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マイトマイシン注用10mg

抗悪性腫瘍剤

1瓶 1464円

添付文書番号

4231400D2038_1_15

企業コード

230124

作成又は改訂年月

2023年9月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

874231

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名

マイトマイシン注用10mg

販売名コード

4231400D2038

販売名英字表記

Mitomycin Injection 10mg

承認番号等

承認番号
21500AMZ00022

販売開始年月

1990年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
24箇月

基準名

日本薬局方
注射用マイトマイシンC

規制区分

毒薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

マイトマイシンC

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

マイトマイシン注用10mg
有効成分
1瓶中
日局マイトマイシンC  10mg(力価)
添加剤
日局D-マンニトール 20mg

製剤の性状

マイトマイシン注用10mg
外観
青紫色~灰色の塊又は粉末
(凍結乾燥製剤)
規格pH域
5.5~8.5
浸透圧比
約1
(生理食塩液25mLに溶解)

効能又は効果

下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解
慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、胃癌、結腸・直腸癌、肺癌、膵癌、肝癌、子宮頸癌、子宮体癌、乳癌、頭頸部腫瘍

用法及び用量

1)間歇投与法
マイトマイシンCとして、通常成人1日4~6mg(力価)を週1~2回静脈内に注射する。
2)連日投与法
マイトマイシンCとして、通常成人1日2mg(力価)を連日静脈内に注射する。
3)大量間歇投与法
マイトマイシンCとして、通常成人1日10~30mg(力価)を1~3週間以上の間隔で静脈内に注射する。
4)他の抗悪性腫瘍剤との併用
マイトマイシンCとして、通常成人1日2~4mg(力価)を週1~2回他の抗悪性腫瘍剤と併用して静脈内に注射する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

(注射液の調製法)
マイトマイシンC2mg(力価)当り、5mLの割合に日局生理食塩液を加えて溶解する。

重要な基本的注意

  1. 骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
  2. 感染症、出血傾向の発現又は悪化に十分注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 骨髄機能抑制のある患者
    骨髄機能をより強く抑制するおそれがある。
  2. 感染症を合併している患者
    骨髄機能抑制により感染症が悪化するおそれがある。
  3. 水痘患者
    致命的な全身障害があらわれるおそれがある。

腎機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

副作用が強くあらわれるおそれがある。

生殖能を有する者

小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(マウス)で発育抑制、口蓋裂、矮小尾、小顎症、欠趾症等の催奇形作用が認められている。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。

小児等

副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、特に骨髄機能抑制があらわれやすく遷延化するおそれがあり、また腎障害があらわれやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。また、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発現することがある。
副作用が相互に増強される。
放射線照射
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
副作用が相互に増強される。
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
ビンデシン硫酸塩等
息切れ及び気管支痙攣が起こることがある。
作用機序は不明。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 溶血性尿毒症症候群、微小血管症性溶血性貧血(いずれも頻度不明)
    破砕赤血球を伴う貧血・血小板減少・腎機能低下等の症状が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  2. 重篤な腎障害(頻度不明)
    急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、BUN、クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等の異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
  3. 骨髄機能抑制(頻度不明)
    汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、出血、貧血等の骨髄機能抑制があらわれることがある。
  4. 間質性肺炎、肺線維症等(いずれも頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺線維症等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  5. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    そう痒感、発疹、顔面潮紅、発汗、呼吸困難、血圧低下等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
腎臓
蛋白尿
血尿、浮腫、高血圧
肝臓
肝障害
消化器
食欲不振、悪心・嘔吐
口内炎
下痢、便秘、腹部不快感
過敏症
発疹
その他
倦怠感
脱毛
発熱
注)発現頻度は再評価時の文献調査及び承認投与経路以外の報告を含む。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
pHの低い溶解液を使用する場合には力価の低下を来すおそれがあるので、溶解後速やかに使用することが望ましい。また、pHの低い注射剤との配合は避けることが望ましい。
薬剤投与時の注意
  1. 血管痛、静脈炎、血栓を起こすおそれがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
  2. 薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結、壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう慎重に投与すること。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
マウスに皮下投与した実験及びラットに腹腔内、静脈内投与した実験で各種の腫瘍が発生したとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    癌患者にマイトマイシンC(MMC)2~30mg/bodyを静脈内投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
    静脈内投与したときの血中濃度推移
    静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
    投与量
    AUC0-∞
    (μg/mL・min)
    半減期(min)
    t1/2α
    t1/2β
    10mg/body
    10.0
    1.3
    32.9
    20mg/body
    42.8
    4.7
    41.2
    30mg/body
    98.9
    6.2
    50.2
    (参考:米国での試験成績)
    投与量
    (mg/m2
    n
    CL(mL/min/m2
    V1
    (L/m2
    V2
    (L/m2
    6~8
    9
    314.7
    9.0
    23.0
    10~12
    9
    320.8
    9.6
    32.2
    15~20
    12
    355.6
    10.1
    23.6

