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閲覧履歴

チエクール点滴用0.5g

カルバペネム系抗生物質製剤

1瓶 853円

作成又は改訂年月

2021年11月改訂
(第10版、0.25g削除)
*
2021年7月改訂

日本標準商品分類番号

876139

薬効分類名

カルバペネム系抗生物質製剤

承認等

販売名

チエクール点滴用0.5g

販売名コード

6139501D2075

承認・許可番号

21800AMZ10174000
CHIECOOL

薬価基準収載年月

2006年7月

販売開始年月

2006年8月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示

基準名

日本薬局方
注射用イミペネム・シラスタチンナトリウム

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成及び性状の表

有効成分・含量添加物剤形・性状pH浸透圧比(生理食塩液に対する比)
1バイアル中
日局イミペネム水和物 0.5g(力価)
日局シラスタチンナトリウム 0.53g
(シラスタチンとして0.5g)
炭酸水素ナトリウム白色〜淡黄白色の粉末
用時溶解して用いる注射剤
6.5〜8.0
[0.5g(力価)/100mL生理食塩液]
約1
[0.5g(力価)/100mL生理食塩液]

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
バルプロ酸ナトリウム投与中の患者〔本剤との併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある(「相互作用」の項参照)。〕

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

急性気管支炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
<適応菌種>
イミペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属
<適応症>
敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(全眼球炎を含む)

用法及び用量

通常成人にはイミペネムとして、1日0.5〜1.0g(力価)を2〜3回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。
小児には1日30〜80mg(力価)/kgを3〜4回に分割し、30分以上かけて点滴静脈内注射する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、成人で1日2g(力価)まで、小児で1日100mg(力価)/kgまで増量することができる。
注射液の調製法
本剤1バイアル当たり、通常生理食塩液100mLを用いて、よく振とうして溶解する。ただし、注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。
本剤は、乳酸塩とは化学的に不安定であるので、乳酸塩を含んだ溶液に溶解しないこと。

用法及び用量に関連する使用上の注意

腎障害患者
腎機能障害患者では腎機能に応じて用量、用法を調節し、血中蓄積による副作用発現を防ぐ必要がある。下記にその一例を示したが、本剤の場合はその体内薬物動態からみて投与量による調節が望ましい。(「重要な基本的注意」の項参照)
#1重症、難治性感染症の場合は1日2.0g(力価)まで増量することができる(12時間ごとに1.0g(力価))。
#2クレアチニンクリアランス10mL/min以下の場合は血液透析を含め慎重に考慮の上、使用すること。イミペネム及びシラスタチンはいずれも血液透析により血中より排除される。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害を有する患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。〕
てんかんの既往歴あるいは中枢神経系障害を有する患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕
肝障害のある患者〔肝障害が悪化するおそれがある。〕

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
痙攣、呼吸停止、意識障害、呼吸抑制等の中枢神経症状があらわれることがある。特に、腎障害や中枢神経障害のある患者で起こりやすいので、これらの患者に投与するにあたっては減量等を考慮すること。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム
(デパケン)
本剤との併用により、バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。機序不明

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ガンシクロビル痙攣の発現が報告されている。機序不明
ファロペネムナトリウムファロペネムナトリウムの血中濃度が上昇するおそれがある。動物実験(ラット)において、シラスタチンにより代謝酵素(DHP-I)が阻害され、ファロペネムナトリウムの血中濃度が上昇することが報告されている。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

(頻度不明)
次のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
痙攣、呼吸停止、意識障害、意識喪失、呼吸抑制、錯乱、不穏:中枢神経症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。特に、腎障害や中枢神経障害のある患者に起こりやすいので、投与する場合には注意すること。
ショック、アナフィラキシー:初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗又は呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
重篤な肝障害劇症肝炎、肝炎等の重篤な肝障害、肝不全、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
気管支痙攣、間質性肺炎、PIE症候群:喘息発作及び誘発等の気管支痙攣、また発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
汎血球減少症、骨髄抑制、無顆粒球症、溶血性貧血:重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
急性腎障害、尿崩症:重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
偽膜性大腸炎:血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血栓性静脈炎

