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ワゴスチグミン散(0.5%)

副交感神経興奮剤

1g 15.2円

添付文書番号

1233001B1025_3_02

企業コード

672173

作成又は改訂年月

2022年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871233

薬効分類名

副交感神経興奮剤

承認等

販売名

ワゴスチグミン散(0.5%)

販売名コード

1233001B1025

販売名英字表記

Vagostigmin Powder

承認番号等

承認番号
13128KUZ03919001

販売開始年月

1955年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

劇薬

一般的名称

ネオスチグミン臭化物

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 消化管又は尿路の器質的閉塞のある患者[蠕動運動を亢進させ、また排尿筋を収縮させる作用を有する。]
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 迷走神経緊張症の患者[迷走神経興奮作用を有する。]
  4. 脱分極性筋弛緩剤(スキサメトニウム)を投与中の患者

組成・性状

組成

ワゴスチグミン散(0.5%)
有効成分
1g中、ネオスチグミン臭化物  5mgを含有する。
添加剤
コムギデンプン

製剤の性状

ワゴスチグミン散(0.5%)
性状・剤形
白色の散剤である。

効能又は効果

  • 重症筋無力症
  • 消化管機能低下のみられる下記疾患
    慢性胃炎
    手術後及び分娩後の腸管麻痺
    弛緩性便秘症
  • 手術後及び分娩後における排尿困難

用法及び用量

〈重症筋無力症〉
通常、成人にはネオスチグミン臭化物として1回15~30mgを1日1~3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
〈消化管機能低下のみられる3疾患並びに手術後及び分娩後における排尿困難〉
通常、成人にはネオスチグミン臭化物として1回5~15mgを1日1~3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. ときに筋無力症状の重篤な悪化、呼吸困難、嚥下障害(クリーゼ)をみることがあるので、このような場合には、臨床症状でクリーゼを鑑別し、困難な場合には、エドロホニウム塩化物2mgを静脈内注射し、クリーゼを鑑別し、次の処置を行うこと。
    1. コリン作動性クリーゼ
      腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状が増悪ないし不変の場合は、直ちに投与を中止し、アトロピン硫酸塩水和物0.5~1mgを静脈内注射する。更に、必要に応じて人工呼吸又は気管切開等を行い気道を確保する。
    2. 筋無力性クリーゼ
      呼吸困難、唾液排出困難、チアノーゼ、全身の脱力等の症状が認められた場合又はエドロホニウム塩化物を投与したとき症状の改善が認められた場合は、本剤の投与量を増加する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 気管支喘息の患者
    気管支平滑筋を収縮させることがある。
  2. 甲状腺機能亢進症の患者
    甲状腺機能亢進症を悪化させるおそれがある。
  3. 冠動脈閉塞のある患者
    冠動脈を収縮させることがある。
  4. 徐脈のある患者
    徐脈を更に増強させるおそれがある。
  5. 消化性潰瘍の患者
    胃酸分泌を促進させることがある。
  6. てんかんの患者
    骨格筋の緊張が高まり、痙攣症状を増強させるおそれがある。
  7. パーキンソン症候群の患者
    不随意運動を増強させるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
脱分極性筋弛緩剤
スキサメトニウム塩化物水和物
スキサメトニウム、レラキシン
脱分極性筋弛緩剤の作用を増強する。
本剤はコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
コリン作動薬
アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩等
相互に作用が増強される。
本剤はコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリン、アクラトニウムナパジシル酸塩の分解を抑制する。
副交感神経抑制剤
アトロピン硫酸塩水和物、スコポラミン臭化水素酸塩水和物、ブトロピウム臭化物等
副交感神経抑制剤はコリン作動性クリーゼの初期症状を不顕性化し、本剤の過剰投与を招くおそれがあるので、副交感神経抑制剤の常用は避けること。
副交感神経抑制剤は本剤の作用に拮抗する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. コリン作動性クリーゼ(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
過敏症状
循環器
血圧降下、徐脈、頻脈
呼吸器
気管支痙攣、気道分泌の亢進
消化器
唾液の分泌過多、悪心・嘔吐、下痢
腹痛
精神神経系
発汗、めまい、大量投与による不安・興奮・虚脱・脱力・筋攣縮・骨格筋の線維束攣縮等
その他
縮瞳

過量投与

  1. 症状
    コリン作動性クリーゼ(腹痛、下痢、発汗、唾液分泌過多、縮瞳、線維束攣縮等)があらわれることがある。

薬物動態

血中濃度

重症筋無力症患者3例にネオスチグミン臭化物として30mgを空腹時単回経口投与したときのネオスチグミンの薬物動態パラメータを表16-1に示す(外国人データ)。
表16-1 薬物動態パラメータ
投与量
(mg)
n
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
AUC0-5
(ng・hr/mL)
T1/2
(hr)
30
3
4~9
1~2
10.20±1.89注1
0.87±0.09注1
注1:mean±S.E.
(測定法:ガスクロマトグラフィー)

分布

蛋白結合率:15~25%(外国人データ)

排泄

重症筋無力症患者に360mgまでの用量を反復投与したとき、24時間尿中には未変化体が投与量の5%未満排泄された(外国人データ)。

臨床成績

製造販売後調査等

再評価結果における有効性評価対象例は181例であり、有効率は78.5%(142例)であった。再評価結果における安全性評価対象例181例中、副作用は7例(3.9%)に認められた。主なものは、悪心・嘔吐が4件、発汗が4件等であった,,,,,
表17-1 臨床成績
疾患名
有効例数/有効性評価対象例数
有効率(%)
重症筋無力症
3/3
消化管機能低下に伴う慢性胃炎、弛緩性便秘症等
98/134
73.1
手術後及び分娩後における腸管麻痺
35/35
100
手術後及び分娩後における排尿困難
6/9

薬効薬理

作用機序
アセチルコリンはコリン作動性神経(cholinergic nerve)における刺激伝達物質と考えられているが、これを選択的に分解する生体内酵素コリンエステラーゼによって加水分解され、その作用を消失する。ネオスチグミンは、このコリンエステラーゼを一時的に不活化して、アセチルコリンの分解を抑制し、間接的にアセチルコリンの作用を増強するとともに、自らもアセチルコリン様の作用を有するコリン作動薬(副交感神経興奮剤)である。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ネオスチグミン臭化物(Neostigmine Bromide)
化学名
3-(Dimethylcarbamoyloxyphenyl)-trimethylammonium bromide
分子式
C12H19BrN2O2
分子量
303.20
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)、酢酸(100)又はクロロホルムに溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約167℃(分解)

包装

100g[瓶、バラ]
500g[瓶、バラ]

主要文献

1
Aquilonius, S. M. et al.:Eur. J. Clin. Pharmacol. 1979;15:367-371
2
Nowell, P. T. et al.:Br. J. Pharmacol. 1962;18:617-624
3
北原周文, 他:医学通信. 1958;542:38-41
4
日野貞雄:医学通信. 1959;595:18-24
5
守一雄:最新医学. 1956;11(8):2021-2023
6
権藤祐一, 他:最新医学. 1949;4(8):445-447
7
森一郎, 他:産科と婦人科. 1957;32(7):64-67
8
朧谷寿人, 他:社内資料(ワゴスチグミン散の使用経験, 1960)

文献請求先及び問い合わせ先

共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
 0120-041-189
FAX 06-6121-2858

製造販売業者等

製造販売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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