医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

エリスパン錠0.25mg

マイナートランキライザー

1錠 7.1円

添付文書番号

1124019F1030_2_05

企業コード

400093

作成又は改訂年月

2024年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871124

薬効分類名

マイナートランキライザー

承認等

販売名

エリスパン錠0.25mg

販売名コード

1124019F1030

販売名英字表記

Erispan Tablets

承認番号等

承認番号
21800AMX10838

販売開始年月

1981年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
フルジアゼパム錠

規制区分

向精神薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

フルジアゼパム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある。]

組成・性状

組成

エリスパン錠0.25mg
有効成分
1錠中日局フルジアゼパム  0.25mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、硬化油

製剤の性状

エリスパン錠0.25mg
外形
大きさ
大きさ(直径)
約6mm
大きさ(厚さ)
約2.6mm
質量約80mg
識別コード017
色・剤形
白色の素錠

効能又は効果

心身症(消化器疾患、高血圧症、心臓神経症、自律神経失調症)における身体症候並びに不安・緊張・抑うつ及び焦躁、易疲労性、睡眠障害

用法及び用量

通常、成人にはフルジアゼパムとして1日0.75mgを3回に分け経口投与する。なお、年令・症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  2. 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心障害のある患者
    症状が悪化するおそれがある。
  2. 脳に器質的障害のある患者
    作用が強くあらわれることがある。
  3. 衰弱患者
    副作用があらわれやすい。
  4. 中等度又は重篤な呼吸不全のある患者
    症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

肝機能障害患者

排泄が遅延するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  1. 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
  2. 妊娠後期の女性にベンゾジアゼピン系薬剤を投与した場合、新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
  3. 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

授乳婦

授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが、他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。

小児等

  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 乳児、幼児
    作用が強くあらわれるおそれがある。

高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用があらわれやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体 等
作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。
ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強することが考えられている。
アルコール(飲酒)
作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。
ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強することが考えられている。
モノアミン酸化酵素阻害剤
作用が増強されることがある。併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。
機序は不明である。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 依存性(頻度不明)
    連用により生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
  2. 刺激興奮、錯乱等(頻度不明)
    観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満注)
0.1%未満注)
精神神経系
眠気、めまい・ふらつき、頭痛・頭重
発揚、焦躁感、振戦、ぼんやり、起床時不快感、立ちくらみ、せん妄、物忘れ、不眠、多夢、言語障害、抜毛
肝臓
AST、ALTの上昇、黄疸
消化器
口渇、食欲不振、悪心・嘔気、腹部不快感・膨満感、便秘
下痢、軟便、流涎増加、胸やけ
過敏症
発疹
そう痒
骨格筋
疲労・倦怠・脱力感
筋弛緩
眼症状(調節障害、複視、羞明)
その他
性欲減退、排尿困難、嗄声、喉のつまり感、舌先のぴりぴり感、手のしびれ、発汗、微熱、腋窩のはれ、尿失禁、月経前緊張
注)発現頻度は使用成績調査を含む。

過量投与

  1. 処置
    本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性5例に1回0.25mgを経口投与した場合、未変化体の血清中濃度の最高値(5.8±0.4ng/mL)は、服薬1時間目にみられ、生物学的半減期は約23時間であった。

分布

ラットに14C-フルジアゼパム5mg/kgを1回経口投与した場合、14C濃度は高い方から肝、腎、血清、脳の順であった。

代謝

ヒトでの主要な代謝体は1-デスメチル体、1-デスメチル-3-ヒドロキシ体であった。

排泄

ラットに14C-フルジアゼパム2mg/kgを1回経口投与後、48時間までの排泄率は尿中13.9%、糞中69.4%で糞中排泄の比率が高かった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

二重盲検比較試験を含む臨床試験成績等の概要は次のとおりである,
〈心身症(消化器疾患、高血圧症、心臓神経症)〉
  1. 国内臨床成績
    各心身症に対する有効率は以下のとおりである。
    症例数
    有効以上
    有効率


    消化器疾患
    2043例
    1558例
    76.3%
    高血圧症
    1262例
    899例
    71.2%
    心臓神経症
    204例
    145例
    71.1%
    また二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。
〈心身症(自律神経失調症)〉
  1. 国内臨床成績
    自律神経失調症に対しては有効率76.4%(362例/474例)を示した。

薬効薬理

作用機序
情動性興奮のもととなる外来の電気的信号が大脳辺縁系に流れるのを抑制し、大脳辺縁系に存在していると考えられている情動発現中枢に対する調節を行い、抗不安作用を現すと考えられる。
抗不安作用
  1. 不安・葛藤状態寛解作用
    抗不安作用と最も相関性が高いとされている抗コンフリクト行動実験で、ジアゼパムに比し約8倍強い効力を示す(ラット)。
  2. 馴化作用
    電撃により誘発した闘争行動抑制試験で、ジアゼパムより6.5倍強い効力を示す(マウス)。
鎮静・催眠作用
  1. 自発運動抑制作用
    隔離時の自発運動量の抑制はジアゼパムに比し約1/4と弱い(マウス)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
フルジアゼパム(Fludiazepam)
化学名
7-Chloro-5-(2-fluorophenyl)-1-methyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
分子式
C16H12ClFN2O
分子量
302.73
性状
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
クロロホルムに極めて溶けやすく、メタノール、エタノール(95)、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
91~94℃

包装

(販売中止)

主要文献

1
長谷川直義ほか: 臨床と研究. 1977; 54: 2075-2085
2
大沢温臣ほか: 基礎と臨床. 1982; 16: 5313-5318
3
福島英明ほか: 日薬理誌. 1976; 72: 1033-1044
4
Asami Y., et al.: Arzneim-Forsch. 1974; 24: 1563-1568

文献請求先及び問い合わせ先

住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389

保険給付上の注意

投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされている。

製造販売業者等

製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL