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閲覧履歴

リスミー錠2mg

睡眠誘導剤

1錠 19.8円

添付文書番号

1129006F1021_3_03

企業コード

672173

作成又は改訂年月

2022年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871129

薬効分類名

睡眠誘導剤

承認等

販売名

リスミー錠1mg

販売名コード

1129006F1021

販売名英字表記

Rhythmy Tablets

承認番号等

承認番号
20100AMZ00195

販売開始年月

1989年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
リルマザホン塩酸塩錠

規制区分

習慣性医薬品 注1)
注1)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

リスミー錠2mg

販売名コード

1129006F2028

販売名英字表記

Rhythmy Tablets

承認番号等

承認番号
20100AMZ00196

販売開始年月

1989年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
リルマザホン塩酸塩錠

規制区分

習慣性医薬品 注3)
注3)注意―習慣性あり
処方箋医薬品 注4)
注4)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

リルマザホン塩酸塩水和物

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  3. 重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]

組成・性状

組成

リスミー錠1mg
有効成分
1錠中、日局リルマザホン塩酸塩水和物  1mgを含有する。
添加剤
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム
リスミー錠2mg
有効成分
1錠中、日局リルマザホン塩酸塩水和物  2mgを含有する。
添加剤
D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、含水二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

リスミー錠1mg
外形
大きさ
大きさ(直径)
約7.0mm
大きさ(厚さ)
約2.4mm
質量約0.12g
識別コードリスミー1/1(表/裏)
性状・剤形
白色の円形の素錠である。
リスミー錠2mg
外形
大きさ
大きさ(直径)
約7.0mm
大きさ(厚さ)
約2.4mm
質量約0.12g
識別コードリスミー2/2(表/裏)
性状・剤形
白色の円形の素錠である。

効能又は効果

  • 不眠症
  • 麻酔前投薬

用法及び用量

〈不眠症〉
通常、成人にはリルマザホン塩酸塩水和物として1回1~2mgを就寝前に経口投与する。
なお、年齢、疾患、症状により適宜増減するが、高齢者には1回2mgまでとする。
〈麻酔前投薬〉
通常、成人にはリルマザホン塩酸塩水和物として1回2mgを就寝前又は手術前に経口投与する。
なお、年齢、疾患、症状により適宜増減するが、高齢者には1回2mgまでとする。

用法及び用量に関連する注意

〈不眠症〉
就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

重要な基本的注意

  1. 本剤の影響が翌朝以後に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
  2. 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。
  2. 衰弱している患者
    作用が強くあらわれる。
  3. 心障害のある患者
    心障害が悪化するおそれがある。
  4. 脳に器質的障害のある患者
    作用が強くあらわれる。

腎機能障害患者

  1. 腎障害のある患者
    薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。
  2. 腎不全患者
    少量から投与を開始することが望ましい。

肝機能障害患者

薬物の体内蓄積による副作用の発現に注意すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
  1. 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
  2. ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。
  3. 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。

授乳婦

授乳を避けさせること。ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム)で報告されており、また黄疸を増強する可能性がある。本剤による動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。運動失調等の副作用が発現しやすい。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルコール
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。
共に中枢神経抑制作用を有する。
MAO阻害剤
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましい。やむを得ず併用する場合には慎重に投与すること。
本剤の代謝が抑制される。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 呼吸抑制(0.1%未満)、炭酸ガスナルコーシス(頻度不明)
    呼吸抑制があらわれることがある。また、呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすことがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。
  2. 依存性
    連用により薬物依存(0.1%未満)を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作(0.1%未満)、譫妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状(0.1~5%未満)があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
  3. 刺激興奮、錯乱(いずれも頻度不明)
  4. 一過性前向性健忘、もうろう状態(いずれも頻度不明)
    本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に行うこと。なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。

その他の副作用

0.1~2%
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹等
精神神経系
眠気、ふらつき、頭重感、めまい、頭痛
頭がぼんやりする、ろれつがまわらない、いらいら感、妄想、興奮、ムズムズ感
肝臓
ALT上昇、AST上昇
Al-P上昇、LDH上昇
循環器
動悸、不整脈
消化器
口渇、食欲不振、悪心・嘔吐
下痢、便秘
骨格筋
倦怠感等の筋緊張低下症状
その他
むくみ、発汗、前胸部痛
覚醒遅延傾向
(麻酔前投薬として用いた場合)

