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ユービット錠100mg

ヘリコバクター・ピロリ感染診断用剤

1錠 2653.5円

添付文書番号

7290005F1037_1_13

企業コード

180078

作成又は改訂年月

2021年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87729

薬効分類名

ヘリコバクター・ピロリ感染診断用剤

承認等

販売名

ユービット錠100mg

販売名コード

7290005F1037

販売名英字表記

UBIT tablets 100mg

販売名ひらがな

ゆーびっとじょう100mg

承認番号等

承認番号
21400AMZ00606

販売開始年月

2002年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
36箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

尿素(13C)錠

組成・性状

組成

ユービット錠100mg
有効成分
1錠中尿素(13C)  100mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、タルク、酸化チタン

製剤の性状

ユービット錠100mg
剤形フィルムコート錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.1mm
大きさ(厚さ)
3.7mm
質量約204mg
識別コードOG73

効能又は効果

ヘリコバクター・ピロリの感染診断

用法及び用量

通常、成人には、尿素(13C)として100mg(1錠)を空腹時に経口投与する。
[標準的な13C-尿素呼気試験法]
(1)の服用前に呼気を採取する。
(2)(1錠)をつぶしたりせず、空腹時に水100mLとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下する。
(3)服用後左側臥位の姿勢を5分間保ち、その後は座位の姿勢を保つ。
(4)服用後20分に呼気を採取する。
(5)服用前と服用後の呼気中13CO213CO2/12CO2比)を測定し、その変化量(Δ13C)を算出し判定する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 判定基準
    服用後20分のΔ13C:2.5‰以上をH. pylori陽性と判定する。
  2. 13C-尿素呼気試験法における呼気中13CO2の測定は、質量分析法又は同等の性能を有する分析法(赤外分光法等)で実施すること。また、質量分析法及び赤外分光法においては、呼気中のCO2濃度が1%未満の場合にはΔ13C値の再現性が乏しくなることがあり、Δ13C値の低値領域では判定に影響することがあるので注意すること。
  3. 感染診断実施上の留意事項
    13C-尿素呼気試験法の判定結果は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等のプロトンポンプインヒビター(PPI)、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質、メトロニダゾール、ビスマス製剤及び抗ウレアーゼ活性のあるエカベトナトリウム水和物等のヘリコバクター・ピロリに対する静菌作用を有する薬剤の服用中や中止直後では偽陰性になる可能性があるため、除菌前及び除菌後の感染診断の実施に当たっては、当該静菌作用を有する薬剤投与中止又は終了後2週間以上経過していること。
  4. 除菌後の感染診断(除菌判定)
    除菌判定については、除菌治療薬剤投与終了後4週以降の時点で実施すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 胃切除を受けた患者等
    本剤は錠剤であることから、胃内で十分停滞せず通過する場合や本剤の溶解が遅くなり呼気反応が遅れること等により、陰性と判定される可能性がある。
  2. 無酸症の患者又はHelicobacter heilmannii等ウレアーゼ活性を有する細菌が胃内に生息する患者
    陽性と判定される可能性がある,,

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹
消化器
腹部膨満感、下痢、心窩部不快感
悪心、嘔吐
その他
血清カリウム値の上昇

適用上の注意

薬剤投与時の注意
服用に際しては錠剤をつぶしたりせず、噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下するよう注意すること。本剤が口腔内で崩壊すると、ウレアーゼ活性を有する口腔内常在菌の影響を受け陽性と判定される可能性がある。なお、本剤を水に投入した時、フィルムコートが剥離し始める時間は5~8秒であった。
診断上の注意
  1. の第Ⅲ相試験では、約2.3%(H. pylori感染130例中3例)の割合で偽陰性が生じたので、臨床症状からH. pylori感染が示唆されるようであれば、別の検査法による判定結果を参考にすること。
  2. 胃内のH. pyloriの菌体数と13C-尿素呼気試験法の結果(Δ13C値)の相関は確立していない。

