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ローガン錠10mg

血行動態改善型降圧剤

1錠 20.4円

添付文書番号

2149018F1021_2_04

企業コード

171911

作成又は改訂年月

2023年5月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

血行動態改善型降圧剤

承認等

販売名

ローガン錠10mg

販売名コード

2149018F1021

販売名英字表記

Lowgan Tablets 10mg

販売名ひらがな

ろーがんじょう10mg

承認番号等

承認番号
16300AMZ00510

販売開始年月

1988年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
アモスラロール塩酸塩錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アモスラロール塩酸塩錠Amosulalol Hydrochloride

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 心原性ショックのある患者[心臓のポンプ機能が低下するおそれがある。]
  2. 高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロックのある患者[陽性変時作用、陽性変伝導作用を抑制するおそれがある。]
  3. うっ血性心不全のある患者[心臓のポンプ機能が低下するおそれがある。]
  4. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
  5. 肺高血圧による右心不全のある患者[心臓のポンプ機能低下により、症状が悪化するおそれがある。]
  6. 気管支喘息、気管支痙攣のおそれのある患者[喘息症状の誘発及び悪化を招くおそれがある。]
  7. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

ローガン錠10mg
有効成分
日局
アモスラロール塩酸塩  10mg(1錠中)
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、カルナウバロウ

製剤の性状

ローガン錠10mg
剤形フィルムコーティング錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
7.1mm
大きさ(厚さ)
3.1mm
質量0.12g
識別コード005

効能又は効果

  • 本態性高血圧症
  • 褐色細胞腫による高血圧症

用法及び用量

通常成人にはアモスラロール塩酸塩として1日20mgより投与を開始し、効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し、1日2回に分割、経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 投与は少量より開始し、長期投与の場合は心機能検査(心電図、X線等)を定期的に行うこと。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意すること。
  2. 初期投与量が多すぎたり、急速に用量を増加したとき、起立性低血圧、徐脈があらわれることがある。このような場合には、仰臥位をとらせるなどの適切な措置を講じること。また、必要に応じて対症療法を行うこと。
  3. β遮断剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合には徐々に減量し、十分に観察を行うこと。また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意すること。特に高齢者においては注意すること。
  4. 褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き、手術前24時間は投与しないことが望ましい。
  5. めまい・立ちくらみ等があらわれることがあるので高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. うっ血性心不全のおそれのある患者
    観察を十分に行い、ジギタリス剤を併用する等、慎重に投与すること。症状が悪化するおそれがある。
  2. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者
    低血糖症状を起こしやすく、かつその症状をマスクしやすい。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝機能障害のある患者
    本剤の代謝が抑制される。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で妊娠末期の投与により死産率及び新生児死亡率の増加が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  • 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。
  • 休薬を要する場合は、徐々に減量する。
  • 腎機能が低下していることが多く、血中濃度半減期が延長するおそれがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
交感神経抑制剤
レセルピン
過度の交感神経抑制を来すことがあるので、減量するなど注意すること。
薬理学的相互作用により、交感神経抑制作用を増強させると考えられている。
血糖降下剤
インスリン
グリベンクラミド
アセトヘキサミド
血糖降下作用が増強することがある。
また、低血糖症状(頻脈、発汗等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクしたり、β遮断作用により低血糖の回復を遅らせることがある。
カルシウム拮抗剤
ベラパミル塩酸塩
ジルチアゼム塩酸塩
徐脈、房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全があらわれることがある。
併用する場合には、用量に注意すること。
薬理学的相互作用により、陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用を増強させると考えられている。
クラスI抗不整脈剤
ジソピラミド
プロカインアミド塩酸塩
アジマリン
過度の心機能抑制があらわれることがあるので、減量するなど注意すること。
薬理学的相互作用により、心機能抑制作用を増強させることがある。
降圧作用を有する薬剤
降圧剤
硝酸剤
本剤の降圧作用が増強することがある。
併用する場合には用量に注意すること。
薬理学的相互作用により降圧作用を増強させることがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹
発赤、そう痒
精神神経系
頭痛、眠気、めまい、立ちくらみ
頭重感、不眠、耳鳴り、しびれ
循環器
徐脈、動悸
胸部圧迫感、心不全
涙液分泌減少、眼のしょぼしょぼ感
霧視
肝臓
AST上昇、ALT上昇
Al-P上昇、LDH上昇
呼吸器
喘息様症状
消化器
嘔気、食欲不振
嘔吐、腹痛、口渇、下痢
泌尿器
頻尿、尿失禁
その他
鼻閉、倦怠感、浮腫
CK上昇、抗核抗体の陽性化、脱力感、唇・舌の荒れ、ほてり
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び使用成績調査結果(期間:1988年3月29日~1994年3月28日)に基づいている。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
長期間投与する場合には眼科的検査を行うなど注意して投与すること。動物実験(有色ラット、イヌ、サル)で、メラニン色素に富む眼のぶどう膜との親和性が高いとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

健康成人にアモスラロール塩酸塩12.5、25、50、100及び150mg注) を単回経口投与したとき、吸収は極めてよく、血漿中未変化体濃度は2~4時間後に最高値に達し、消失半減期は4~6時間であった。本剤はヒトでは初回通過効果をほとんど受けなかった 。

排泄

健康成人にアモスラロール塩酸塩50mg注) を単回経口投与したとき、24時間後までの尿中に未変化体が投与量の30.1%、代謝物(o-methoxyphenoxy環の水酸化物の硫酸抱合体)が12.7%排泄された 。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常成人にはアモスラロール塩酸塩として1日20mgより投与を開始し、効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し、1日2回に分割、経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。」である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈本態性高血圧症〉
  1. 国内二重盲検試験
    本態性高血圧症に対し、アモスラロール塩酸塩の多施設二重盲検群間比較試験 (1日20mg~60mg、漸増法、12週投与)を実施し、有効性が認められた。試験は、単独投与と利尿薬との併用投与に分けて行った。
    投与法
    有効率(有効以上)
    症例数
    単剤
    61.0%
    47/77
    併用薬あり
    66.7%
    40/60
    副作用は、単独投与群99例中17例(17.2%)、併用投与群81例中22例(27.2%)に認められ、発現率は対照群と有意差はなかった。主な副作用は、頭痛・頭重、めまい・立ちくらみ、悪夢、不眠、耳鳴り、皮膚症状であった。
  2. 国内臨床試験(用法・用量検討試験)
    本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の用法・用量検討試験, (1日10mg~80mg注) 、漸増法、1週~3週投与)の結果を以下に示す。
    有効率(有効以上)
    症例数
    59.3%
    32/54
    副作用は、79例中10例(12.7%)に認められた。主な副作用は、頭痛・頭重、ふらふら感、食欲不振、発赤・発疹であった。
  3. 国内臨床試験(一般臨床試験)
    本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の一般臨床試験(6件)(1日10mg~80mg注) 、漸増法、8週~26週投与)の結果を以下に示す。
    有効率(有効以上)
    症例数
    67.7%
    195/288
    副作用は、372例中48例(12.9%)に認められた。主な副作用は、めまい・立ちくらみ・ふらふら感、食欲不振、浮腫、発疹であった。
  4. 国内臨床試験(長期投与試験)
    本態性高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の長期投与試験 (1日20mg~60mg、漸増法、1年投与)の結果を以下に示す。
    有効率(有効以上)
    症例数
    62.7%
    52/83
    副作用は、106例中12例(11.3%)に認められた。主な副作用は、頭痛、脱力倦怠感、鼻閉、気管支喘息の発作、悪心・食欲不振であった。
〈褐色細胞腫による高血圧症〉
  1. 国内臨床試験
    褐色細胞腫による高血圧症に対するアモスラロール塩酸塩の臨床試験, (1日20mg~120mg注) 、漸増法、6日~43日投与)の結果を以下に示す。
    有効率(有効以上)
    症例数
    90.5%
    19/21
    副作用は、21例中5例(23.8%)に認められた。副作用は、立ちくらみ、頭痛、めまい、全身倦怠感であった。
    注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常成人にはアモスラロール塩酸塩として1日20mgより投与を開始し、効果不十分な場合は1日60mgまで漸増し、1日2回に分割、経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。」である。

