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フランドル錠20mg

虚血性心疾患治療剤〈持効錠〉

1錠 11円

添付文書番号

2171011G1123_1_09

企業コード

480008

作成又は改訂年月

2023年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872171

薬効分類名

虚血性心疾患治療剤〈持効錠〉

承認等

販売名

フランドル錠20mg

販売名コード

2171011G1123

販売名英字表記

Frandol Tablets 20mg

販売名ひらがな

ふらんどるじょう20mg

承認番号等

承認番号
21600AMZ00111000

販売開始年月

1981年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

硝酸イソソルビド徐放錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者
    [血管拡張作用により更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]
  2. 閉塞隅角緑内障の患者
    [眼圧を上昇させるおそれがある。]
  3. 頭部外傷又は脳出血のある患者
    [頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
  4. 高度な貧血のある患者
    [血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
  5. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  6. ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者

組成・性状

組成

フランドル錠20mg
有効成分
(1錠中)
硝酸イソソルビド  20mg
添加剤
乳糖水和物
バレイショデンプン
結晶セルロース
タルク
カルナウバロウ
ステアリン酸マグネシウム
軽質無水ケイ酸
ヒドロキシプロピルセルロース
硬化油
エチルセルロース

製剤の性状

フランドル錠20mg
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.0mm
大きさ(厚さ)
3.5mm
質量190mg
識別コード
611
色・剤形
白色にうすい灰色ないし淡黄色の不定形のはん点がある徐放錠である(はん点は効果を持続性にするための特殊加工によるものである)。

効能又は効果

狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)、その他の虚血性心疾患

効能又は効果に関連する注意

本剤は狭心症の発作寛解を目的とした治療には不適であるので、この目的のためには速効性の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用すること。

用法及び用量

通常、成人に対し、1回1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を1日2回経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
本剤はかまずに服用すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与に際しては、症状及び経過を十分に観察し、狭心症発作が増悪するなど効果が認められない場合には他の療法に切りかえること。
  2. 硝酸・亜硝酸エステル系薬剤を使用中の患者で、急に投与を中止したとき症状が悪化した症例が報告されているので、休薬を要する場合には他剤との併用下で徐々に投与量を減じること。
    また、患者に医師の指示なしに使用を中止しないよう注意すること。
  3. 過度の血圧低下が起こった場合には、本剤の投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
  4. 起立性低血圧を起こすことがあるので注意すること。
  5. 本剤の投与開始時には、他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤と同様に血管拡張作用による頭痛等の副作用を起こすことがある。このような場合には鎮痛剤を投与するか、減量又は投与中止するなど適切な処置を行うこと。
    また、これらの副作用のために注意力、集中力、反射運動能力等の低下が起こることがあるので、このような場合には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 低血圧の患者(重篤な低血圧のある患者を除く)
    血管拡張作用により更に血圧を低下させるおそれがある。
  2. 原発性肺高血圧症の患者
    心拍出量が低下しショックを起こすおそれがある。
  3. 肥大型閉塞性心筋症の患者
    心室内圧較差の増強をもたらし、症状を悪化させるおそれがある。

肝機能障害患者

減量するなどして使用すること。高い血中濃度が持続するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

高い血中濃度が持続するおそれがある。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、一般に肝機能が低下していることが多い。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。
本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意(併用に注意すること)

