比較試験で、化学療法と本剤(筋肉内投与又は皮下投与、0.2KEより投与を開始し漸増。維持量2.0KE)の併用により、化学療法単独群に比較し、生存期間の延長が認められた3)

癌性胸・腹水の減少
消化器癌の進展、再発により腹水の貯留を来した症例134例に本剤を腹腔内投与したところ、76例(56.7%)で腹水の消失が、8例(6.0%)で腹水の減少が認められた4)
肺癌の進展により胸水の貯留を来した症例25例に本剤を単独又は化学療法と併用し胸腔内投与したところ、17例(68.0%)で胸水の消失が、6例(24.0%)で胸水の減少が認められた5)
他剤無効の頭頸部癌、甲状腺癌6)
各種頭頸部癌52例、甲状腺癌10例に対し、本剤を初回5KE、以後10KEを維持量として週2〜3回、腫瘍内及び腫瘍辺縁部に投与し有効性が認められた。
リンパ管腫7)
リンパ管腫症例に対し本剤0.5KE/10mL又は、1.0KE/10mLを20mLを上限として管腫内へ局所投与し、有効性が認められた。

臨床成績の表

表1 他剤無効の頭頸部癌、甲状腺癌
癌種 評価対象例数 奏功率
頭頸部癌 52 17.3%
甲状腺癌 10 20.0%
表2 リンパ管腫
評価時期 評価対象例数 有効率
投与2ヶ月後 53 75.5%
投与6ヶ月後 48 85.4%

薬効薬理

実験腫瘍に対する効果
自家誘発腫瘍に対する効果
マウスの自然発生腫瘍8)及びメチルコラントレン誘発腫瘍9)を用いた実験で、本剤を各々腫瘍内、筋肉内に投与することにより、腫瘍増殖の抑制効果が認められた。
同系腫瘍に対する効果
マウス10)及びラット11)の同系腫瘍を用いた実験で、本剤を腹腔内に投与し、それぞれ延命効果、腫瘍縮小効果が認められた。更にモルモット12)の同系腫瘍に本剤を腫瘍内投与し、腫瘍縮小効果が認められた。
化学療法との併用効果13)
マウスのL1210腫瘍に対し、本剤を抗悪性腫瘍剤であるフルオロウラシルと併用することにより、化学療法単独群に比較して延命効果が認められた。
作用機序
腫瘍細胞に対する作用14)
本剤は腫瘍細胞に対する直接的増殖抑制作用が認められている。
生体防御反応に対する作用
本剤の投与により好中球、マクロファージ、リンパ球数の増加(ヒト15))、好中球(ラット16))、マクロファージ(ヒト15))、NK細胞(ヒト17))の活性化及びCTL細胞の誘導(ラット18))が認められた。更にこれら細胞の増殖、活性化に関与するIL‐1、IL‐2(マウス19))、IL‐8(ヒト20))、IL‐12(マウス21))、IFN‐γ(マウス22))、TNF‐α(ヒト20)、G‐CSF(ヒト20))、GM‐CSF(ヒト20))等のサイトカインの産生が認められることから、主に本剤の投与によって賦活された種々の宿主の生体防御反応を介して、抗腫瘍効果を発現するものと考えられている。
リンパ管腫に対する作用機序23,24)
本剤をリンパ管腫の局所に投与することにより炎症反応が惹起され、続いて炎症に関わるマクロファージ等の誘導や内皮細胞の透過性亢進作用を有するTNF等のサイトカインの産生が認められ、これらによりリンパ液の排出が促進され、管腔が縮小するものと考えられる(ヒト)。

有効成分に関する理化学的知見

**性 状
白色〜類白色の凍結乾燥した粉末又は塊である。生理食塩液を加えて振り混ぜるとき白濁ないしわずかに白濁する。

包装

0.2KE:5バイアル
0.5KE:5バイアル
1KE:1バイアル
1KE:5バイアル
5KE:1バイアル
5KE:5バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
東海胃癌術後免疫化学療法共同研究班:癌と化学療法, 3(4) :715 (1976)
2
Watanabe, Y. et al.:J. Biol. Response Mod., 6(2):169 (1987)
3
能美一政, 他:広島医学, 38(4):405 (1985)
4
Torisu, M. et al.:Surgery, 93(3):357 (1983)
5
長尾啓一, 他:癌と化学療法, 6(5):1161 (1979)
6
澤木修二:耳鼻咽喉科展望, 32(S‐6):455 (1989)
7
荻田修平, 他:日本小児外科学会雑誌, 31(1):29 (1995)
8
社内資料:鈴木成生, 他:マウス自然発生乳癌に対するOK‐432の抗腫瘍効果 (1969)
9
社内資料:光井碩樹, 他:マウスにおけるメチルコラントレン発癌に及ぼすOK‐432筋肉内投与の影響 (1975)
10
石田名香雄, 他:Biotherapy, 4(2):155 (1990)
11
北川恒代:癌と化学療法, 2(6):985 (1975)
12
本庄三知夫:日本癌治療学会誌, 17(5):1284 (1982)
13
Koshimura, S. et al.:Cancer Treat. Rep., 61(1):17 (1977)
14
Okamoto, H. et al.:Jpn. J. Microbiol., 11(4):323 (1967)
15
Katano, M. et al.:Surgery, 93(3):365 (1983)
16
Watabe, S. et al.:J. Natl. Cancer Inst., 72(6):1365 (1984)
17
Uchida, A. et al.:Int. J. Cancer, 31:1 (1983)
18
Hojo, H. et al.:Gann, 72(5):692 (1981)
19
Ichimura, O. et al.:Int. J. Immunopharmacol., 7(2):263 (1985)
20
Tsuchiya, I. et al.:Cytokine, 5(6):595 (1993)
21
Fujimoto, T. et al.:J. Immunol., 158(12):5619 (1997)
22
Saito, M. et al.:Cell. Immunol., 78:379 (1983)
23
荻田修平, 他:診療と新薬, 31(11):1971 (1994)
24
土橋康成, 他:京都府立医科大学雑誌, 102(9):1055 (1993)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

**中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
0120-189706
0120-189705
https://www.chugai-pharm.co.jp/

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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