過量投与

  1. 処置
    本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意を必ず読むこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性4例にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを空腹時経口投与したとき、血漿中に未変化体は認められず、4種の活性代謝物が認められた。活性代謝物の血漿中濃度を図16-1に、総活性代謝物のパラメータを表16-1に示す。
    図16-1 経口投与時の血漿中活性代謝物濃度
    表16-1 薬物動態パラメータ
    投与量
    (mg)
    n
    Cmax
    (ng/mL)
    Tmax
    (hr)
    AUC0-∞
    (ng・hr/mL)
    T1/2
    (hr)
    2
    4
    7.6±2.5
    3.0±0.0
    122.8±42.0
    10.5±2.6
    (測定法:HPLC)(mean±S.D.)
  2. 反復投与
    健康成人男性にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mg反復投与(22日間)後の血漿中活性代謝物濃度は、初回投与後の測定値より求めた薬物動態パラメータから予測された血漿中濃度とほぼ等しく、反復投与による薬物動態の変動は認められなかった。活性代謝物のうち、最も遅く生成するM-3の血漿中濃度は投与後3日目に定常状態となり、投与中止後3日目には消失した。

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを食後あるいは空腹時投与後、各代謝物の血漿中濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータについて分散分析を行った結果、両群間に有意差は認められなかったことから、食事によって代謝物の血漿中濃度は変動しないことが明らかとなった。

分布

血漿蛋白結合率:M-1:79.3%、M-2:81.2%、M-A:76.8%、M-3:80.8%、M-4:88.9%である。
ラットに14C-標識リルマザホン塩酸塩水和物を3mg/kg単回経口投与したとき、血漿中濃度は投与2時間後に、肝臓中濃度は投与30分後に最高値を示し血漿中濃度の24倍となった。また、他の臓器(消化管以外)は投与1時間後に最高値を示し、その後徐々に減少した。排泄に関与する肝臓・腎臓・腸管を除く他の臓器は、いずれも血漿中濃度とほぼ等しい動きを示し、投与72時間後以降は検出限界以下となった。

代謝

リルマザホン塩酸塩水和物は、アミノペプチダーゼによって脱グリシンを受け閉環後、順次M-1、M-2、M-A、M-3活性代謝物に変換する。M-1からM-2、M-2からM-Aへの変換にはCYP3A4が関与する。各活性代謝物はカルボキシエステラーゼによりM-4へ代謝される。
図16-2 リルマザホン塩酸塩水和物の主要代謝物と代謝経路

排泄

リルマザホン塩酸塩水和物は主にM-4となって尿中に排泄される。2mg錠を単回投与後及び22日間反復投与後の24時間までのM-4の尿中排泄率は、それぞれ62.3%、61.5%であった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎不全患者
    健康成人男性4例にリルマザホン塩酸塩水和物錠2mgを投与した群と腎不全患者5例にリルマザホン塩酸塩水和物錠1mgを投与した群の、血漿中濃度シミュレーションはほぼ同等であった。
    図16-3 健康成人男性、腎不全患者における代謝物(M-1とM-2の和)の平均血漿中濃度とそのシミュレーションカーブ

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈不眠症〉
  1. 国内一般臨床試験
    承認時における一般臨床試験での有効性評価対象例は224例であり、有効率は59.8%(134例)であった,,
    また、長期臨床試験での最終有効率は65.3%(32例/49例)で安定した効果の持続が認められた。
  2. 国内二重盲検比較試験(ニトラゼパムとの比較)
    精神科領域及び心療内科領域での不眠症を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認された。
〈麻酔前投薬〉
  1. 国内二重盲検比較試験(ニトラゼパムとの比較)
    手術前夜及び麻酔前投薬を対象とした二重盲検比較試験において、本剤の有用性が確認された。