薬物動態

血中濃度

健康成人(H. pylori抗体価:陽性5例、陰性5例)に尿素(13C)として100mgを空腹時単回経口投与した時の尿素(13C)の薬物動態パラメータを下表に示す。
H. pylori抗体価
Tmax
(hr)
Cmax
(µg/mL)
t1/2
(hr)
AUC0-24hr
(µg・hr/mL)
陽性
0.6±0.2
2.3±0.5
7.7±1.7
21.3±5.4
陰性
1.1±1.1
3.0±0.8
5.7±1.6
24.1±13.4
平均値±標準偏差、5例、数値は全て内因性の13C-尿素を除いた値

吸収

ほぼ全量吸収された(ラット)。

分布

血漿蛋白結合率は6.6%であった(イヌ)。

代謝

体内では代謝されない,

排泄

  1. 排泄経路
    腎排泄
  2. 排泄率
    H. pylori非感染者(7例)に、一晩絶食後、20mLの水に溶解した14C-尿素(尿素として50mg)を単回経口投与した時、投与後3日目までの14Cの尿中排泄率は約90%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    上部消化管疾患が疑われた患者260例に本剤100mgを空腹時単回経口投与し13C-尿素呼気試験を行った。生検法を組合わせた診断法(FDA判定基準:1995年)をもとに診断したH. pylori感染者130例及び非感染者124例を対象に、質量分析法で呼気中13CO2を測定した結果、カットオフ値2.5‰、呼気採取時間20分において、感度97.7%、特異度98.4%及び正診率98.0%であった。また、本試験において、赤外分光法と質量分析法で測定した呼気中Δ13C値(2,542ポイント)を比較すると、その値はよく一致した。副作用発現頻度は、259例中7例(2.7%)であり、副作用は、血中カリウム増加2例(0.8%)、腹部膨満、下痢、軟便、白血球減少及び白血球増加が各1例(0.4%)であった。

薬効薬理

測定法
H. pyloriは高いウレアーゼ活性を有している。
安定同位元素13Cで標識された本剤をヒトに経口投与すると、胃内にH. pyloriが存在する場合は、そのウレアーゼ活性によって本剤は13CO2とNH3に分解され、13CO2は血中に移行した後、呼気中に排出される。
13C-尿素呼気試験は、この原理を応用して尿素(13C)服用後の呼気中13CO2濃度の変化を測定することにより、H. pyloriの存在を検出する方法である。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
尿素(13C)〔Urea(13C)(JAN)〕
化学名
13C-尿素
分子式
13CH4N2O
分子量
61.05
性状
無色~白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。水溶液(1→100)は中性である。
化学構造式
融点
133.5~135.5℃

取扱い上の注意

吸湿性を有するため、SP包装開封後は速やかに使用すること。

包装

SP:2錠(2錠×1)、10錠(2錠×5)

主要文献

1
加藤元嗣 ほか:日本消化器病学会雑誌.2001;98(7):853.
2
加藤元嗣 ほか:Helicobacter pyloriと胃粘膜病変-最新の研究成果-.先端医学社 東京.1995;151-158.
3
Borriello, S. P. et al.:J Clin Pathol.1985;38(8):946-953.
4
McNulty, C. A. M. et al.:J Clin Pathol.1989;42(6):585-591.
5
Vaira, D. et al.:J Clin Pathol.1988;41(7):812-813.
6
浅木 茂 ほか:臨床薬理.1996;27(3):607-616.
7
大住孝彦 ほか:薬理と治療.1996;24(6):1365-1374.
8
Watanabe, J. et al.:J Pharm Dyn.1984;7:294-303.
9
Munster, D. J. et al.:Scand J Gastroenterol.1993;28(8):661-666.
10
FDA Center for Drug Evaluation and Research:Division of anti-infective drug products:Points to consider;Clinical development and labeling of anti-infective drug products, March 1995 Addendum(draft)Helicobacter pylori-associated peptic ulcer disease Indication #25.

文献請求先及び問い合わせ先

大塚製薬株式会社 医薬情報センター
〒108-8242 東京都港区港南2-16-4
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