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閲覧履歴

エブトール250mg錠

エタンブトール製剤

1錠 23.4円

添付文書番号

6225001F1036_1_19

企業コード

200022

作成又は改訂年月

2023年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

876225

薬効分類名

エタンブトール製剤

承認等

販売名

エブトール125mg錠

販売名コード

6225001F1036

販売名英字表記

EBUTOL Tablets

販売名ひらがな

えぶとーる125みりぐらむじょう

承認番号等

承認番号
14100AZZ05543

販売開始年月

1967年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

エブトール250mg錠

販売名コード

6225001F2032

販売名英字表記

EBUTOL Tablets

販売名ひらがな

えぶとーる250みりぐらむじょう

承認番号等

承認番号
14100AZZ06845

販売開始年月

1967年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エタンブトール塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

エブトール125mg錠
有効成分
1錠中
日局エタンブトール塩酸塩  125mg
添加剤
結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄
エブトール250mg錠
有効成分
1錠中
日局エタンブトール塩酸塩  250mg
添加剤
結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄

製剤の性状

エブトール125mg錠
剤形フィルムコーティング錠
色調淡黄色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.2mm
大きさ(厚さ)
4.6mm
質量0.195g
識別コードKC12
エブトール250mg錠
剤形フィルムコーティング錠
色調淡黄色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
10.2mm
大きさ(厚さ)
6.1mm
質量0.387g
識別コードKC11

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のマイコバクテリウム属
〈適応症〉
肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症

用法及び用量

〈肺結核及びその他の結核症〉
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として1日量0.75~1gを1~2回に分けて経口投与する。
年齢、体重により適宜減量する。
なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。
〈MAC症を含む非結核性抗酸菌症〉
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として0.5~0.75gを1日1回経口投与する。
年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。

用法及び用量に関連する注意

〈肺結核及びその他の結核症〉
  1. 本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。
    体重
    1日投与量
    投与方法
    mg
    250mg錠のみを用いる場合
    250mg錠と125mg錠を用いる場合
    125mg錠のみを用いる場合
    250mg錠
    125mg錠
    60kg以上
    1,000
    4錠
    8錠
    1日1回朝食後経口投与、あるいは朝夕2回に分けて経口投与する。
    50kg以上
    875
    3錠
    1錠
    7錠
    40kg以上
    750
    3錠
    6錠
    35kg以上
    625
    2錠
    1錠
    5錠
    30kg以上
    500
    2錠
    4錠
    注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩15~20mg/kgの範囲内で算出している。
〈MAC症を含む非結核性抗酸菌症〉
  1. 投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン,,等、最新の情報を参考にし、投与すること。
  2. 本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。
    体重
    1日投与量
    投与方法
    mg
    250mg錠のみを用いる場合
    250mg錠と125mg錠を用いる場合
    125mg錠のみを用いる場合
    250mg錠
    125mg錠
    50kg以上
    750
    3錠
    6錠
    1日1回朝食後に経口投与する。
    40kg以上
    625
    2錠
    1錠
    5錠
    30kg以上
    500
    2錠
    4錠
    注)体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩約15mg/kgで算出している。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 視力障害があらわれることがあるので、視力検査等を定期的に行い、投与すること。
  2. 本剤の投与にあたっては、視力障害について患者に十分に説明すること。投与中は常に患者の観察、服薬指導を十分に行うこと。
  3. 重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
  4. 血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。
〈肺結核及びその他の結核症〉
  1. 耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. 本剤を含む抗結核薬による治療で、薬剤逆説反応を認めることがある。治療開始後に、既存の結核の悪化又は結核症状の新規発現を認めた場合は、薬剤感受性試験等に基づき投与継続の可否を判断すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 視神経炎のある患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害が増強されるおそれがある。
  2. 糖尿病患者、アルコール中毒患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。既に視神経障害を起こしている場合があり、症状が増悪するおそれがある。

腎機能障害患者

蓄積を起こすことが報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 乳・幼児
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。視力障害の早期発見が極めて困難である。

高齢者

  1. 少量から投与を開始するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。
  2. 定期的に視力検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。視力障害があらわれやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
視力障害が増強されるおそれがある。
機序は不明であるが、動物実験(ラット)において、併用した場合に本剤の視力障害を増強したとの報告がある。
他の抗結核薬
イソニアジド
リファンピシン等
重篤な肝障害があらわれることがある。
機序は不明である。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 視力障害(頻度不明)
    視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
  2. 重篤な肝障害(頻度不明)
    劇症肝炎等の重篤な肝障害があらわれることがある。
  3. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)
  6. 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用

頻度不明
中枢・末梢神経系
四肢のしびれ感
精神神経系
幻覚、不安、不眠
過敏症
発熱、発疹、そう痒
血液
白血球減少、好中球減少、好酸球増多
肝臓
一過性のAST、ALTの上昇
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛
その他
頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
本剤による視力障害は主として視神経炎によるとされており、初期症状として霧視、注視している対象物が何となく見えにくい、黒ずんで見える、色調が変わって見えるなどの訴えが多い。
一般に視力障害は早期に発見し、速やかに投与を中止すれば比較的短期間のうちに回復するとされているが、発見の遅れた重症の視力障害例では回復の遷延化、又は未回復も報告されている,
本剤による視力障害例を追跡調査した報告では、高齢者で体重当たりの投与量の多い患者、腎機能の低下した患者や糖尿病患者において、副作用が発現しやすい傾向にあるとされている,,