指示文
下記の薬剤等との相互作用により、過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、下肢の挙上あるいは昇圧剤の投与等、適切な処置を行うこと。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール摂取
血圧低下等が増強されるおそれがある。
血管拡張作用が増強される。
利尿剤
血圧低下等が増強されるおそれがある。
血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
頭痛、血圧低下等の副作用が増強されるおそれがある。
血管拡張作用が増強される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満注)
0.1%未満注)
頻度不明
循環器
めまい・ふらつき、熱感、潮紅、動悸
血圧低下、浮腫
精神神経系
頭痛、頭重
耳鳴、全身倦怠感
脱力感、不快感
過敏症
発疹
消化器
悪心・嘔吐、胃部不快感、上腹部痛
食欲不振
肝臓
AST、ALTの上昇等
注)発現頻度は使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
薬剤服用時の注意
本剤をかみくだいて服用すると、一過性の血中濃度の上昇に伴って頭痛が発生しやすくなるので、本剤はかまずに服用すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤使用中に本剤又は他の硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し、耐薬性を生じ、作用が減弱することがある。
    なお、類似化合物(ニトログリセリン)の経皮吸収型製剤での労作狭心症に対するコントロールされた外国の臨床試験成績によると、休薬時間を置くことにより、耐薬性が軽減できたとの報告がある。
  2. 硝酸イソソルビド製剤の投与によって、メトヘモグロビン血症があらわれたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男子(6例)に本剤1錠(硝酸イソソルビドとして20mg)を経口投与したとき、血漿中硝酸イソソルビド濃度は投与後3時間でピーク(3.2±1.5ng/mL)に達し、以後漸次減少するが、投与12時間後においても日本薬局方・硝酸イソソルビド錠(5mg)経口投与2時間後の血漿中濃度に相当する値(0.9±0.1ng/mL)を示した。
    健康成人男子に本剤(20mg)又は日本薬局方・硝酸イソソルビド錠(5mg)を経口投与したときの血漿中硝酸イソソルビド濃度推移(平均値±標準誤差、n=6)

排泄

健康成人男子(4例)に本剤20mgを経口投与したとき、未変化体の硝酸イソソルビドは尿中にわずかに認められたにすぎず、代謝物であるisosorbide-5-mononitrate及びisosorbide-2-mononitrateが投与後72時間までの尿に投与量の約10%排泄され、その大部分はグルクロン酸抱合体であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

本剤は狭心症、心筋梗塞(急性期を除く)及びその他の虚血性心疾患に対してその有用性が確認されている,
疾患名
中等度改善以上
狭心症
67.4%(180/267)
心筋梗塞(急性期を除く)注)
72.2%(52/72)
その他の虚血性心疾患
63.6%(7/11)
注)心筋梗塞(急性期を除く)は狭心症に合併する症例
また、狭心症に対する二重盲検比較試験によって本剤の有用性が認められている。

薬効薬理

作用機序
硝酸イソソルビドは主に末梢の容量血管を拡張して前負荷を減少させるとともに、冠動脈に対しては拡張作用と攣縮解除作用を有し、心筋酸素需給のアンバランスを改善することにより心機能の改善をもたらす。
運動耐容能の増加作用
本剤は労作狭心症患者の運動負荷試験において、投与7時間後にも投与前に比較して有意な運動耐容能の増加を示した。また、これは血漿中硝酸イソソルビド濃度の推移とよく対応した。
血行動態に及ぼす作用
広範心筋梗塞あるいは重症狭心症患者の左室拡張終期圧は、本剤の投与6時間後においても非投与群に比較して有意に低下した。
脈圧に及ぼす作用
本剤の脈圧減少作用は、日本薬局方・硝酸イソソルビド錠に比較して持続性であり、投与10時間後においても有意な作用を示した(無麻酔イヌ)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
硝酸イソソルビド(Isosorbide Dinitrate)
化学名
1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
分子式
C6H8N2O8
分子量
236.14
性状
硝酸イソソルビドは白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
化学構造式

包装

100錠[PTP(10錠×10)]
1,000錠[PTP(10錠×100)]
1,000錠[バラ、乾燥剤入り]

主要文献

1
Demots H,et al.:J Am Coll Cardiol.1989;13(4):786-793
2
加藤隆一ほか:臨床薬理.1979;10(4):509-523
3
池田正男ほか:Geriat Med.1980;18(12):1726-1738
4
荒川規矩男ほか:臨牀と研究.1981;58(2):533-539
5
池田正男ほか:心臓.1982;14(5):615-624
6
斎藤宗靖ほか:心臓.1980;12(7):717-724
7
古城健太郎ほか:日本薬理学雑誌.1980;76(2):99-107

文献請求先及び問い合わせ先

トーアエイヨー株式会社 信頼性保証部
〒330-0834 さいたま市大宮区天沼町2-293-3
電話 0120-387-999

製造販売業者等

製造販売元
トーアエイヨー株式会社
福島県福島市飯坂町湯野字田中1番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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