その他の副作用

 頻度不明
過敏症発疹、そう痒、発熱、蕁麻疹、潮紅、紅斑
血液顆粒球減少、好酸球増多、好塩基球増多、リンパ球増多、血小板減少・増多、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、尿ウロビリノーゲン上昇
腎臓乏尿、血尿、BUN上昇、血清クレアチニン上昇、頻尿
消化器血中アミラーゼ上昇、舌変色、腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、食欲不振
精神神経系幻覚、譫妄、激越、ジスキネジア、しびれ感、振戦
菌交代症口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他頭痛、倦怠感、浮腫、胸痛、味覚異常、注射部位の疼痛及び硬結、血清ナトリウム低下、血清カリウム上昇・低下
上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

本剤は腎排泄型の薬剤である。生理機能が低下している高齢者では副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与し、副作用(「副作用」の項参照)があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、他の抗生物質(セフェム系、アミノグリコシド系等)を投与した高齢者において、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれたとの報告がある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
本剤投与中は授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中へ移行することがある。〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

臨床検査結果に及ぼす影響

*テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
直接クームス試験陽性を呈することがある。

適用上の注意

投与経路:本剤は点滴静脈内投与にのみ使用すること。
調製方法
本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認して使用すること。
溶解後は速やかに使用すること。なお、やむをえず保存を必要とする場合でも室温保存で4時間以内に使用すること。
本剤溶解時、溶液は無色から微黄色澄明を呈するが、色の濃淡は本剤の効力には影響しない。
寒冷期には溶解液を体温程度に温めて使用すること。

その他の注意

本剤投与患者において、イミペネムが分解され、尿が赤褐色を呈することがある。
*イミペネムをウサギに100mg/kg以上及びサルに180mg/kg1回静脈内投与すると、BUN、クレアチニンの上昇及び腎近位尿細管上皮細胞の壊死を主症状とする腎障害が認められた。しかしこの腎障害はシラスタチンを同量配合することにより完全に消失した2)。一方、ラットではイミペネムを1,000mg/kg1回静脈内投与しても腎毒性は発現しなかった。
*妊娠ザルに、臨床最大推奨用量と同程度(体表面積換算値)のイミペネム・シラスタチンを器官形成期に静脈内投与した結果、催奇形性は認められなかったが、胚損失が増加したとの報告がある。

薬効薬理

イミペネムは、グラム陽性・陰性の好気性菌、嫌気性菌に抗菌力を示し、β-ラクタマーゼに安定である。その作用機序は細菌細胞壁のペプチドグリカンの特異的合成阻害であり、殺菌的に作用する。
シラスタチンナトリウムは腎臓におけるdehydropeptidase-I(DHP-I)によるイミペネムの代謝・不活化を抑制する。

有効成分に関する理化学的知見

イミペネム水和物/シラスタチンナトリウム

略号
IPM/CS
イミペネム水和物

一般名
イミペネム水和物(Imipenem Hydrate)
化学名
(5R,6S)-3-[2-(Formimidoylamino)ethylsulfanyl]-6-[(1R)-1-hydroxyethyl]-7-oxo-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic acid monohydrate
分子式
C12H17N3O4S・H2O
分子量
317.36
構造式
性状
イミペネム水和物は白色〜淡黄色の結晶性の粉末である。水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
シラスタチンナトリウム

一般名
シラスタチンナトリウム(Cilastatin Sodium)
化学名
Monosodium (2Z)-7-{[(2R)-2-amino-2-carboxyethyl]sulfanyl}-2-({[(1S)-2,2-dimethylcyclopropyl]carbonyl}amino)hept-2-enoate
分子式
C16H25N2NaO5S
分子量
380.43
構造式
性状
シラスタチンナトリウムは白色〜微帯黄白色の粉末である。水に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。吸湿性である。

取扱い上の注意

・安定性試験
バイアルに充てんしたものを用いた長期保存試験(25℃60%RH、2年間)の結果、通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。3)

包装

10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
*臼居敏仁他,Chemotherapy,33(S4),217(1985).
3
沢井製薬(株)社内資料[安定性試験]

文献請求先

〔主要文献(社内資料を含む)は下記にご請求下さい〕

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999
FAX:06-6394-7355

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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