薬効薬理

作用機序
  1. αβ受容体遮断作用
    ラット、イヌを用いた生体位実験でα1受容体遮断作用とβ受容体遮断作用を同程度に併せもつことが確認されている。また、ウサギ、ラットの摘出臓器を用いた実験でα1受容体を選択的に遮断することが確認されている,,,,
  2. 血圧降下の機序
    血圧降下作用は、選択的α1受容体遮断作用により血管の緊張を緩和するためと考えられる。また、血圧降下に基づく反射性頻脈や血漿レニン活性の亢進は、β受容体遮断作用により抑制されていると考えられる,,,
血圧降下作用
病態モデル(高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラット)を用いた実験において著明な降圧作用が認められている。長期投与によっても安定した降圧効果を示すが投与中止後のリバウンド性血圧上昇は認められなかった。また、本態性高血圧症患者の長期投与試験においても安定した降圧効果を示すことが認められている,,,,
血行動態改善作用
麻酔イヌ静脈内投与試験において、平均血圧の下降と全末梢血管抵抗の減少は有意であったが、心拍出量にほとんど影響は認められず、大腿動脈血流量は増加を示した。また、本態性高血圧症患者においても心拍出量にほとんど影響を与えることなく、全末梢血管抵抗の減少を示した,,
高血圧病変に対する作用
脳卒中易発症ラットを用いた長期投与試験において、降圧作用を示すとともに、腸間膜動脈、心臓、腎臓の高血圧性病変の発生を抑制した 。
内分泌系に対する作用
本態性高血圧症患者において、糖・脂質代謝、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系にほとんど影響を及ぼさないことが認められている 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アモスラロール塩酸塩(Amosulalol Hydrochloride)
化学名
5-((1RS)-1-Hydroxy-2-{[2-(2-methoxyphenoxy)ethyl]amino}ethyl)-2-methylbenzenesulfonamide monohydrochloride
分子式
C18H24N2O5S・HCl
分子量
416.92
性状
アモスラロール塩酸塩は白色の結晶又は結晶性の粉末で、味は苦い。ギ酸に極めて溶けやすく、メタノールに溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくい。吸湿性である。本品のメタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
化学構造式
融点
158~162℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Nakashima, M. et al.: Clin. Pharmacol. Ther. 1984; 36(4): 436-443[LO-0109]
2
Kamimura, H. et al.: Xenobiotica. 1985; 15(5): 413-420[LO-0104]
3
池田正男 他: 医学のあゆみ 1986; 139(6): 425-453[LO-0007]
4
池田正男 他: 基礎と臨床 1986; 20(1): 219-227[LO-0005]
5
竹田亮祐 他: 臨床医学 1985; 1(8): 1091-1102[LO-0075]
6
荒川正昭 他: 基礎と臨床 1985; 19(12): 6157-6174[LO-0009]
7
大石誠一 他: 臨床と研究 1987; 64(7): 2247-2250[LO-0061]
8
大橋輝久 他: 西日本泌尿器科 1986; 48(4): 1461-1465[LO-0064]
9
本田一男 他: 基礎と臨床 1988; 22(5): 899-921[LO-0026]
10
Honda, K. et al.: Jpn. J. Pharmacol. 1985; 38(1): 31-41[LO-0084]
11
Takenaka, T. et al.: Eur. J. Pharmacol. 1982; 85: 35-50[LO-0105]
12
Asano, M. et al.: Arch. Int. Pharmacodyn. Ther. 1983; 262: 34-46[LO-0111]
13
Honda, K. et al.: J. Pharmacol. Exp. Ther. 1986; 236(3): 776-783[LO-0106]
14
内田 渡 他: 基礎と臨床 1986; 20(11): 5928-5934[LO-0065]
15
斉藤俊弘 他: 基礎と臨床 1985; 19(13): 6541-6544[LO-0077]
16
和泉玲子 他: 応用薬理 1985; 29(6): 863-871[LO-0083]
17
太田敬史 他: 基礎と臨床 1986; 20(11): 6028-6034[LO-0063]

文献請求先及び問い合わせ先

LTLファーマ株式会社 コールセンター
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6丁目10番1号
フリーダイヤル0120-303-711

製造販売業者等

製造販売
LTLファーマ株式会社
東京都新宿区西新宿6丁目10番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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