分布

  1. 体組織への分布
    担癌マウスにMMC 8mg/kgを静脈内投与したとき、5分後の主要組織への分布は肺>皮膚>腎臓>筋肉>心臓>小腸>脾臓>腫瘍>胃>肝臓の順であった。
  2. 血漿蛋白結合率
    血漿蛋白結合率は以下のとおりであった(in vitro、平衡透析法)。
    添加濃度(μg/mL)
    0.1
    1.0
    10.0
    血漿蛋白結合率(%)
    12.8
    9.4
    8.4

代謝

主として肝臓で代謝され、還元型(OH体)を経て活性化、若しくは不活性化されると推定されている(in vitro)。

排泄

癌患者にMMC10~30mg/bodyを静脈内投与後4時間までに尿中へ排泄された未変化体は4.3~8.8%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    国内49施設で行われた臨床成績の概要は次のとおりである。
    効果判定可能症例は2,680例で、有効率は39.1%(1,049/2,680例)であった(Karnofskyの効果判定基準で1-A以上、癌治療学会効果判定基準で軽快、及びそれに準ずる症例を有効と算定した),,
    (医薬品再評価資料,1982年)
    本剤単独使用例の有効率は39.4%(488/1,239例)で、癌種別には下表のとおりである。
    疾患名
    有効率(有効例/症例)
    胃癌
    29.7%(131/441)
    結腸・直腸癌
    34.4%(11/32)
    肺癌
    36.7%(87/237)
    肝癌
    29.4%(5/17)
    子宮癌
    67.2%(90/134)
    乳癌
    50.0%(18/36)
    頭頸部腫瘍
    40.0%(8/20)
    慢性白血病
    95.0%(19/20)
    また、他治療との併用例の有効率は38.9%(561/1,441例)であった。

    注)動脈内投与例及び膀胱内注入等の局所注入例を含む。なお、静脈内投与例での有効率は35.8%(867/2,419例)であった。

薬効薬理

作用機序
腫瘍細胞のDNAと結合し、二重鎖DNAへの架橋形成を介してDNAの複製を阻害し抗腫瘍効果を示すと考えられている。なお、DNA合成前期(G1)後半からDNA合成期(S)前半の細胞は本剤に高い感受性を示すことが確認されている,
抗腫瘍性
マウス、ラット移植癌にMMC1~2mg/kgを腹腔内投与して検討した実験で、MMCは広い抗癌スペクトラムを示し、Ehrlich carcinoma、Sarcoma 180、Leukemia P388、吉田肉腫等に対して強い抗腫瘍効果を発揮した,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
マイトマイシンC(Mitomycin C)
化学名
(1aS,8S,8aR,8bS)-6-Amino-4,7-dioxo-8a-methoxy-5-methyl-1,1a,2,8,8a,8b-hexahydroazirino[2',3':3,4]pyrrolo[1,2-α]indol-8-ylmethyl carbamate
分子式
C15H18N4O5
分子量
334.33
性状
青紫色の結晶又は結晶性の粉末である。
化学構造式
分配係数
logP′OCT=-0.53
(測定法:フラスコシェイキング法 n-オクタノール/pH7.4緩衝溶液)
溶解性
N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
安定性
結晶の状態では常温で安定である。
水溶液の状態ではpHによる影響を受けやすく、pH8.0では安定であるが、pH7.0以下ではpH値が低くなるにつれて、その安定性が低下する。

包装

10瓶

主要文献

1
藤田浩:癌と化学療法. 1982;9:1362-1373
2
van Hazel GA, et al.:Cancer Treat Rep. 1983;67:805-810
3
Szybalski W, et al.:Fed Proc. 1964;23:946-957
4
藤田浩ほか:癌の臨床. 1966;S1;80-85
5
武正勇造ほか:診断と治療. 1969;57:1832-1840
6
坂部孝ほか:日大医誌. 1970;29:352-366
7
古江尚ほか:癌の臨床. 1970;16:896-909
8
Iyer VN, et al.:Proc Natl Acad Sci. 1963;50:355-362
9
Ohara H, et al.:GANN. 1972;63:317-327
10
Sugiura K.:Cancer Res. 1959;19:438-445
11
Kanamori H, et al.:J Antibiot. 1957;10:120-127

文献請求先及び問い合わせ先

協和キリン株式会社 くすり相談窓口
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2
電話 0120-850-150
受付時間 9:00~17:30(土・日・祝日及び弊社休日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
協和キリン株式会社
東京都千代田区大手町1-9-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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