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ノルモナール錠15mg

血管・腎作動性高血圧治療剤

1錠 13.3円

添付文書番号

2149007F1023_1_12

企業コード

170033

作成又は改訂年月

2023年8月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872149

薬効分類名

血管・腎作動性高血圧治療剤

承認等

販売名

ノルモナール錠15mg

販売名コード

2149007F1023

販売名英字表記

Normonal Tablets

販売名ひらがな

のるもなーるじょう

承認番号等

承認番号
15600AMZ00902000

販売開始年月

1982年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

トリパミド製剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 無尿の患者[無尿の患者では利尿が期待できず、本剤が体内に貯留し中毒性の副作用(肝障害、皮膚障害)を起こすおそれがある。]
  2. 急性腎障害の患者
  3. 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[本剤の使用により体液中のナトリウム・カリウムをさらに低下させ低ナトリウム血症、低カリウム血症を誘発するおそれがある。]
  4. チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者[本剤の代謝産物がチアジドと類似の代謝産物を有しているので、スルホンアミドを含むチアジドによる過敏症の発現例では同様の過敏症が発現するおそれがある。]
  5. デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者

組成・性状

組成

ノルモナール錠15mg
有効成分
1錠中
トリパミド  15mg
添加剤
結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース

製剤の性状

ノルモナール錠15mg
剤形素錠
(割線入り)
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
6.1mm
大きさ(厚さ)
2.2mm
質量80mg
識別コードEISAI
NL015

効能又は効果

本態性高血圧症

用法及び用量

トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 本薬の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量すること。
  2. 連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
  3. 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
    急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  2. 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
    痛風や糖尿病を悪化させることがある。
  3. 下痢、嘔吐のある患者
    下痢、嘔吐による電解質失調を悪化させ低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール血症を誘発するおそれがある。
  4. 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
    高カルシウム血症を誘発し、筋肉障害を誘発するおそれがある。
  5. 減塩療法を受けている患者
    電解質バランスを乱しやすい。
  6. 交感神経切除後の患者
    本剤の降圧作用が増強される。

腎機能障害患者

  1. 急性腎障害の患者
    投与しないこと。急性腎障害患者ではBUN、クレアチニン、カリウムが上昇し、ナトリウム、クロールが低下する。本剤の使用によりBUN、クレアチニンが上昇し、電解質バランスを乱すことがある。
  2. 重篤な腎障害のある患者
    低ナトリウム血症、低クロール血症を誘発するなど電解質バランスを乱すことがある。

肝機能障害患者

  1. 進行した肝硬変症のある患者
    肝性昏睡を誘発することがある。
  2. 肝疾患・肝機能障害のある患者
    類似化合物であるチアジドは肝機能を悪化させることがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児は電解質失調を起こすおそれがある。

高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
  • 一般に過度の降圧、利尿は好ましくないとされている(脳梗塞、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある)。
  • 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  • 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
デスモプレシン酢酸塩水和物
(ミニリンメルト)
(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
バルビツール酸誘導体
起立性低血圧を増強することがある。
これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による。
あへんアルカロイド系麻薬
起立性低血圧を増強することがある。
あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
アルコール
起立性低血圧を増強することがある。
アルコールは心血管系の抑制作用があり、降圧作用を増強する。
昇圧アミン
ノルアドレナリン等
昇圧アミンの作用を減弱することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行うこと。
血管壁の反応性を低下させ、また交感神経終末からの生理的ノルアドレナリンの放出を減少させると考えられる。
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行うこと。
血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。
他の降圧剤
降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧薬の用量調節等に注意すること。
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
ジギタリス製剤
ジゴキシン
ジギトキシン
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。
血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
糖質副腎皮質ホルモン、ACTH
低カリウム血症を起こすおそれがある。
両薬剤ともカリウム排泄作用をもつ。
糖尿病用剤
糖尿病用剤の作用を減弱することがある。
機序は不明である。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 低ナトリウム血症(頻度不明)
    倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。
  2. 低カリウム血症(0.1〜5%未満)
    倦怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
肝臓
AST、ALT上昇等
腎臓
BUN上昇等
血中クレアチニン上昇等
代謝異常
高尿酸血症
高血糖症、痛風の悪化
低クロール性アルカローシス、血中カルシウムの上昇、総コレステロールの上昇
皮膚
光線過敏症
過敏症
発疹
瘙痒感
消化器
悪心・嘔吐
食欲不振、便秘、口渇、下痢
胃部不快感、腹部膨満感
循環器
動悸
精神神経系
めまい・ふらつき、頭痛・頭重
耳鳴、しびれ感、いらいら感
その他
倦怠感
脱力感、胸苦しさ、顔面潮紅
冷汗
発現頻度は製造販売後調査を含む。

臨床検査結果に及ぼす影響

患者の血清PBIを低下させることがある。しかし、この場合必ずしも甲状腺機能低下を意味しない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)単回経口投与した場合、投与後3〜4時間で最高血球中濃度(それぞれ、0.96,3.42,4.98μg/mL、トリパミドは血液中では約98%以上が赤血球中に存在する)に達し、半減期は約9〜10時間であった。血漿中濃度は投与4時間後に117.6ng/mL(90mg注))を示した。
    注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
  2. 反復投与
    健康成人男子3名に本剤30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した際の定常状態時(3回服用)の赤血球中濃度は3.3μg/mLで、血漿中濃度は約21ng/mLを示した。
    注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
    反復投与時の血中トリパミド濃度

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男子10名のクロスオーバー法を用いて、本剤15mgを空腹時あるいは食後1時間後に経口投与した際の薬物動態を比較検討した。最高赤血球中濃度、赤血球中濃度のAUC及び水酸化代謝物の尿中排泄率はいずれも食後投与の方が有意に上昇した。
    最高赤血球中濃度
    (μg/mL)
    AUC0→24
    (μg・hr/mL)
    水酸化代謝物の尿中排泄率(%)
    空腹時
    0.50±0.06
    5.681±0.689
    7.3±0.6
    食後
    0.87±0.06
    7.999±0.950
    9.8±1.0
    (Mean±S. E., n=10)

排泄

  1. 尿中排泄
    健康成人男子3名に本剤30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した場合、尿中には未変化体が1〜2%、水酸化代謝物が33〜45%排泄された。反復投与により水酸化代謝物の排泄率は上昇した。
    注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。
  2. 尿中電解質—血中濃度相関
    健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)を単回経口投与した際の赤血球中濃度時間曲線下面積(AUC)は投与量に比例して増加し、Na及びClの尿中排泄はAUCに相関して増加したが、Kの排泄は相関しなかった。
    注)本剤の承認された用法及び用量は「トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1〜2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。」である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床成績
    二重盲検試験を含む臨床試験において、本態性高血圧症に対する有効率は73.1%(291/398)であった。また二重盲検試験においても本剤の有用性が認められた,,,,

薬効薬理

作用機序
本薬の降圧機序は緩和な塩利尿作用と末梢血管拡張作用に基づくと考えられる,,
降圧作用
本薬は、正常血圧動物では血圧に影響を与えないが、自然発症高血圧ラット、DOCA・食塩負荷高血圧ラット、Goldblatt型高血圧犬では1〜10mg/kgの経口投与で有意な降圧作用を示す。1回投与によって、血圧下降を示し、連続投与により降圧作用はさらに明確となり、慣れの現象はみられない。
利尿作用
ラットに0.13〜160mg/kgの範囲で経口投与すると、用量に応じ尿量、ナトリウム、クロールの排泄が促進されるが、フロセミドやヒドロクロロチアジドに比べて、その用量−反応曲線の勾配はゆるやかで、カリウム排泄は明らかに少ない。イヌの実験及び健康人でも、カリウム排泄作用は小さく、利尿作用は緩和で、持続的である。また、ヒトにおいて腎動脈血流量及び糸球体濾過量の低下は認められない,,
血管平滑筋の弛緩作用
本薬は、モルモットの摘出腸間膜動脈の活動電位を10−7g/mLの濃度で抑制した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
トリパミド(Tripamide)
化学名
N-(4-aza-endo-tricyclo[5.2.1.02,6]decan-4-yl)-4-chloro-3-sulfamoylbenzamide
分子式
C16H20ClN3O3S
分子量
369.87
性状
トリパミドは白色〜微黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。
本品はギ酸又はN,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約255℃(分解)

包装

〈ノルモナール錠15mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]、1,000錠[10錠(PTP)×100]

主要文献

1
Horie T. et al.:J. Chromatogr., 1982;231(1):111-119 [NOL-0129]
2
川崎晃一ら:臨牀と研究, 1979;56(2):566-573 [NOL-0055]
3
青木久三ら:基礎と臨床, 1982;2(8):1296-1302 [NOL-0057]
4
山本田ヵ也ら:Prog. Med., 1982;2(12):2079-2082 [NOL-0082]
5
沢田 恂:診療と新薬, 1982;19(9):2511-2516 [NOL-0064]
6
増山善明ら:医学のあゆみ, 1980;113(11):928-942 [NOL-0052]
7
五十嵐俊二ら:診療と新薬, 1979;16(5):1253-1261 [NOL-0022]
8
小林正敏ら:診療と新薬, 1979;16(4):1001-1010 [NOL-0019]
9
野口正義ら:薬物療法, 1979;12(4):539-548 [NOL-0021]
10
Brater D. C.:Clin. Pharmacol. Ther., 1983;34(1):79-85 [NOL-0084]
11
Asada H. et al.:Gen. Pharmacol., 1982;13(3):215-223 [NOL-0035]

文献請求先及び問い合わせ先

エーザイ株式会社 hhcホットライン
〒112-8088 東京都文京区小石川4-6-10
フリーダイヤル 0120-419-497

製造販売業者等

製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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