薬効薬理

作用機序
後部視床下部の抑制を介して大脳辺縁系の活動を低下させることにより、鎮静-催眠作用を発揮するものと考えられる。
薬理作用
  1. 睡眠導入作用:アカゲザルの睡眠-覚醒パターンに及ぼす影響
    リルマザホン塩酸塩水和物0.3~1mg/kgでは徐波深睡眠(SWDS)に至る時間が著しく短縮し、用量依存的にSWDSの増加と安定した持続が得られた。また、4種の代謝物の効力はM-1>M-2>M-A=M-3であった。
  2. 筋弛緩作用
    マウスの懸垂、回転棒、傾斜板試験におけるED50の比較を表18-1に示す。
    表18-1 各種睡眠誘導剤の筋弛緩作用
    薬剤\薬理作用
    筋弛緩作用(マウス:ED50,mg/kg)
    懸垂法
    回転棒法
    傾斜板法
    リルマザホン塩酸塩水和物
    185.9
    236.9
    142.6
    ジアゼパム
    6.3
    17.7
    6.9
    ニトラゼパム
    1.5
    5.3
    0.8
    エスタゾラム
    6.4
    17.7
    5.9
    トリアゾラム
    0.7
    2.8
    0.9
    フルラゼパム
    23.3
    114.4
    15.1
    ED50:50%有効量
  3. 誘発睡眠:健康成人の計量ポリグラフィー
    リルマザホン塩酸塩水和物錠の徐波睡眠量(stage3+4)はニトラゼパムより多く、本剤の誘発睡眠の用量-作用曲線は0.5~4mgで線形性を示した。
  4. 終夜睡眠ポリグラフィー:健康成人の中期睡眠検査室試験
    リルマザホン塩酸塩水和物錠1及び2mgの経口投与で、入眠潜時の短縮、全睡眠時間の延長が認められ、反復投与しても、REM睡眠への影響は極めて少なく、投与を中止してもREM睡眠の反跳はみられなかった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
リルマザホン塩酸塩水和物(Rilmazafone Hydrochloride Hydrate)
化学名
5-[(2-Aminoacetamido)methyl]-1-[4-chloro-2-(2-chlorobenzoyl)phenyl]-N,N-dimethyl-1H-1,2,4-triazole-3-carboxamide monohydrochloride dihydrate
分子式
C21H20Cl2N6O3・HCl・2H2O
分子量
547.82
性状
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
メタノールに極めて溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくい。
化学構造式
融点
約104℃
分配係数
2.1[pH8、酢酸エチル/緩衝液]

包装

〈リスミー錠1mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
500錠[瓶、バラ]
〈リスミー錠2mg〉
100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
500錠[瓶、バラ]

主要文献

1
菅野浩一, 他:医薬品研究. 1986;17(5):1046-1052
2
山田秀雄, 他:臨床薬理. 1988;19(3):607-616
3
小林真一, 他:臨床薬理. 1992;23(3):573-580
4
菅野浩一, 他:医薬品研究. 1986;17(5):1019-1035
5
Koike, M. et al.:J. Pharmacobio-Dyn. 1986;9:563-569
6
馬場隆彦, 他:医薬品研究. 1996;27(6):285-290
7
吉川政己, 他:最新医学. 1987;42(6):1274-1287
8
大熊輝雄, 他:精神医学. 1985;27(8):943-958
9
筒井末春, 他:基礎と臨床. 1987;21(8):3671-3681
10
菱川泰夫, 他:臨床精神医学. 1986;15(10):1725-1738
11
大熊輝雄, 他:精神医学. 1985;27(12):1421-1438
12
筒井末春, 他:基礎と臨床. 1987;21(8):3683-3699
13
百瀬隆, 他:基礎と臨床. 1987;21(1):467-483
14
粟山欣也, 他:Neurochem. Int. 1986;9(1):91-98
15
山本研一, 他:日本薬理学雑誌. 1984;84(1):25-89
16
山本研一, 他:日本薬理学雑誌. 1984;84(1):109-154
17
苗村育郎, 他:精神医学. 1983;25(2):145-158
18
苗村育郎, 他:臨床精神医学. 1985;14(7):1121-1131

文献請求先及び問い合わせ先

共和薬品工業株式会社 お問い合わせ窓口
〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-4
 0120-041-189
FAX 06-6121-2858

製造販売業者等

製造販売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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