薬物動態

血中濃度

エタンブトール塩酸塩500mgを健康成人男子12例に空腹時単回経口投与した結果、最高血中濃度(Cmax)は1.7μg/mL(血漿中)、最高血中濃度到達時間(Tmax)は2.8時間であった。

分布

エタンブトール塩酸塩は血漿タンパクとはほとんど結合しない(in vitro)。
250mg経口投与後、血球内濃度は血清内濃度に比して高値を示した(肺結核患者)。
500mg経口投与後、肺組織中濃度は血清中濃度に比して同等ないしは高値を示した(肺結核患者)。
25mg/kg経口投与後、喀痰中に高濃度のエタンブトール塩酸塩が認められた(肺結核患者)。

排泄

14C-エタンブトール塩酸塩25mg/kg経口投与後の尿中累積排泄率は、24時間後54~61%、48時間後60~67%であった。糞中には48時間後までに12~19%が排泄された。尿中代謝物の大部分が未変化体で、一部は酸化物であるアルデヒド体並びに酸であった(肺結核患者、外国人データ)。
注)本剤の承認最大用量は1日1gである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    初回治療例及び再治療例に対しても他の抗結核剤との併用により喀痰中結核菌の陰性化及び胸部レ線像の改善がみられた,

薬効薬理

作用機序
詳細は不明なままであるが、ミコール酸の細胞壁への取込みを阻害するという報告がある。
抗結核作用
結核菌に対して強い抗菌力を示し、人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5~5μg/mLで発育を阻止する。
交叉耐性
イソニアジド、ストレプトマイシン等の他の抗結核薬との間に交叉耐性はない。
核酸合成阻害
結核菌の核酸合成を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エタンブトール塩酸塩(Ethambutol Hydrochloride)
化学名
(2S,2’S)-2,2’-(Ethylenediimino)bis(butan-1-ol)dihydrochloride
分子式
C10H24N2O2・2HCl
分子量
277.23
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
エタンブトール塩酸塩1.0gを水20mLに溶かした液のpHは3.4~4.0である。
化学構造式
融点
200~204℃
旋光度[α]20D
+5.5~+6.1°(乾燥後、5g、水、50mL、200mm)

包装

〈エブトール125mg錠〉
100錠[10錠(PTP)×10]
〈エブトール250mg錠〉
100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]
500錠[プラスチック容器、バラ]

主要文献

1
日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会:結核.2008;83:731-733
2
日本結核病学会非定型抗酸菌症対策委員会:結核.1998;73:599-605
3
Griffith, D.E.et al.:Am.J.Respir.Crit.Care.Med.2007;175:367-416
4
Snider, D.E.et al.:Arch.Intern.Med.1984;144:589-590
5
鈴木みち子 他:日本眼科紀要.1976;27:111-115
6
大鳥利文:日本医師会雑誌.1980;83:571-576
7
栃久保哲男 他:眼科臨床医報.1981;75:799-807
8
吉澤久雄 他:結核.1972;47:121-127
9
矢野啓子 他:眼科臨床医報.1981;75:558-561
10
社内資料:Cross-over法による変更前製剤と変更後製剤とのBioavailabilityに関する検討
11
青柳昭雄:結核.1977;52:459-468
12
馬場治賢 他:日本胸部臨床.1964;23:862-872
13
副島林造:結核.1965;40:403-405
14
Peets, E.A.et al.:Amer.Rev.Resp.Dis.1965;91:51-58
15
国療化研第8次A研究:Tubercle.1966;47:349-360
16
国療化研第13次B研究:結核.1972;47:139-144
17
第十七改正日本薬局方解説書
18
山本和男 他:日本胸部臨床.1963;22:797-804
19
森山英五郎:結核.1964;39:155-161
20
Gale, G.R.et al.:J.Bact.1963;86:749-756

文献請求先及び問い合わせ先

科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込二丁目28番8号
フリーダイヤル 0120-519-874

製造販売業者等

製造販売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込二丁目28番8号

(参考情報)

-眼障害予防の具体的方法-
本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発見に努めること。なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。
1.本剤の投与に際しては、次の点を患者に十分徹底すること。
1)本剤の投与により、ときに視力障害があらわれること。
2)この視力障害は、早期に発見し、投与を中止すれば可逆的であること。
3)この視力障害は、新聞を片眼ずつ一定の距離で毎朝読むことによって、早期に発見できること。
4)視力の異常に気づいたときは、直ちに主治医に申し出ること。
2.本剤の投与開始前に、あらかじめ少なくとも視力検査及び外眼検査を実施すること。
開始前の検査で白内障、視神経炎等の異常が認められた場合には、適当な処置を講じてから、本剤を投与すること。投与中は定期的に眼の検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、精密な検査を行うこと。
なお、簡便な眼の検査としては、次のような方法がある。
1)視力検査表による検査
2)指を用いる視野狭窄検査
3)中心暗点計による検査
4)眼底検査
5)色覚検査表による検査
3.本剤を高齢者に投与する場合には、視力検査を特に慎重に行うこと。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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